一括償却資産について教えて下さい
閲覧ありがとうございます。
まず当社の情報ですが、個人事業主(青色申告者)です。
昨年(R5)、完全事業用としてのノートパソコン(15万円)と、事業で使用するソフト(12万円)を購入しました。
以前、こちらで質問させて頂いた際に【少額減価償却資産】として、消耗品費として全額必要経費に算入できるという回答を頂き、そのように処理をしていたのですが・・・
自分なりに調べていると、【少額減価償却資産】で処理をすると確定申告時に明細書?の添付が必要だったり、固定資産税の課税対象になるという事が分かりました。
正直、昨年の売上・経費・控除等の数字から計算すると、所得税もそんなに掛かる額ではので、今回購入したパソコンとソフト代の約27万円分は、全額経費算入するよりも、【一括償却資産】として3年に渡り償却した方が今後の節税に繋がるのかな・・・と考えたのですが、どうなんでしょうか?
一括償却資産ですと、固定資産税が非課税となるみたいですし・・・
私の見当違い、思い違いだといけないと思い、再度こちらに質問させて頂きました。
よろしくお願い致します。
税理士の回答
おっしゃる通り、一括償却資産で処理すると、市町村への償却資産の申告に含める必要がないので、売上が少ない場合はそちらのほうが有利になる可能性が高いと思われます。
下記国税庁の「青色決算書の書き方」の減価償却費の計算の記載例のとおり、記載する必要があるので、注意が必要です。
国税庁HP
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2021/pdf/037.pdf
回答ありがとうございます。
やはり、そうなんですね!
それが聞けて安心しました。
もしよろしければ、併せて仕訳について教えて頂きたいのですが…
一括償却資産で計上する場合、ネットではよく
購入時 【一括償却資産/現金 等】
決算時 【減価償却費/一括償却資産】
2・3年目 【減価償却費/一括償却資産】
という仕訳例を見るのですが、私の使用しているソフト(やよいの青色申告)では【一括償却資産】という科目がないため、代わりに【工具器具備品】の科目を使って仕訳をきってもいいものでしょうか?
それとも、【一括償却資産】という科目を追加するべきなのでしょうか?
お忙しい中申し訳ありませんが、ご教授頂けたらと思います。
宜しくお願い致します。
上記の仕訳をするのであれば、「一括償却資産」という勘定科目を追加する必要があります。
一括償却資産で処理すると、そのノートパソコンは工具器具備品のように、実体のある固定資産ではなくなり、たとえば前払費用のような実体のない資産となってしまうからです。
実体がない資産だから、固定資産税もかからない、ということになります。
なるほど。
分かりやすく丁寧にありがとうございます。
すみません…最後に調べても分からなかったので、もし宜しければ教えて頂きたいのですが…
仕訳をするのに、【一括償却資産】という勘定科目を追加するとしたら、どこの項目に追加したらいいでしょうか?
貸借科目の有形固定資産?無形固定資産?
はたまた、損益科目??(これは違う気も…)
無知でお恥ずかしいのですが、教えて頂けると助かります…!
宜しくお願い致します。
実務では色々あり、様々です。代表的なのは
①減価償却費を計上することを重視して、「有形固定資産」の欄に追加する方法
②有形固定資産とは異なることを重視して、「投資その他の資産」の欄に追加する方法
などが考えられます。
一括償却資産は、資産なので、損益項目にすることはありません。
その時の状況等により異なるということですか…
先生でしたら、今回の場合、①と②、どちらを勧めますか?
どちらにするか非常に悩ましいところですが、今回は①のほうをお勧めします。
貴殿の場合、最初の回答のとおり、確定申告書の青色決算書の「減価償却費の計算」欄に一括償却資産を載せることになるので、会計ソフトの有形固定資産の欄に追加すれば、「減価償却費の計算」欄の合計値と会計ソフトの合計値を合わせやすくなる、と思われるからです。
なるほど!
なら、今回は先生の仰る通りに処理させて頂こうかと思います。
お忙しい中、長々と最後まで丁寧に回答頂き、本当にありがとうございました!
非常に勉強になり、助かりました。
また何かありましたら、宜しくお願い致します。
本投稿は、2024年01月16日 00時38分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。