個人事業主が経費按分で買った場合の証明方法
個人事業主でイラストレーターをしています。
今度個人事業主で使うパソコンを買おうと思っています。
事業用と個人用5割で按分しようと思っているのですが、もし税務調査等が来た場合に按分を証明する場合はどのような方法があるのでしょうか?
事業で使っていた部分の時間が正確にわかるように、履歴などを毎回残す認識でしょうか?
よろしくお願いします。
税理士の回答
パソコンの事業割合(家事按分)について、毎回正確な使用時間の履歴を残す必要はありません。
ただし、税務調査では「なぜ50%なのか」を説明できる合理的な根拠が求められます。
「なんとなく半分」は否認されるリスクがあるため、以下のように客観的な基準を設けるのが一般的かと存じます。
●時間・日数のルール化: 1週間のうち仕事で使う日数や、1日の平均作業時間から算出する
●サンプリング計測: 繁忙期と閑散期など、一定期間だけ詳細な作業ログを取り、それを年間の基準とする
●実績からの逆算: イラスト制作ソフトの稼働時間や、月間の納品実績から説明する
作業カレンダーや制作物の履歴などを基に、第三者へ「50%」という数字を論理的に説明できる状態にしておけば問題ないかと存じます。
回答は以上となります。
ご参考になりましたら幸いです。
山本快夫
お世話になります。
ご質問に対する回答)
↓
パソコンについて、プライベートでも使用する場合は、家事関連費に該当しますので、以下の2つの要件を満たす必要があります。
・業務の遂行上必要であること
・その必要である部分を明らかに区分することができること
上記のうち、1つ目の要件は比較的疎明・説明できるとしても、2つ目の要件「その必要である部分を明らかに区分すること」、すなわち事業利用割合を証明・疎明・説明することが重要となります。
一般的には、使用時間による按分がシンプルでわかりやすく、疎明しやすいと考えます。
お仕事柄、50%以上、事業使用されるケースが多いと個人的に考えますが、通常は毎年見直すものではありませんので、慎重にご検討なさってください。
――――――――――――――――――――――
補足)
なお、パソコンだけでなく、通信費・電気料金なども必要経費に算入できますので、以下の国税庁の資料が、基本料金などの按分の考え方が参考になると考えます。
国税庁「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0020012-080.pdf
―――――――――――
他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。
ありがとうございます。
按分の根拠について理解できました。
追加で確認頂けていたらもう1点確認なのですが、今回購入を考えてるpcは主に
・イラスト等の微調整とそのアップロード
・現在のイラストの業務効率化するためのツールの開発
・個人AIの制作(収益無)
・動画編集(まだ収益無いが1年以内に収益可能)
・自宅のPCを使えない際の外出時に使う目的
などの用途を考えているのですが、こういう場合はどのように考えればいいのでしょうか?
在宅中は基本家のデスクトップPCを使うので、今回検討しているノートパソコンは今のところ在宅中に利用するかは検討中です。
よろしくお願い致します。
山本快夫
ご質問の前提でしたら、ほとんど業務利用と合理的に疎明・説明ができ、90%~95%程度に設定しているケースが多いと考えます。
あくまでもひとつの保守的な考え方となりますが、100%ですとプライベート使用0%の立証責任が納税者にありますが、95%や90%ですと反証は課税当局側となる...という考え方も有り得ます。
追加の用途は、受注制作や業務用ツール開発、趣味のAI制作などに分け、事業との関係を整理するとよいと考えられます。動画編集も未収益というだけで決めず、具体的な事業計画や制作実績を確認します。ノートPCについて作業日・用途・使用時間のメモを残し、納品記録等と対応させて按分根拠を作る方法が考えられます。50%や90%なら一律に認められる基準ではないため、実態が変われば見直し、税理士へ確認してください。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
藤倉真人
お世話になります。
按分の証明のために、毎回の使用履歴まで残すことは法令上求められていません。ただし、事業用を5割とした根拠を税務調査の際に合理的に説明できるよう、ある程度の記録やメモを残しておくことをおすすめします。
事業と私用の両方に使う支出は「家事関連費」と呼ばれます。家事関連費は、業務に必要な部分を明らかに区分できる場合に限り、その部分を必要経費にできます(所得税法第45条第1項第1号、所得税法施行令第96条、所得税基本通達45-2、国税庁タックスアンサーNo.2210)。按分割合の計算方法は法令で決まっていません。使用時間や使用頻度など、実態に合った合理的な基準で計算していれば、認められるのが一般的です。
根拠としては、たとえば次のような資料が役立ちます。
・一定期間(例えば1〜2週間程度)の作業時間と私用時間を記録したメモ
・イラスト制作ソフトなど業務用ソフトの導入状況や、作業データの保存状況
・私用に使う別のパソコンやスマートフォンの有無
・按分割合を決めた理由をまとめたメモ(例:平日の日中は制作、夜間と休日は私用、など)
「なぜ5割なのか」を説明できる資料があれば安心です。使用状況が大きく変わった場合は、割合の見直しも検討してください。
なお、パソコンの購入代金は金額によって処理が異なります。取得価額が10万円以上であれば、原則として減価償却(数年に分けて経費にすること)の対象となります。その場合、各年の減価償却費に事業割合5割を掛けた金額が必要経費です。青色申告をされている場合は、40万円未満の資産を一括で経費にできる少額減価償却資産の特例を使える場合があります(2026年3月31日までに取得した場合は30万円未満)。白色申告の場合でも、20万円未満であれば一括償却資産として3年間で均等に経費にする方法を選べます。
本投稿は、2026年10月31日 10時57分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。





