海外在住者-個人資産の日本への送金
香港から日本へ個人資産の送金を考えています。
● 2008年から香港の会社で働いています。収入は香港ドル、税金も香港で納めています。日本で確定申告はしていません。
● 住民票は日本にあります。最初は海外転出届を出していましたが、仕事の関係で多い時に10日程度、有給などで帰国する際には半月程度日本に滞在する為、健康保険証取得の為に割と早い段階で帰国届を出しました。
● 一時期香港で不動産購入を考えていたので、税関へ「支払い手段等の携帯輸出申告書」を提出し日本円を持ち出しました。その際香港にて香港ドルに両替しました。
この度日本への帰国を決め、上記の持ち出した日本円を含め、個人資産を香港の私名義の銀行口座から日本の私名義の口座に送金したいと思っています。その時のレートにもよりますが、大体3000万円程度になる見込みです。100万円以上の金額を日本の口座で受け取った場合、税務署からお尋ねが来ると聞いたのですが、これは課税対象になりますか?
また、以前日本から持ち出した日本円ですが、数年前の話でいくら持ち出したのか不確かです。ただ、その当時円安だった記憶がありますので、当時香港ドルに両替したものを今円に両替すれば為替差損益が発生し雑所得として課税対象になると言うような記載もインターネットで拝見しました。いくら以上だと課税対象になり、どの様な申告が必要になるのでしょうか?
よろしくお願い致します。
税理士の回答
こんにちは。
国外に持ち出したお金が、そのまま、国内に持ち込むだけであれば、
お金が移動しているだけですので、所得はないことになるでしょう。
ただ、税務署から照会がくることは間違いありませんので、
お金の素性、移動履歴を事実どおり、整理して資料も提出できるように準備しておく必要があるでしょう。わからないところはわからないなりに、正確に履歴を整理する必要があり、納税者側でまずはしっかり回答しないことには、税務署はいつまでたっても照会や税務調査を終わりませんので。
外貨を円に戻したことで為替差益が出た場合には、日本に戻って居住者になっている前提であれば、雑所得、とされており、原則、確定申告が必要ですね。
サラリーマンで年末調整する給与所得者であれば、年に20万円を超えると確定申告が必要になり、
他に所得がないのであれば、基礎控除の38万円を超える場合に確定申告をすることになるでしょう。
以上取り急ぎですが。
久川秀則先生
ご説明、ありがとうございました。
日本への帰国は来年の11月を目標としておりますが、日本の不動産を母と外国人の主人と私で共有名義で購入する為に、今年中に香港から日本へ送金したいと考えております。ですので、住民票は日本にあるものの生活の中心が日本ではない為、送金の段階ではまだ非居住者扱いにはなると思います。その場合でも為替差益が出た場合には雑所得として申告する必要があるのでしょうか?
来年11月に香港での仕事を辞め帰国した後は仕事をせず、生活費を夫に出してもらう予定です。何度もお手数をお掛けして申し訳ありませんが、教えて頂けると大変嬉しいです。よろしくお願いいたします。
所得税法の考え方では、生活の本拠がどこか、で判断しますので、原則は非居住者ということになろうとおもいますが、
住民票があるということは、国内に居住しているということにもなり、税務署から「居住者ではないか」という疑義が出る可能性がありますね。
日本への送金による国外送金調書が銀行から提出される前提であり、確実に税務署から照会文書がでる、税務調査になる前提です。しっかり居住のステータスの変更時期など、疑義が出ないよう整えておくべきとは思います。
非居住者時代に発生する為替差益については、国内源泉所得の法令条文に規定がなく、つまり、日本で納税すべき所得として定められていませんので、日本での納税義務はありません。
取り急ぎですが。
久川秀則先生
ありがとうございました。私が無知で全くわからなかった事案が久川先生のおかげで少しずつクリアになってきました。
つまり、香港の銀行で発生している利子についても、日本居住者であれば課税対象、非居住者である間は非課税という事ですね?
税務署からお尋ねが来ても居住の場所や貯蓄の出所がきちんと説明出来るよう、香港での給与明細や納税の書類などをしっかり準備しておこうと思います。
本当にありがとうございました。
本投稿は、2017年10月05日 22時10分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。