低廉譲渡(見做し贈与)とならない妥当な不動産売買価格設定についてお教え下さい
1階に母親(父は既に死亡)2階に姉夫婦が居住している二世帯住宅について、母親死亡に伴い、遺言で姉がこの不動産について全て相続する事になりました。子供は姉と私の二人だけ。財産は、殆どがこの不動産と現預金少々で相続財産総額は40百万円程度であった為、私の遺留分は10百万円程度でした。ところが、父親が死亡時この不動産の底地の1/4を私が既に所有していた事から、姉が私へ遺留分を支払うと同時に底地の1/4分を買い取る事になりました。総額は20百万円の支払いを受ける事で合意になったのですが、この土地の売買価格で双方の意見が合わなくなりました。姉は見做し贈与を懸念し、土地の更地価格 (60百万円)の1/4の15百万円を主張。私はそれでは3百万円程度の譲渡所得税がかかってしまう為、総額20百万円貰っても、手取りが減ってしまう事から、土地評価を底地権割合(40%)を勘案して最大6百万円(業者値段の時価)~4百万円(課税台帳の評価価格及び路線価価格) で売買契約を主張しています。このケースで1/4分の売買価格で低廉譲渡(見做し贈与)とならない妥当な価格はどの程度なのでしょうか?お教えください。
この不動産の業者値は更地価格で61百万円、建物は二十数年経っていて殆ど無価値です。
税理士の回答
親族間での土地の譲渡でも「時価」で行うことが原則とされており、財産を時価よりも「著しく低い価額」で譲り受けた場合には、その時の時価と支払った対価との差額が、贈与により取得したものとみなされます(相続税法第7条)。
ところで、この「著しく低い価額」に関して、平成19年8月23日に東京地方裁判所において、以下のような判決が下されております。
『相続税評価額が時価の80%程度の水準であり、譲渡価額が相続税評価額同程度かそれ以上であれば、「著しく低い価額」での譲渡とは言えない。』
つまり、「時価」での売買が原則であり、そのため相続税評価額(時価の8割程度)は時価とはいえないが、「著しく低い価額」ともいえないと判断し、みなし贈与の課税を取り消しています。
従って、ご相談のケースでも時価の8割以上の価額で検討されることが望ましいと考えます。
宜しくお願いします。
本投稿は、2016年08月07日 13時32分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。