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30万円までなら一括で費用計上できる「少額減価償却資産の特例」とは

業務のために用いられる備品・建物・車両運搬具などで、一定以上の価値がある資産のことを、減価償却資産といいます。減価償却資産は、経過により価値が減っていくと考えられ、費用の計上は使用可能期間にわたり分割して経費とするというきまりがあります。

その中でも、10万円以上30万円未満の減価償却資産であれば、所定の条件を満たせば一括で経費とすることができます。今回は、この特例制度について、くわしく解説いたします。

目次

「少額減価償却資産」とは

減価償却資産は、資産勘定に計上したのちに使用期間(耐用年数)に応じて分割し、それを費用化することになっています。ただし、減価償却資産の中には「少額減価償却資産」と呼ばれるものもあります。それが以下のいずれかに当てはまる資産です。

使用可能期間が1年未満である資産

取得価額が10万円未満である資産

この条件に当てはまると、通常の減価償却方法と同じように処理できるほか、法人の場合は損金として、個人事業主の場合は(白色申告・青色申告を問わず)必要経費としてその年に全額を「即時償却」することが可能です。このようにできる理由は「重要性の原則」の観点より、通常の償却方法でなくてもよいと判断されているからです。

なお、少額減価償却資産に当てはまるかは次の点に留意する必要があります。

使用可能期間が1年未満である資産

「使用可能期間が1年未満の資産」は、その業種において一般的に消耗品であると認識されていて、その事業主の平均的な使用状況や補充状況などを考慮して判断されることになっています。

具体的には、テレビ放送用のコマーシャルフィルムが挙げられます。これは耐用年数が2年ですが一般的な放映期間は1年未満であるため、使用可能期間が1年未満のものとして認められることになっています。

取得価額が10万円未満である資産

「取得金額が10万円未満の資産」は、1単位(1個・1組・1セットなど)ごとに判断される決まりになっています。たとえば、減価償却資産にはパソコンやコピー機、応接セットなどがあります。

これらはパソコンであればハードウェア、ディスプレイ、キーボードなどを1単位として、応接セットであればテーブルと椅子などを1単位として数え、その合計金額が10万円未満であれば少額減価償却資産と見なされるのです。

10万円以上20万円未満は「一括償却資産」

また、減価償却資産には「一括償却資産」と呼ばれるものもあります。一括償却資産とは以下の条件に当てはまる資産を言います。

取得価額が10万円以上20万円未満である資産

こちらの条件に当てはまると、法人も、個人事業主も(白色申告・青色申告を問わず)、購入金額を「3年均等償却」することができます。つまり、取得金額の3分の1ずつを、3年間にわたって費用計上できるのです。

このように償却できる理由も「重要性の原則」の観点からして、通常の償却方法を利用する必要がないと判断されているからです。

一括償却資産の3年均等償却を利用するメリットは、「通常の法定耐用年数よりも早く費用化することができる」点です。耐用年数の例を挙げると、パソコン(サーバー用のものを除く。)は4年、応接セットは(接客業用のもの)は5年といった具合に、3年超のものが多いです。それを3年で償却できる分、早期に費用として扱うことができます。

一方、デメリットは「仮に破棄した場合でも、3年間で償却しなければならない」点です。一般的に減価償却資産を途中で破棄した場合は、その時に償却していない部分を全額費用として処理することができます。しかし、3年均等償却を利用している場合は、破棄などに関係なく、必ず3年かけて費用を計上する決まりになっています。

一括償却資産を利用する際の手続き

この一括償却資産の3年均等償却を利用するには、法人と個人事業主はそれぞれ、確定申告書等に以下の書類を添付し、提出する必要があります。

  • 法人:一括償却資産の損金算入に関する明細書(別表十六(八))
  • 個人事業主:一括償却対象額を記載した書類

法人が利用する場合には、あらかじめ「一括償却資産の損金算入に関する明細書」という書類が用意されているので、こちらに記入し、添付・提出します。一方、個人事業主が利用する際には、収支内訳書や青色申告決算書に「減価償却費の計算」という項目欄があるので、ここに必要事項を記入すれば手続きしたことになります。

青色申告者は「少額減価償却資産の特例」が使える

減価償却資産には「少額減価償却資産の特例」という制度も設けられています。これは以下に当てはまる資産を対象とした特例です。

取得金額が10万円以上30万円未満の資産(上限は年間300万円まで)

こちらの制度を利用すると、30万円未満の減価償却資産も「即時償却」することができます。つまり、通常の少額減価償却資産では10万円未満の資産が対象ですが、それよりも高額な資産も、購入年に全額償却できるようになります。

ただし、この制度を利用する場合は利用者が一定の基準を満たしている必要があり、そのうえで手続きを行っておく必要があるので注意をしておきましょう。

特例の対象となる事業者

少額減価償却資産の特例が対象としている事業者の要件は以下のとおりです。

  • 法人:青色申告書を提出している中小企業者または農業協同組合等
  • 個人事業主:青色申告書を提出している中小事業者

まずポイントとなるのは「青色申告書を提出している」ことです。本制度は青色申告者だけが対象のため、白色申告をしている方は利用できない決まりになっています。

また、「中小事業者・中小企業者が対象」の制度です。中小企業者とは「資本金額または出資金額が1億円以下の法人」かつ「常時雇用人数が1,000人以下の法人」となっています。この2つに当てはまる場合に、特例を利用することができます。

具体的な手続方法

少額減価償却資産の特例を利用するにあたっては、対象法人と個人事業主は以下の書類を記入し、添付・提出する必要があります。

  • 法人:少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に関する明細書(別表十六(七))
  • 個人事業主:少額減価償却資産の取得価額に関する明細書

法人の場合は「少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に関する明細書」という書類が用意されているため、こちらの書類に必要事項を記入し、添付・提出すればよいです。また、個人事業主の場合は明細書を添付するか、青色申告決算書の「減価償却費の計算」の項目欄に、取得価額の合計額と特例を利用する旨を記載する必要があります。

特例適用期間が「2020年」までに延長

少額減価償却資産の特例は「2018年3月31日」までとされていましたが、平成30年税制改正において「2020年3月31日」まで延長される旨が決定されました。

なお、今回の改正において決まった内容は「適用期間の延長のみ」であって、そのほかの条件等に変更はありません。そのため、青色申告者が該当資産を償却する場合には、今後も特例を活用できます。

おわりに

減価償却資産を償却する場合は、まず「少額減価償却資産の即時償却」と「一括償却資産の3年均等償却」があり、これらはどの法人・個人事業主も利用できます。そして「少額減価償却資産」には特例があり、青色申告書を提出する中小企業者・中小事業者が、これを使うことで30万円未満の資産も即時償却できるのです。

こうした償却方法や制度を上手に使うことで、経営者やフリーランスの方は大きな節税効果を得られる可能性もあります。仕組みを理解して、正しく活用しましょう。なお、わからないことがあれば、税理士等の専門家に相談することをおすすめします。

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