マレーシアから日本の会社にアルバイトでリモートワーク 確定申告か源泉徴収か。
こんにちは。初めてこちらのサービスを利用させていただきます。
マレーシアに学生ビザで滞在中、日本の会社にアルバイト(リモートワーク)ととして採用された場合に必要になる納税方法とその他に必要な手続きについてご教示いただきたいです。
現在の状況を説明させていただきますと、学生ビザにてマレーシアに在住しており、リモートワークにて日本の会社でアルバイト(研修中)をしております。住民票は転出届済みで住居はマレーシアになっております。
質問は以下のとおりとなります。
1.まず最初にお伺いしたいのが、住民票が日本にない状態でマレーシアからリモートワークをしてお給料を日本円で日本の銀行口座に入金していただくのは日本の法律上合法でしょうか。
2.もし合法の場合ですが、基本的にはアルバイト先の会社に源泉徴収とそれに必要な手続きをしていただけるのでしょうか。それとも私個人で確定申告が必要でしょうか。(収入自体は月に6~8万円になりそうです。)
3.こちらの質問も、もし合法であればですが、日本で納税した場合はマレーシアで納税不要でしょうか。それとも両国で納税が必要なのでしょうか。
上記の点アルバイト先の会社にも確認予定ですが、税理士の方からもご意見いただけますと幸いです。
税理士の回答

米森まつ美
回答します
貴方が日本の非きょじゅ者である前提で回答します
1 日本の法律上、合法か
日本の非居住者が、日本の会社に「リモート」による役務提供を禁止する規定は特にないため合法であると考えらえます。
2・3 日本の非居住者の「給与」に対する課税は「日本での勤務」に対する給与のみとなりため、日本での源泉徴収も確定申告も必要ありません。ただし、居住地国・マレーシアでの課税対象になる可能性はあります。
居住地国の課税は、居住地国の課税地国にご確認ください。
以上の回答は貴方が、日本の非居住者、マレーシアの居住者としたものです。
居住者・非居住者の判定は住所の有無により判定されます。
日本国籍を有する者の場合、具体的には、1年以上の居住が通常必要となる職業(通学)を有することが確定して、日本を出国した時は出国日の翌日から非居住者と取り扱われます。住民票の有無ではなく、出国時の状況により一旦判断されます。
貴方が「学生」としてマレーシアに滞在されているようですが、学校に通学する期間が予め1年以上である場合は、出国の翌日から非居住者になると考えられます。しかし、短期留学の場合は、1年を経過するまでは日本の居住者に該当します。
日本の居住者に該当する場合は、国外での勤務であっても通常の給与の源泉徴収となり、年末まで勤務していた場合は年末調整により所得税の精算がされます。
なお、マレーシアの課税に関しては、マレーシアの課税当局にご確認ください。
国税庁hpから参考箇所を添付します。
特に「住所の推定」箇所を参考にしてください。
「住所の推定」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2875-1.htm
「居住者・非居住者の区分」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2875.htm
こんにちは。
お忙しい中一つ一つご丁寧回答くださりありがとうございました。
参考にさせていただきたいと思います。
私の方でも現地の税法制度について調べてみたのですが、現在マレーシアでは国外源泉所得について課税されるようなのですが、国外から送金されマレーシア国内で受領したものにかぎるそうです。
私の場合ですとお給料は日本の銀行口座に振り込んでいただくので、マレーシア国内でも非課税となりそうなのですが、
日本とマレーシア両国で納税が不要な場合(両国で納税しなかった場合)には脱税扱いにはなりませんか。
どちらかの国に必ず納税しなくてはならない法律等はございますでしょうか。
もしどちらかの国に納税しなくてはならない場合は日本での納税を考えているのですが、お給料をいただいている会社に源泉徴収をお願いできるのでしょうか。
何か問題になったときに知らなかったでは済まされないと思いますので、脱税扱いされたりしないかが不安です。
追加でお伺いする形になりますが回答いただけますでしょうか。
よろしくお願いします。

米森まつ美
回答します
>お給料をいただいている会社に源泉徴収をお願いできるのでしょうか。
⇒ 貴方が日本の居住者の場合は、当然居住者に対する給与の支払として源泉徴収されます。
貴方が日本の非居住者の場合は、日本での勤務が無いため(役員報酬でない場合)日本では課税することは誤りとなります。
1 日マレーシア租税条約(原則)
日本とマレーシアの租税条約§15①では、
「一方の締約国の居住者がその勤務について取得する給与・・・・に対しては、勤務が他方の締約国内で行われない限り、当該一方の締約国においてのみ租税を課すことがことが出来る。」とあり、
「一方」が日本とした場合、日本の居住者が、勤務がマレーシアで行われない限り、日本においてのみ課税する」と読めます
そうしたならば、勤務地はマレーシアとなりますので、日本の課税の他、マレーシアでも課税が発生することになります。
日本の居住者・・・日本での課税
マレーシアの非居住者・・・・マレーシアでも課税の対象となる
2 短期滞在者免税について
租税条約§15②では、「短期滞在者免税」の規定があり、183日を超えない期間の場合、日本の雇用主から支払われる給与は課税しない。とも規定があります。
ただし、日本では非居住者対し「短期滞在者免税」を適用する場合は、もともと、「短期で滞在する予定の非居住者に対する規定」であるため、貴方が長期滞在の予定でマレーシアの居住者(日本の非居住者)になる時は、適用されないと考えられますが、この点は、マレーシアの課税当局の考え方なので、こちらでは分かりかねます。
日本の非居住者・・・日本での勤務が無いので課税されない
マレーシアの居住者・・・短期滞在者免税は使えないと思うが、マレーシアの課税当局の考えとなります。
3 脱税にならないか
課税・徴収権は、それぞれの国の主権にかかわる権利になります。
それぞれの国において、その国の税法上で課税にならないのであれば、それは合法であり脱税にはあたらないと思います。
反対に、いずれかの国に納税をしたからと言って、もう一方の国の課税が無くなるものでもありません。
これもまた「主権」の問題となり、これらの問題を解決するために、二重課税の防止として多くの国との間で「租税条約」を締結しています。
まずは、貴方の居住者・非居住者の判断をした上で、法令が適用されるとことになると考えます。
お礼の返信が遅くなり申し訳ございません。
この度も一つ一つ丁寧に説明してくださりありがとうございました。
納税の制度や考え方についてより理解を深めることができました。

米森まつ美
少しでもお役に立てましたら幸いです
本投稿は、2023年07月16日 16時49分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。