親から数百万円が入っている通帳とキャッシュカードを渡されましたが、これは名義預金になるのでしょうか
親が長らく管理していた自分名義の口座があります。
元々は親と同居していた時期に私が生活費として家に入れていたお金を預入れしてていたもので、そういう口座があること、時期が来たら私に渡すつもりであるということは随分以前から知っていました。
先日この通帳とキャッシュカードおよび暗証番号を引き渡され、現在は自分(名義人)が管理し、親は完全にノータッチになっています。また口座開設時に印鑑は何を使ったのかすでにわからなくなっています。
親はまだ健在であり、突然の事故でもない限りは当分相続は発生しそうにない状況で、今のうちに名義人(私)の正しい情報に訂正すれば問題ないと親は言うのですが、本当にそれで大丈夫でしょうか。
他に調べると贈与契約書の作成が必要だとかいろいろ情報が出てくるのですが門外漢なので判断がつかず、こちらにご相談しております。
税理士の回答
結論としては、このご説明が事実である限りは、この預金は貴方のものであることに疑問の余地はありません。つまりこの実態は、貴方のお金を親が管理していたというだけであり、贈与という話の出番はないからです。
そもそも贈与とは、「あげたよ。うん、もらったよ」という、贈与者(あげた人)と受贈者(もらった人)の双方の意思が必要とされています。ご質問の場合は、貴方は家(親)にあげたという意思はあったのでしょうが、親の側の認識は明らかに「もらったのではなく、預かって管理している」ですから、贈与は成立していないわけです。
ただし、ひとつ気になるのは、その口座への入金の金額が、貴方が「生活費として家に入れていたお金」だけなのかどうかです。これに親が相応の金額を加算して入金していたのであれば、やや風向きが変わってきます。つまりこの場合には、親が「いったんはもらった上で、あらためて加算金額を含めて贈与した」と認識していた、という解釈が成り立つ余地がないわけではないいからです。
ただし仮に、そうしたやや強引な解釈がなされたとしても、少なくとも贈与税の時効(原則6年)を過ぎた入金部分は、課税対象とはなりません。
このご相談で最も怖ろしいストーリーは、税務署が「通帳等を渡されたその日に、通帳残高全額の贈与がなされた」という主張を行うことです。これであれば贈与税はかなり多額に上りますし、時効の可能性もゼロです。
しかしこうした解釈は明らかに無理があります。理由は貴方が「生活費を入れた口座がありやがてこれを渡される、ということを随分前から知っていた」ことにあります。つまり、先の解釈(親がいったん受贈した上で入金していた)であっても、「随分前」の時点で、親の贈与の意図と貴方の受贈の意図の表明により贈与がなされているからです。むろんその後の通帳は、単に親が管理していただけと考えられるわけです。
とはいえ税務署はこんな無茶な主張をしてくるとは思えません。しかし仮にそうであっても、貴方は以上の事実をしっかり説明なさることです。それさえなされれば税務署はすぐ納得するはずです。
ご回答ありがとうございます。
ご指摘の通り、通帳の記録を見ると元は私が家に入れたお金に親が資金を追加で積み立てていました。
また、3年ほど前に一時的に資金が必要になった際にこの口座から「親が借りてそのあと埋め戻し(半年以内)」もしています。勿論、このことも聞かされていました。
通帳の件について聞かされたのは十数年前で、その時点で贈与が成立していたとして、この3年前の出し入れがどうなるのかを少し心配しています。
ひとまず、どちらにせよ印鑑喪失届はしなくてはならない状況ですので、近日中に銀行窓口に出向いて手続きしてきますが・・・
本投稿は、2017年05月05日 19時27分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。