公共事業での移転や移設に必要な補償金が所得になってしまう理屈とは?
公共事業での移転や移設に必要な補償金が、所得として扱われる理屈とはどのようなものなのでしょうか?
税理士の回答

移転のために支給された補償金のうち、移転のために支出した部分については、非課税となります(所得にはなりません)。
支出した部分を超える金額については、移転に必要な金額を超えていることになりますので、その部分については、所得となります。
所得には自分で稼いだお金というイメージがあったのですが、違うのでしょうか?

日本の税制は、包括的所得概念説という学説を採用していまして、自分で稼いだかどうかはともかくとして、その年の収入になったものについては「すべて(=包括的に)」、特別な非課税措置(生活保護・障害年金など)や他の税制での課税(贈与税など)のない限り、所得税の課税の対象となります。
そのようなことは、条文にも書かれているんですか?

包括的所得概念については、法律にその明文の規定があるわけではありません。しかし、たとえば、所得税法では、雑所得という所得の類型を設け、これを「利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しない所得」と定義しています。 つまり、きちんと定義付け・区分されないような所得も全部所得であるとしているわけで、これが所得税法が包括的所得概念を採用している根拠の一つとされています。
本投稿は、2016年06月03日 18時04分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。