決算直前の消耗品まとめ買いの節税効果は?経理処理の注意点まとめ - 節税や実務に役立つ専門家が監修するハウツー - 税理士ドットコム

税理士の無料紹介サービス24時間受付

通話無料 0120537024

  1. 税理士ドットコム
  2. 節税
  3. 節税のハウツー
  4. 【決算期にできる節税】消耗品のまとめ買いの効果と注意点

【決算期にできる節税】消耗品のまとめ買いの効果と注意点

決算期前は、節税対策について検討すべきタイミングのひとつです。企業の規模にかかわらず、効率的な資金計画を踏まえた節税は、今後の事業展開を考える上でも必要なことといえます。

しかしながら、闇雲に「節税」ばかりを意識してしまうと、求めるメリットは得られずに、逆にデメリットが勝る可能性があります。そこでこの記事では、節税対策のひとつとして挙げられる「消耗品のまとめ買い」の効果と注意点について解説します。

目次

「消耗品」の定義と経理処理

一般的に消耗品というとボールペンや封筒、印刷用紙といった事務用品のように、使い切りのものや使用に応じて量が減っていくものを指します。税務においても一般的なイメージのとおりですが、基準となる考え方としては、使用可能期間が1年未満か取得価額が10万円未満のもの、というものがあります。

そして消耗品の経理処理。言い換えればこれらの消耗品がいつ経費になるのかというと、考えられるタイミングとしては二つあります。一つは購入したときであり、もう一つは購入した消耗品を実際に使用したときです。

この点について税務上考え方としては、原則的に、購入時ではなく、実際に使用したときに経費とすることとなっています。そのため仮に購入時に経費として処理していたとしても、期末に在庫数量をカウントし、未使用で残っているものについては資産計上することが必要となります。

しかし実務においては、たとえばボールペンや消しゴム、コピー用紙や封筒といったものはダース単位や箱単位でまとめ買いするのが普通であり、これらをいちいち期末のたびに数えなおして資産として反映させるのは現実的な話ではありません。

そこで会計の考え方として、「重要性の原則」というものがあります。簡単に言えば、基本的には原則的な処理が求められるものの、重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理ではなく他の簡便な方法を使用することも認められるという考え方です。

購入時に経費として処理するには

消耗品の会計処理についても、この重要性の原則に沿った簡便な処理が認められており、税務においては国税庁の通達という形で実務上の指針が示されています。

その通達の表現としては以下のとおりです。

消耗品その他これに準ずる棚卸資産の取得に要した費用の額は、当該棚卸資産を消費した日の属する事業年度の損金の額に算入するのであるが、法人が事務用消耗品、作業用消耗品、包装材料、広告宣伝用印刷物、見本品その他これらに準ずる棚卸資産(各事業年度ごとにおおむね一定数量を取得し、かつ、経常的に消費するものに限る。)の取得に要した費用の額を継続してその取得をした日の属する事業年度の損金の額に算入している場合には、これを認める。 (法人税基本通達2-2-15

要約すると、毎年おおむね一定数量を取得しており、経常的に消費しているもので、毎年購入時に費用として処理している場合は、期末に消耗品の未使用分を数えなおして資産計上するといった処理は不要で、そのまま購入年度の費用として処理してもよいということです。

さらに平たく言えば、消耗品に関しては、上記のような条件を満たせば購入時に費用処理してもよいということです。

一括で経費処理ができないもの

購入時に一括経費にできる消耗品については、通達のとおり、「事務用消耗品・作業用消耗品・包装材料・広告宣伝用印刷物・見本品その他これらに準ずる棚卸資産」といったものがありますが、同じようなものでも一括経費にできないものがあります。

まず挙げられるのは、収入印紙、郵便切手、新幹線などの回数券、プリペイドカードといったものです。これらは、金銭と同等のものとして取り扱う必要があるため、原則どおり未使用分は資産計上する必要があります。

