漁業が消費税簡易課税制度の事業区分として第2種で合っているかについて
お世話になっております。
消費税の簡易課税制度を選択している場合ですが、漁業が農業のように飲食料品を販売する場合、第2種に該当するかについてご教授頂けると幸いです。
具体的な事業の内容ですが自分で漁獲した魚を
①漁業組合に一度卸し、そこから購入したものを販売する場合
➁産直に卸して消費者に販売する場合
➂養殖し販売する場合
以上になります。宜しくお願い致します。
税理士の回答
山口勝己
① 漁業組合に一度卸し、そこから購入したものを販売する場合
事業区分:第1種事業(卸売) または 第2種事業(小売)
解説:一度漁協に卸して(売却して)から買い戻しているため、税務上は「他者から仕入れた商品をそのまま販売する」という通常の流通(物品販売業)の扱いになります。自ら獲ったものを直接売る農林水産業の枠から外れるためです。
第1種(90%)になる場合:販売先が「事業者(飲食店、魚屋、加工業者など)」であり、それを帳簿等で証明できる場合。
第2種(80%)になる場合:販売先が「一般の消費者」である場合。
➁ 産直に卸して消費者に販売する場合
事業区分:第2種事業
解説:自分で漁獲した魚を、加工(缶詰や干物などへの大きな形状変更)をせずに食用の飲食料品として販売しています。産直(直売所等)への出品は委託販売などの形態をとって消費者に直接売る形、あるいは産直に直接卸す形であっても、漁業者が「自ら漁獲した飲食料品」を譲渡しているため、農林水産業の特例により「第2種事業」が適用されます。
➂ 養殖し販売する場合
事業区分:第2種事業
解説:養殖業(牡蠣、真鯛、海苔など)も日本標準産業分類において「漁業(水産業)」に分類されます。自ら育てて水揚げした水産物を、生鮮品(あるいは内臓除去や殻むきなどの軽微な調整)の状態で食用として販売する限りは「第2種事業」となります。
注意点:もし従業員を雇って大がかりな工場ラインで「味付け加工缶詰」や「レトルト食品」など、元の水産物とは別の「製造品」といえるレベルまで加工して販売する場合は、漁業ではなく「製造業(第3種事業・70%)」に判定される可能性があるため、そのまま生鮮で出すかどうかが境目となります。
ご認識のとおり、ご自身で獲った魚や養殖した魚を食用として売る部分は第2種で結構です。簡易課税では、漁業のうち飲食料品の譲渡を行う部分は第2種(80%)、それ以外の漁業は第3種(70%)と区分されています。
注意が要るのは①だけです。漁協へいったん売却し、そこから買い取ったものを販売する形は「他の者から購入した商品をそのまま売る事業」になるため、販売先が飲食店など事業者であることが帳簿等で分かるなら第1種(卸売)、一般の消費者向けなら第2種(小売)です。
②の産直経由の販売と③の養殖は、自ら漁獲・養殖した飲食料品の販売として第2種です。缶詰のように元の水産物と別物といえる加工品まで作ると製造業(第3種)側の話になりますが、鮮魚や軽微な処理での販売ならその心配はありません。
本投稿は、2026年08月31日 11時10分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







