土地の持分の変更に際して税金のかかりにくい登記の方法について
夫婦ペアローンで土地先行プラン(1回の審査で土地と建物の2回にわけて融資)で住宅ローンの融資を受け住宅建築の為の土地を購入しました。建物分のローンを組む前に諸事情により住宅ローンの継続が難しくなってしまい、土地分のローンの一括返済の為に妻のみの単独ローンに借り換えなければならなくなってしまいました。すでに土地の持分を夫婦1/2ずつで登記をしてしまいましたが、借り換えに伴い夫の持分を変更する必要が生じました。
この際、錯誤による更生登記をすると、みかけ上、夫の持分を妻に移したことになり贈与税の危険性があると言われました。
持分移転登記を選ぶ方法もあるようですが、売買を理由にすると実際のお金の動きがないから難しいのでは?と意見がありました。
代物弁済を理由にする案もあるようですが、不動産取得税の対象になるかもしれないとのことでした。
税務署への相談をしてもまだ起こっていないことには答えられないとの返答でした。
一番安全な(支払う税金が少なくて済む)登記方法はどのようにしたらよいでしょうか?
税理士の回答
伊香昌重
奥様が土地の購入資金を、奥様のローンで奥様が全額負担するのであれば、妻の100%所有で問題ないと思います。錯誤登記で所有持ち分を変更しても、出資金額に応じて持ち分を直しただけであれば、贈与税の問題は発生しないと思われます。
結論から申し上げますと、事実関係に即し、かつ予期せぬ贈与税リスクを回避できる最も安全な方法は「売買」を原因とする持分移転登記かと存じます。
理由は以下の通りとなります。
●錯誤による更正登記は推奨されない
当初ペアローンを組み、その資金で決済した事実は存在します。したがって当初の登記は「間違い」ではなく、法務局で受理されない可能性が高い上、税務上も実態との乖離を指摘されるリスクがございます。
●「売買」におけるお金の動き(対価)
夫婦間で直接的な現金のやり取りがなくても、妻が新たな単独ローンを組み、夫のローン残債を肩代わりして一括返済する(債務引受または代位弁済)こと自体が、持分譲渡の「対価」となります。したがって、実体として立派に売買が成立します。
●税金面での評価
・贈与税: 移転する夫の土地持分の時価と、妻が引き受ける(返済する)夫の債務額が同額であれば、贈与には当たらず贈与税はかかりません。
*時価が債務額を上回る場合に限り、その差額が贈与とみなされる可能性がございますが、110万円以内であれば暦年贈与の範囲内ですので無税となります。
・不動産取得税・登録免許税: 妻が新たに夫の持分(不動産)を取得することになるため、売買であっても代物弁済であっても、これらの流通税は残念ながら回避できません。
・譲渡所得税(夫): 土地購入時から値上がりしていなければ、基本的に課税されません。
不動産取得税等の負担は生じますが、上記理由により「売買」が最も自然な適正な処理かと存じます。
回答は以上となります。
ご参考になりましたら幸いです。
ご回答ありがとうございます。能登路先生にご質問ですが今回、持分移転登記をするとした場合は代物弁済より売買の方が適切なのでしょうか?
竹中公剛
一番安全な(支払う税金が少なくて済む)登記方法はどのようにしたらよいでしょうか?
ないと思います。売買がよいと思います。購入価格での譲渡。直近ですので、今の取引価格でしょう。利益がないので、税金はかからない。お金の受け渡しは必要。
土地分のローンの一括返済の為
負担月贈与は無理でしょう。譲渡以外はないと考える。
追加のご質問の件ですが、「売買」とする方が適切かと存じます。
代物弁済は「既に存在する借金を、金銭の代わりにモノ(不動産)を引き渡して清算する」行為となります。
本件は、妻が夫のローン残債を肩代わりして返済する(債務引受)ことを対価として、夫から土地の持分を譲り受ける取引であるため、実態は「売買」に合致します。
どちらを登記原因としても不動産取得税や登録免許税の負担は変わりませんが、金融機関の借り換え審査や法務局・税務署への説明において、取引の事実関係をシンプルかつ正確に表す「売買」を選択する方が、疑義を持たれにくく実務上スムーズに進行するかと存じます。
回答は以上となります。
ご参考になりましたら幸いです。
本投稿は、2026年08月07日 21時42分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






