未収穫農産物の棚卸について
個人事業主です。
去年1年間アスパラガスを育成し、12月にその根っこを掘り上げてハウス内の温床に伏せ込み、冬の1月から収穫、出荷する場合、アスパラガスにかかった費用を未収穫農産物の価格として棚卸すればいいのでしょうか?
その際、種苗代、肥料代、農薬費に限定して計算して差し支えないとされていますが、木枠代や電熱線、川砂など諸材料費がかかっているのですが、棚卸しないで去年の経費にしてもいいと言うことですか?
よろしくお願いします。
税理士の回答

丸山昌仁
回答します。
あなた様のお考えのとおりで結構です。
種苗、肥料、農薬は、アスパラガスの育成に必要であり、その効果は翌年に及びます。つまりアスパラガスが残る限り効果はあると考えますが、諸材料費は、その効果は翌年にまで及びません。
単年の作物なら未収穫作物の棚卸は考えませんが、アスパラガスのように収穫まで1年かかる作物は、その育成に直接要した費用を収穫まで持ち越す必要があります。
収穫して、はじめて経費になると考えてください。
なお、諸材料はアスパラガスの成長に直接関係していないので、その年の経費に計上します。
少しわかりにくい説明で申し訳ございません。
アスパラガスの中身になっているとどうかが、棚卸の判断基準と考えても良いかなと思います。
試験栽培的な意味合いもあり、栽培がうまく行った場合は販売するが、栽培がうまく行かず売り物ができなかった場合でも処理としては同じですか?

丸山昌仁
回答します。
期末に未収穫農産物の棚卸に計上するということは、その金額が翌年の期首に計上されます。
すなわち自動的に翌年の経費に計上されますので、栽培が上手くいかなく成果が出ないときは、翌年の期末に何も計上しないことで経費に全額計上されます。あくまでも期末に計上する意味は、経費を翌年に先送りするということです。
すいません。最後にもうひとつだけお願いします。
根を1ヶ月早く掘り上げて12月から3月まで収穫する場合はどうすればいいでしょうか?

丸山昌仁
回答します。
収穫期間の案分を行い、例えば、20%程度収穫したと見込めば、期末計上予定の棚卸を20%減額してください。
減額することで、その年の経費になります。
例えば12月はじめから3月終わりまで4ヶ月間収穫したら4ヶ月のうちの1ヶ月で25%で計上しても大丈夫でしょうか?

丸山昌仁
その判断は、あなた様に委ねられています。
合理的な算定なら大丈夫です。
わかりました。
大変わかりやすい回答で疑問が解決しました。
ご指導くださり、ありがとうございました。
本投稿は、2022年01月24日 11時02分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。