スーツの経費扱いについて
個人事業主です。仕事で着るスーツを経費で落とせるという税理士の先生と、落とせないという先生がいらっしゃいますが、判例などはあるのでしょうか。
税理士の回答
宮本大樹
◆スーツ代は原則として経費算入が難しい
一般的なスーツは、仕事で着用するものであっても、私生活でも使用できる衣服です。
そのため、事業に必要な支出と個人的な生活費(家事費)との区分が難しく、経費として認められることは一般的に難しいと考えます。
「仕事でしか着ていない」という理由だけでは、経費算入の根拠として十分とはいえません。
◆参考になる裁判例
京都地裁昭和49年5月30日判決(サラリーマン税金訴訟)が参考になります。
この判決では、被服費は一般的には家事費に該当するとしつつ、仕事上必要な部分を私的な部分と明確に区分できる場合には、必要経費として認められる余地があるとしています。
ただし、これは給与所得者の事案であり、実際にスーツ代の経費算入が認められたものではありません。
◆実務上の判断
一般的なビジネススーツについては、業務上の必要性があっても、私的な生活費との区分が難しいため、経費算入には慎重な判断が必要です。
一方、業務専用の制服や特殊な衣装など、私生活での使用が通常想定されず、事業上の必要性が明確なものについては、経費として認められる可能性があります。
したがって、衣服代を一律に判断するのではなく、衣服の性質や使用実態、事業上の必要性などを踏まえて判断することになります。
一般論としては、経費性を認めることは難しいです。他の先生もおっしゃるように、仕事と生活との区分が出来ないからです。現役税務職員時代に同じような質問をされたことがありますが、その際には、「経費にしたいのであれば、客観的に仕事にしか使用していないような工夫、例えば、スーツの胸ポケットに会社のロゴを入れるとかが無い限りは難しい」と答えていました。
仕事に使っているのだから、という考えの税理士がいるのかもしれませんが、仕事以外にも使えるものは、スーツに限らず、明確に区分できなければ所得税法上経費には出来ないという考え方があるので、法律を勉強している税理士ならば、安易に経費性を主張することは無いはずなのですが。。。
本投稿は、2026年10月13日 02時11分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







