塗装工事の資本的支出の判定
いつも大変お世話になっております。
塗装工事の資本的支出の判定についてご相談させてください。
アパートを平成12年に引き継いでから25年ほど経ち塗装がボロボロになったため塗装を行いました。
足場を組む必要もあったため金額は1,900万と高額になりました。
工事内容は塗装工事と防水工事、足場を組んで建物を見た際に破損箇所などがあったため修繕工事を行いました。
その際に塗装は元の色ではなく違う色へ変更しています。
このような工事の場合に一般的には資本的支出と修繕費どちらになりますか?
ぜひご教授ください
税理士の回答
基本的な考え方から検討すると、原状回復であれば修繕費になる可能性が高いです。元通りは修繕費、違うものは資本的支出になります。
ご質問のような大規模な外壁塗装・防水工事・破損箇所の修繕は、一般的に「建物の維持管理・原状回復」を目的としたものとみなされ、「修繕費」として一括経費処理できる可能性が高いです。
判断のポイントは以下の通りです。
1. 「修繕費」と判断されやすい理由
25年経過してボロボロになった状態を直す工事は、資産価値を「高める」のではなく「元の状態に戻す(維持する)」ためのものと解釈されます。
また、外壁塗装や防水工事は、建物を長持ちさせるために周期的に必要な工事であり、通常の管理の範囲内とみなされます。塗装の色を変更したとしても、それによって建物の物理的な機能や耐久性が劇的に向上するわけではないため、通常は「修繕費」の判定に影響しません。
2. 「資本的支出」になるケース(注意点)
以下のような内容が含まれている場合は、その部分が「資本的支出」となり、減価償却が必要になることがあります。
グレードアップの場合~単なる塗り替えではなく、元の壁材よりも明らかに高機能な素材(例:モルタル壁をタイル貼りに変更するなど)へ変更した場合。や、用途変更・改造の場合です(修繕に合わせて間取りを変更したり、新たな設備(非常階段の増設など)を設置したりした場合)。
3. 税務上の判断基準(形式的基準)
金額が1,900万円と高額であっても、実態が「維持管理・原状回復」であれば修繕費として認められます。ただし、判断が難しい場合には以下の基準も参考にされます。
60万円未満: 「明らかに判断できない場合」でも、60万円未満なら修繕費にできます。
取得価額の10%以下: 前期末の建物の取得価額の10%以下であれば、修繕費として処理できる特例があります。
実務上のアドバイス
金額が非常に高額であるため、税務調査で指摘を受けないよう、以下の対応を推奨します。
見積書と写真の保管: 工事前の「ボロボロの状態」と工事後の状態を写真で記録し、見積書に「原状回復」や「剥離箇所の補修」といった文言が含まれていることを確認してください。
間違った考え方としては、いきなり60万円の金額基準や、本体の10%といった形式基準から判断される方がおられますが、最初に述べたように、明らかに元通りであれば、金額に関係なく修繕費で良いのです。
その辺を念頭にご検討ください。
本投稿は、2026年01月08日 22時35分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







