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海外居住者の仮想通貨売却益についての課税可否について

現在、シンガポールで就労・居住しており、年間の約95%をシンガポールで過ごしています。給与所得もシンガポールで発生し、納税も同地で行っています。
ただし、住民票は日本の実家に残したままで、日本の市区町村には海外転出届を提出しておらず、海外居住の申告もしていません。
このたび、日本の仮想通貨取引所に保有している仮想通貨を売却予定ですが、日本での課税対象となるか判断に迷っています。売却益は約2000万円。
実態としては非居住者に該当する可能性があると思いますが、住民票が残っていることや、日本の取引所での売却である点から、税務署に居住者と見なされるリスクを懸念しています。
このような場合、課税を回避するために必要な対応(例:住民票の扱いなど)についてご教示いただけますと幸いです。またもし何も対応が必要ない場合は、税務署などには何も申請せず、もし問い合わせが来た場合のみ海外居住者であるという証明を行えばいいのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

税理士の回答

日本の税法上「非居住者」とは、日本国内に住所がある者(居住者)以外の者をいうことになっています。「住民票」の有無は「居住者」「非居住者」の判定の要件とはなっていません。
そして、「非居住者」には「国内源泉所得」のみ課税されることとなっています。

シンガポールに居住しているのであれば日本の「非居住者」に該当し、また、暗号資産(仮想通貨)に係る利益は現状では「居住国」で課税する(取引所が日本にあるかどうかは関係ありません)こととなっていますので、暗号資産に係る利益は居住国であるシンガポールの税制に従うこととなります。

ちなみに、シンガポールではキャピタルゲインは非課税のはずですので、暗号資産が長期保有であれば課税はされませんが、短期売買であればキャピタルゲインではないとして課税対象となるようです。
詳しくは、シンガポールで確認された方が無難だと思われます。

1 居住者・非居住者の判定
  非居住者に該当する可能性があると思いますが、住民票が残っていることや、日本の取引所での売却である点から、税務署に居住者と見なされるリスクを懸念しています。
 ⇒ 住民票の有無は、居住者・非居住者の参考にしますが、「客観的事実」をもって住所の判定を行いますので、住民票があることだけをもって「居住者」と判定することはないと考えます。
   
  とはいえ、「客観的事実による住所の判定」はなかなか難しいこともあり、「住所の推定」をすることによりおおむね住所が国内になるか否かを判定することができます。
  具体的には、「国外に継続して1年以上居所を通常必要とする職業を有している」場合などは「非居住者」として推定されます。そのほかにも居住の実態により判断されます。

  国税庁HPから「住所の推定」の箇所を参考に添付します。
  https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2875-1.htm
  
2 非居住者の日本の課税
  非居住者は日本の「国内源泉所得」が課税の対象となります。
  暗号資産の譲渡益・・・キャピタルゲイン・・は、当該「国内源泉所得」には該当しない可能性が高いと考えられます。
  譲渡益関係で日本の課税になるのは、原則、不動産などの譲渡益や著作権の譲渡益等となります。
  
  参考に、国税庁HPから「源泉徴収のあらまし」を添付します。
  7枚目(p278)の表をご参照ください。 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2024/pdf/12.pdf
  

3 シンガポールの課税
  大変申し訳ございませんが、シンガポールの税制には不明であるため、シンガポールの課税当局にお尋ねください。
  

本投稿は、2025年06月12日 21時47分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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