役員借入金を代物弁済した場合にかかる税金について
①法人が所有する土地
平成6年6月購入 購入価格967万円
令和8年6月時点での不動産鑑定士による評価額 480万円
令和8年度の固定資産評価額 386万円
②役員借入金
令和8年6月時点での残高 1,700万円
借入金残高のうち480万円を代物弁済で処理した場合の
①会社にかかる税金の種類とおおよその金額
②社長個人にかかる税金の種類とおおよその金額
を教えていただきたいです
税理士の回答
後藤隆一
① 会社側にかかる税金
(1)法人税・地方法人税・法人住民税・法人事業税 → 納税は発生せず、むしろ税負担減
譲渡価額 480万円 − 土地帳簿価額 967万円 = 土地譲渡損 約487万円
譲渡益ではなく譲渡損のため、代物弁済自体から納税は生じません。会社が黒字であれば、中小法人の実効税率(所得800万円以下部分 約25%、超過部分 約33〜34%)を前提に概ね120万〜165万円程度の法人税等の負担軽減になります。赤字なら欠損金として繰越。
(2)消費税 → 課税なし
土地の譲渡は非課税取引です。代物弁済も「資産の譲渡等」に該当しますが、土地である以上非課税です。
実務上の注意:一般課税の場合、非課税売上480万円が課税売上割合の分母に加わるため、割合が95%未満に下がると仕入税額控除が制限される可能性があります。恒常的に土地譲渡がない会社であれば「たまたま土地の譲渡があった場合の課税売上割合に準ずる割合」の承認申請の検討を。簡易課税・2割特例なら影響ありません。
(3)印紙税 → 2,000円程度
代物弁済契約書は第1号の1文書(不動産の譲渡に関する契約書)、記載金額480万円で税額2,000円。
② 社長個人にかかる税金
(1)所得税・住民税 → 課税なし(時価=消滅債務額の場合)
貸付金480万円の回収を金銭に代えて土地で受けただけなので、時価480万円=消滅債務480万円であれば経済的利益は生じず、課税はありません。
(2)不動産取得税 → 約5.8万円(宅地の場合)
代物弁済による取得も課税対象です。
宅地(宅地評価土地)であれば、令和9年3月31日までの取得について課税標準を2分の1とする特例と税率3%の特例が適用され:386万円 × 1/2 × 3% ≒ 5.8万円
宅地評価でない土地の場合は 386万円 × 3% ≒ 11.6万円(土地の税率3%特例は適用可)。
(3)登録免許税 → 77,200円
所有権移転登記:課税標準386万円(固定資産税評価額)× 2%(登録免許税法9条・別表第一)= 77,200円
措法72条の土地売買1.5%軽減は登記原因「売買」限定のため、登記原因「代物弁済」には**適用されず本則2%**です。
(4)固定資産税・都市計画税(翌年度以降)
令和9年度以降、社長個人の負担に。386万円ベースで年間5〜7万円程度(都計税の有無・住宅用地特例の有無による)。
詳しく教えていただきありがとうございました!
本投稿は、2026年07月03日 12時50分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






