非居住者期間の所得に該当するかどうかについて
私は居住者として日本で働いています。
離職した母国の会社からもらったボーナスが非居住者期間の所得に該当するかどうかよくわかりません。
例えば、
---------------------------------------------------------------
1月~3月: 非居住者として海外の会社で働いていました。
4月~: 母国の会社を辞め、来日して日本の会社に就職しました。
---------------------------------------------------------------
1月~3月分のボーナスは、母国の会社が支払われてくれますが、離職時ではなく、6月に支払うことになります。
そして、このボーナスについて、どちらの認識が正しいですか?
・6月に母国の口座に入金したため、居住者時期の国外源泉所得となります。
・名目上は1月~3月分の所得のため、非居住者時期の国外源泉所得となりますか。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答

行方康洋
給与所得の収入金額の収入すべき時期としては、通達により、次のとおり定められています。
「契約又は慣習その他株主総会の決議等により支給日が定められている給与等についてはその支給日、その日が定められていないものについてはその支給を受けた日」
ボーナスが6月に支給されることが定められているのであれば、6月が収入とすべき時期となり、居住者時期の国外源泉所得ということになります。
おそらく、相談者様は非永住者に該当することになるのではないかと思います。非永住者であれば、申告すべき国外源泉所得は次のとおりとなります。
居住者のうち日本国籍がなく、かつ、過去10年以内の間に日本国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年以下である個人を非永住者といいます。
非永住者は、所得税法に規定する国外で生じた所得(国外源泉所得)以外の所得と、国外源泉所得で日本国内において支払われ、又は日本国内に送金されたものに対して課税されます。
行方先生、ご回答ありがとうございます。
ご言及した日本国内に送金されたものについて、以下の認識は正しいでしょうか?
---------------------------------------------------
①6月に支給されるボーナス
②日本に来る前に支給された3月分の給与と自分の貯金
---------------------------------------------------
認識:居住者時期(4月以降)に上記②のみ送金する場合、課税されません。しかし、上記①を送金する場合、課税されます。
度々申し訳ございませんが、ご回答をよろしくお願いします。

行方康洋
条文上、「国外源泉所得で国内において支払われ、又は国外から送金されたもの」は、課税所得の範囲に含まれるとされています。
また、所得税基本通達上、「国内において借入れをし又は立替払を受け、国外にある自己の預金等によりその債務を弁済することとするなどの行為で、通常の送金に代えて行われたと認められるもの」も国外から送金されたものに含まれることになります。
預金やお金はどのタイミングで稼いだものか分かりませんので、国内への送金や送金でなくても国内の債務を国外で支払った場合も課税所得の範囲に含めることになります。そう考えると、預金やお金は生活に必要なものとして支払った場合も含め、色分けできませんので、①、②ともに国内への送金は課税対象となると考えるべきだと思います。つまり、①と②を区分するのではなく、送金に着目していただく必要があります。
ご回答ありがとうございます。助かりました。
行方先生、以下の場合の送金は課税対象になりますか?(所得税ですか?贈与税ですか?)
居住者時期(4月以降)に、生活費の支援として:
①非居住者の両親の海外口座から私の日本口座にを送金する場合
②居住者の妻の海外口座から私の日本口座に送金する場合(※)
※妻は国外源泉所得を有しているとします。
度々申し訳ございませんが、ご回答をよろしくお願いします。

行方康洋
前回の回答で、以下のとおり、所得税基本通達を示させていただきました。
「国内において借入れをし又は立替払を受け、国外にある自己の預金等によりその債務を弁済することとするなどの行為で、通常の送金に代えて行われたと認められるもの」も国外から送金されたものに含まれることになります。
①と②が「など」に含まれるかどうかということになると思います。
①であれば、両親から送金してもらい、同額を自己の口座から両親に送金するような場合は、国外から送金されたものに含まれると認定される可能性があります。②についても同様です。
贈与税は、基礎控除110万円以下であれば申告の必要はありません。
海外からの送金について、通達の課税の範囲になるかは事実認定になります。特にコロナの影響を受けている現状において、本国の家族から送金された生活費を本人の課税所得に含めると考えるのは難しいのではないかと思います。
行方先生、ご丁寧に説明していただいてありがとうございます。
一つだけわからないところがあります。【両親から送金してもらい、同額を自己の口座から両親に送金するような場合】というのは一体どいうイメージですか?以下のような流れですか?
・両親の海外口座→→(10万円)→→自分の日本口座→→(10万円)→→両親の海外口座
お手数ですが、ご説明をよろしくお願いいたします。

行方康洋
自分の海外の口座(国外源泉所得を受領した口座)から10万円を両親の海外の口座に送金するイメージです。
ご説明ありがとうございました。
本投稿は、2020年04月13日 19時24分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。