また、製品の製造等に必要な消耗品の場合には、経費としての処理ではなく、製造原価に算入する必要があります。つまり、製造に直接かかわる形で使用する消耗品については、消耗品費として販管費の中で処理するのではなく、原価計算を通じて製造原価に反映していくことが求められるため、注意が必要です。

消耗品のまとめ買いによる節税効果のシミュレーション

消耗品のまとめ買いを使った節税対策の提案ですが、おおむね次のようなものになります。

たとえば、期末に100万円の利益が出そうな場合、実効税率が33.6%と仮定すると、法人税等の金額としては、「100万円 × 33.6% = 約33.6万円」になります。

しかし期末に当面必要となる消耗品を20万円分購入したとすると、利益が20万円圧縮され80万円となります。このとき法人税等の額は「80万円 × 33.6% = 約26.9万円」となり、約6.7万円法人税等の額が減少します。これが一般的に言われる節税対策としての消耗品のまとめ買いです。

ただしこのような節税対策は、確かに今期の法人税額が減少したように見えますが、翌期以降に費用化されるものをまとめ買いすることで今期に反映させているだけであって、あくまでも課税時期を繰り延べているだけであるということは忘れてはいけません。

節税メリットがあるケース

仮に、翌期が始まってそう遠くない時期に購入する必要があるものならば、決算前にまとめて購入すると、支出のタイミングはそこまで変わらない一方で、税金の支払いを早めに減少させることができるというキャッシュフロー上のメリットを得ることができます。

また、法人税の実効税率が翌期以降低下することが見込まれている場合や、事業承継に伴う株価の算定があるため、今期の利益を圧縮しておきたい場合には、課税時期の繰延というのはメリットのある方法です。

デメリットが勝ってしまうケース

前述のような場合でなければ、総合的に見てデメリットが勝る可能性が高いでしょう。

デメリットとしては、当然のことながら消耗品の購入は現金が出ていく行為であるため、まとめ買いに伴う現金流出はキャッシュフローへ悪影響を及ぼすということです。

また、通達の示す範囲を超えているような過度なまとめ買いは税務調査で指摘される可能性があります。

決算前に利益が見込めるために、当面必要となる数量を若干多め・早めに用意しておく程度であれば、事業運営上必要と考えられる範囲であり、税額を含めたキャッシュフローを考えるとメリットがでることもあります。

しかし節税対策だけを目的として、当面必要とされる範囲を超えて大量に購入するのであれば、デメリットが勝ってしまうと考えられます。

節税対策とはいえ、必要以上に多額の資金を使うと、その分会社から現金が流出することとなり、急に現金が必要となった場合に対応できなくなる可能性すらあります。そのため節税対策としての消耗品のまとめ買いについては、事業運営という本来の目的を見失わない範囲で行うことが大前提となります。

おわりに

消耗品のまとめ買いは手軽にできる節税対策と考えられがちですが、実施することの影響をキャッシュフローまで考慮して、検討する必要があります。こういった節税対策については、深く検討せずに実施するとデメリットが勝ることがありますので、税理士に相談することをおすすめします。

節税に関する他のハウツー記事を見る

もっと見る

協力税理士募集中!

税理士ドットコムはコンテンツの執筆・編集・監修・寄稿などにご協力いただける方を募集しています。

募集概要を見る

ライター募集中!

税理士ドットコムはライターを募集しています。

募集概要を見る

節税に関する税務相談Q&Aをみる

顧客満足度の高い税理士を無料でご紹介します。

このようなニーズがある方は、お気軽にご相談ください。

  • 税理士を変更したい
  • 初めての税理士を探したい
  • 相続税の申告をしたい
  • 会社設立・開業をしたい
  • 個人事業主の節税・申告をしたい
税理士選び〜契約までをサポート
通話無料 0120537024
  • 最短当日
  • 24時間受付
  • 年中無休
  • 全国対応