追加工事に関する売上原価の計上、について
弊社が請け負った工事について、工事が完了したため、
売上を9月に計上する予定だったのですが、
10月になってから追加工事が発生し、
10月に「仕入(すべて売上原価となった)」が発生しました。
このような場合、売上、売上原価の計上月として、
1.9月までに完了した工事の売上と売上原価を計上し、10月に発生した追加工事の売上原価は、追加工事ではなく「別工事」分、として、管理するべきでしょうか?
あるいは
2.9月に計上した売上、売上原価をいったん「取り消して」、10月追加工事の売上原価を含めて、10月に売上、売上原価(追加工事分含む)を計上するべきでしょうか?
税理士の回答
山本快夫
お世話になります。
ご質問に対する回答)
↓
1.2.ともに、税務上は、任意でどちらでも構いません。
顧客に納品(完成引渡)した物件について、残作業・追加作業が生じるものについては、
・受注時には予定されていない追加作業の発生分
・受注時から予定されていたうちの残作業の発生分
等々、それぞれに発生要因や発生に至る事情があるものと考えます。
会社によっては、別工事として管理するケースもありますし、一つの工事の中として管理するケースもあります。
また、後者のように当初から予定されていて見積可能な場合は、期中においては、原価を未払計上するケースもあります。(決算時は注意を要します)
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補足)
ご質問の前提から決算月が不明ですが、残作業・追加作業の発生が、事業年度を跨ぐ場合、翌期に係る予定の費用(未払原価)は、発生も確定もしていませんので、今期の原価に含めることができません。
会計上は、引当金を計上するケースもあるかも知れませんが、税務上損金不算入ですし、事務処理が煩雑となり、金額の重要性から、おすすめできません。
あと、未成工事支出金に係る消費税の仕入税額控除のタイミングについて、念のためご確認ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6487.htm
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他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。
髙畑智子
工事の売上および売上原価の計上時期は、任意に選択できるものではなく、契約内容や工事の進捗状況に応じて判断する必要があります。
まず、9月時点で当初契約に係る工事が完成し、引渡しが完了しているのであれば、原則として9月の売上および売上原価を取り消す必要はありません。
10月に発生した追加工事が新たな契約に基づくものであれば、当初工事とは区分して処理することが考えられます。
一方、10月の追加工事が当初契約に含まれる工事であり、9月時点で工事が完成していなかったのであれば、9月の売上計上が適切であったかを確認する必要があります。
なお、工事契約については、一定の要件を満たす場合、工事の進捗度に応じて売上および売上原価を認識することになります。
したがって、ご質問の1または2を任意に選択するのではなく、当初工事の完成状況、追加工事の契約内容、収益認識の方法を確認したうえで判断することが適切と考えます。
荒川直宙
結論から申し上げますと、どちらの処理を行うべきかは「9月末時点で実質的な『引渡し』が完了していたか」と「追加工事について『追加請求(増額)』があるか」によって判断が分かれます。
客観的に9月末で本体工事の引渡しが済んでいれば「1」、追加工事が終わらないと工事完了とみなされない状態であれば「2」が適正な処理となります。判断基準と具体的な処理方法を整理いたしました。
【1】判断の最大の基準は「引渡しの時期」
工事の売上・売上原価の計上時期は、原則として「目的物の引渡しが完了した日」と定められています。引渡しの日は、作業結了日、検収完了日、相手方が使用できる状態になった日など、工事内容に応じて会社が継続して採用している合理的な基準によります(法人税基本通達2-1-21の7)。
したがって、9月末時点でこれらに照らし、客観的に引渡しが完了していたかどうかが最大の分岐点となります。
【2】状況に応じた具体的な処理方針
◆ ケースA:9月に本体工事の引渡しが完了している場合(1の処理)
9月末時点で当初の請負契約にかかる工事の引渡しを終えているのであれば、9月に計上した売上および売上原価を取り消す必要はありません。
・追加代金を請求できる場合(有償)
10月の追加工事は別契約(または変更契約)として管理します。10月の追加工事が完了・引渡しとなった時点で、追加分の「売上」と「売上原価」を計上するのが適正です。
・追加代金を請求できない場合(無償・手直し等の場合)
追加売上は立ちませんが、手直しが9月末時点で当初契約の未了作業として必要と分かっていた場合は、10月の仕入見込額を9月の売上原価に見積計上します(法人税基本通達2-2-1)。一方、引渡し後に新たに生じた補修(瑕疵の手直し等)であれば、10月の費用として計上します。
◆ ケースB:追加工事を含めないと引渡しと認められない場合(2の処理)
「追加工事が終わって初めて本来の工事が完成したといえる」「施主の最終的な検収や引渡しが10月にずれ込んだ」という実態である場合、9月時点での売上計上は「売上の前倒し計上」とみなされるおそれがあります。
この場合は、ご検討されている「2」のとおり、9月の売上・売上原価をいったん取り消し、追加工事も含めてすべて完了した10月に一括して売上・売上原価を計上するのが適正な会計処理となります。
【3】決算月を挟む場合の税務リスク
もし御社の決算期末(事業年度の締め)が9月である場合、この計上月は税務調査で厳しく確認されるポイントとなります(決算月でない通常の月次処理であれば、社内管理上の問題にとどまり税務上のリスクは生じません)。
実質的な引渡しが10月であるにもかかわらず9月に売上だけを前倒し計上したり、逆に9月に売上を立てながら対応する原価を見積計上せずに10月に落としたりすると、期ズレとして税務調査で否認されるリスクがあります。
特に9月決算である場合は、作業日報や引渡書・検収書の日付、現場の実態を顧問税理士と確認した上で慎重に処理されることをおすすめします。
まずは「9月末時点で相手方への引渡しが成立していたか」をご確認いただき、成立していれば1、未成立であれば2を選択するのが実務上確実です。
少しでもお役に立てましたら、ベストアンサーに選んでいただけますと幸いです。
一連の工事の完了が、9月なのか、あるいは10月なのかにより売上、売上原価の計上は異なります。
10月に仕入れが生じたことだけで、9月の売上を取り消すかは決められないと考えられます。追加分が新たな注文なのか、当初契約を完成させる残工事なのかを、契約書・検収書等で確認することが出発点です。また、決算時に未確定の原価でも、当期収益に対応する原価なら適正な見積りが必要となる場合がありますが、単なる事後的費用とは区別します。別工事としての管理方法と計上時期を分けて整理し、決算月や収益認識方法も含め、顧問税理士に確認されるとよいでしょう。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
ご見解をいただき、誠にありがとうございました。大変助かりました。
山本快夫
顧客に納品(完成引渡)した物件について、売上計上は確定しますので、その後に、
残作業・追加作業が生じるケースにおいて、その原価をどう処理するのか、実務上悩ましい場面が生じます。
・受注時には予定されていない追加作業の発生分
↓
単なる事後的費用の性格を有するものとして見積計上は認められません。
・受注時から予定されていたうちの残作業の発生分
↓
合理的な判断が要件として、確定していなくても見積計上の余地はありますが、疎明できる準備が必要となります。
ご質問の前提においては、いずれの処理も、売上は変わらず、原価が変わるだけですので、差額追加か洗替かの違いでしかなく、1.2.ともに、税務上は、任意でどちらでも構わないと考えます。
宜しくお願い致します。
本投稿は、2026年11月03日 07時24分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







