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「タワマン節税」のカラクリとは?税制改正でもう使えない?

著者: 竹内 英二 不動産鑑定士・中小企業診断士

一時期、タワーマンションを購入することによる相続税対策が流行した時期がありました。しかし、平成27年10月29日に国税庁が財産評価基本通達6項による「固定資産税評価額」の見直しを行う記者発表をしたことで、今は下火になっています。

また、平成29年度税制改正でタワーマンションに係る「固定資産税」の見直しが行われたことも影響し、今後、タワーマンションによる相続税対策がどのようになっていくかについても注目されています。

タワーマンションによる節税を検討している方に向けて、タワマン節税スキームと、税制改正の影響および注意点について解説していきます。

目次

タワマン節税とは

タワマン節税とは、タワーマンションの上層階を購入することで相続税の節税を行う節税対策のことです。

不動産の相続税評価額は、建物については固定資産税評価額、土地については相続税路線価を用いて評価を行います。

マンションの建物固定資産税評価額については、単純に一棟のマンション全体の評価額を専有面積の割合で案分して求められます。

例えば、30階建てのマンションの場合では、1階の80㎡のマンションと30階の80㎡のマンションの建物評価額は同じです。

しかし、実際のマンションの市場価格は、1階と30階では大きく異なります。マンションは、階数が高くなればなるほど眺望等に優れ、価値も高くなるため、1階のマンションよりも30階のマンションの方が市場価格は高くなるわけです。

ところが、固定資産税評価額については、1階も30階も変わりません。そのため、高層階の部屋であればあるほど、市場価格と固定資産税評価額との差額が大きくなるのです。

この市場価格と固定資産税評価額の差額が大きな資産は、相続対策には効果的です。

例えば、市場価格が5,000万円で、相続税評価額が2,500万円のタワーマンションの部屋があったとします。現金5,000万円をこのタワーマンションに変えると、相続財産としては2,500万円に圧縮され、それだけで大きな節税効果があります。

その後、2,500万円まで非課税で贈与できる相続時精算課税制度を用いると、そのタワーマンションを非課税で贈与することができるわけです。

そして、贈与を受けた後、そのタワーマンションをすぐに売却すれば、5,000万円の現金を手に入れることができます。

つまりこのケースでは、タワーマンションを使って、親から子へ非課税で5,000万円の資産を移転することができたということです。

タワーマンションの上層階のように、市場価格と相続税評価額の差額が大きな資産では、このような相続対策が可能となるのです。

タワマン節税はもう使えない?!

タワマン節税は、固定資産税評価額が市場価格と乖離していることに着目したテクニックですが、今後使えなくなることが予想されています。

平成27年に固定資産税評価額の見直し?

タワマン節税が問題視された平成27年において、国税庁が財産評価基本通達6項によってタワーマンションの固定資産税評価額の見直しを行うことを公表しています。

財産評価基本通達6項では、「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」と定められているのです。

つまり、タワーマンションも取得・保有の状況や経緯によっては、通常の固定資産税評価とは異なる評価額が決定される可能性があるということです。

そのため、タワマン節税に関しては、平成27年10月29日の国税庁の発表以降、やりにくくなっているのが現状です。

平成29年税制改正で固定資産税が増額

平成29年度税制改正により、平成29年1月2日以後に新築されたタワーマンション(平成29年3月31日までに売買契約が締結されたものを除く)の平成30年度分以後の年度分の固定資産税については、階層の差が考慮されるようになりました。

固定資産税評価額については変わらないのですが、固定資産税については、階層が高いほど税金も高くなります。

この改正では、高さが60mを超えるタワーマンションの場合に、固定資産税評価額はそのままで、階数が上がるにつれて税額が高くなるという内容になっています。

中古のタワーマンションについては、これまでどおりですので、中古物件の人気が高まるという見方もあるようです。

おわりに

固定資産税評価額の見直しについては、平成29年税制改正で言及されていないため、まだタワマン節税は有効では?と考える方も多いかもしれません。

しかし、タワマン節税は国税庁がマークしている可能性がありますので、既に危険な節税テクニックとなっています。

もし今、タワーマンションの上層階で親子間での贈与や短期間の売買等、怪しい動きが発覚すれば、対象となったタワーマンションの固定資産税評価額が見直される可能性が高いでしょう。

特に、国税庁は短期間の売買等を注視しますので、既にタワーマンションを持たれている方は、ご注意ください。

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