非居住者判定について
海外転居に伴う税務上の取扱いについて、ご相談させてください。
現在、夫がシンガポールに駐在しており、赴任から約2年が経過しています。
私は現在日本に住んでおりますが、今年(2026年)11月に住民票を除票した上でシンガポールへ帯同し、夫と同居する予定です。その後、来年(2027年)6月頃に夫の転勤に伴い、イギリスへ転居する予定です。
現在は父所有のマンションに居住しており、海外転居後も売却・賃貸は行わず、一時帰国時の滞在先として維持する予定です。
また、日本で営んでいる個人事業(AI関連で事業拠点は日本)については、海外転居後も継続する予定です。
以上の前提を踏まえ、以下の点についてご相談したく存じます。
・私が日本の非居住者に該当するか。
・海外転居後の日本の個人事業所得に係る課税関係(日本・シンガポール・イギリス)
・出国前後に必要となる税務手続き(納税管理人の選任、確定申告等)
・その他、海外転居に伴い留意すべき税務上の事項。
ご多忙のところ恐縮ですが、ご教示いただけると幸いです。
税理士の回答
ご質問の件ですが、以下回答させて頂きます。
1. 非居住者の該当性
11月の出国により生活の本拠が海外へ移るため、原則として出国日の翌日から「非居住者」となります。お父様のマンションを一時帰国時の滞在先として維持する程度であれば、この判定に影響しません。
2. 事業所得の課税関係
日本に事業拠点(恒久的施設)を有して事業を継続する場合、その所得は「国内源泉所得」として引き続き日本で所得税が課税されます。
同時に居住地国(シンガポールや英国)でも課税対象となる可能性があり(*)、二重課税については租税条約に基づく外国税額控除等で調整することになります。
*シンガポールや英国に稼いだ金額を送金する場合
3. 出国前後の手続き
出国後も日本での申告・納税が必要なため、出国前に所轄税務署へ「納税管理人の届出書」を提出してください。これにより、通常通り翌年3月15日期限で確定申告を行えます。
4. その他の留意点
1月1日時点で住民登録がないため、翌年度の住民税は非課税となります。
なお、消費税の申告義務がある場合は別途手続きが必要です。
*基準期間(前々年)の課税売上高が1,000万円を超えている場合や、インボイス登録を行っている場合は、消費税の申告・納税義務が生じます。
回答は以上となります。
ご参考になりましたら幸いです。
この度はご丁寧にご回答いただき、誠にありがとうございます。
大変分かりやすく、今後の手続きについて理解を深めることができました。
追加で2点ご質問させていただけますでしょうか。
① 私の事業所得につきましては、シンガポールや英国へ移住した後も、現地の銀行口座は一切介さず、売上はすべて日本の銀行口座で受け取る予定です。この場合でも、シンガポールや英国で課税対象となる可能性はありますでしょうか。
② 今後、確定申告や納税管理人の依頼をする税理士を探そうと考えております。このようなケースでは、国際税務に詳しい税理士の先生へ依頼した方がよろしいでしょうか。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご教示いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
追加のご質問の件ですが、以下回答させて頂きます。
① 口座の場所と現地課税のリスク
日本の口座で売上を全額受領する場合でも、現地で課税される可能性は残ります。
●シンガポール: 国内に送金しない限り原則非課税ですが、渡航後にご自身がシンガポール国内でAI関連の開発・運営などの「実務(労務)」を行った場合、その行為自体がシンガポール国内の源泉所得とみなされ、口座の場所に関わらず課税対象となるリスクはございます。
●イギリス: 「居住者」と判定された場合は「全世界所得課税」の対象となるため、日本の口座のままであっても原則としてイギリスでの申告・課税対象となります。
② 税理士選びについて
国際税務の知見がある税理士(または個人向け国際税務に強い事務所)へのご依頼をお勧めします。
本ケースは、単なる国内の確定申告だけでなく、日本の恒久的施設(PE)の判定や二重課税を防ぐ「外国税額控除」の適用、日英租税条約の解釈、さらには将来的な出国税(国外転出課税)の対象成否など、国際税務の専門知識が不可欠な論点が複数絡むためです。
回答は以上となります。
ご参考になりましたら幸いです。
ご丁寧に教えていただきありがとうございました。ご教示いただいた内容を参考にして手続きを進めてまいります。
また機会がございましたらよろしくお願いします。
本投稿は、2026年07月05日 01時51分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






