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合同会社における非常勤役員(妻)への社会保険加入の有無

合同会社にて配偶者を非常勤役員として追加し、社保支払いなし/所得税・住民税なしの範囲内で役員報酬を支払い損金扱いとしたいのですが、具体的な手続きの方法を教えていただきたいです。

■前提
・相談者が代表社員の1名の設立3年目の合同会社
・相談者の役員報酬はゼロ
・相談者は別途企業勤めで給与所得があり、配偶者はその扶養内で所得なし

■実施したいこと
・相談者が代表を務める合同会社にて、配偶者を非常勤役員として追加し、社会保険加入なし/所得税・住民税非課税で役員報酬(月額8万円を想定)を支払い損金扱いとしたい

■質問内容
1、「合同会社の社員は、すべて業務執行社員となり代表社員となるため、報酬発生する場合は原則社保加入しなければならない」という情報をネットで確認しました。
但し、「〇〇は業務を執行しない社員」(業務執行社員以外の社員)とする」と定款で定めて提出をした場合は、今回に実施をしたいことは実現可能そうでしょうか。

2、配偶者に役員報酬を支払うことになる為、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を提出は提出が必須でしょうか。また、提出後、社会保険事務所から社保加入に加入催促をが来た場合、こちらの書類の情報が社会保険事務所に伝わる仕組みになっている為なのでしょうか。(=どのタイミングで社会保険事務所が配偶者の役員報酬を支払っている事実を把握するのかがわかりません。)

3、もし社会保険事務所から社保加入に加入催促をが来た場合、①の定款の内容を提出することで、社保加入の加入を回避できそうでしょうか。

4、①の変更は印紙代の支払いも含め「登記・供託オンライン申請システム」から申請が可能でしょうか。もしくは郵送で行う場合、印紙代はオンラインなどで支払いが可能なのでしょうか。



税理士の回答

必ずこうなるとは断定はしづらいご質問ですが、私見も込みで回答させて頂きますと、合同会社に配偶者を非常勤役員として追加し、社会保険加入なしで役員報酬を支払う手続きについて、ご質問の内容に沿って回答いたします。

1. 定款での規定と実現可能性
合同会社において、配偶者を「業務を執行しない社員」として定款に定めることは可能です。ただし、この場合、配偶者は業務執行権を持たない単なる出資者となり、役員としての地位を持ちません。そのため、役員報酬を支払うことは難しくなります。
役員報酬を支払い、かつ社会保険加入を避けるためには、以下の方法が考えられます:
・配偶者を業務執行社員として追加し、実態として非常勤であることを明確にする。
・年金事務所に相談し、非常勤役員としての社会保険加入要否について確認する。

2. 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書の提出
配偶者に役員報酬を支払う場合、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」の提出は必要です。この届出書は税務署に提出するもので、社会保険事務所には直接情報は伝わりません。
社会保険事務所が役員報酬支払いの事実を把握するタイミングは、通常以下のような場合です:
・会社が自主的に届け出る
・税務調査や社会保険調査の際に発覚する
・従業員や第三者からの通報

3. 社会保険加入催促への対応
社会保険事務所から加入催促があった場合、定款の内容だけでは加入回避は難しい可能性があります。以下の点を説明し、判断を仰ぐ必要があります:
・役員の実際の勤務実態(非常勤であること)
・報酬額が社会保険加入基準を下回っていること
・他の収入源がなく、配偶者の扶養内であること

4. 登記申請方法と印紙代の支払い
定款変更の登記申請は「登記・供託オンライン申請システム」から行うことが可能です。オンライン申請の場合、登録免許税(印紙代)はインターネットバンキングやATMを利用した電子納付が可能です。
郵送で申請する場合も、事前に指定の銀行口座に振り込むことで現金納付が可能です。

以上の手続きを進める際は、以下の点に注意が必要です:
・役員報酬の金額設定(月額8万円)が適切かどうか再確認する
・源泉徴収の要否を確認する(月額8万円以下であれば不要の可能性あり)
・定期同額給与の規定を遵守する。

最後に、これらの手続きは複雑で専門的な判断が必要な場合があります。不明点がある場合は、税理士や社会保険労務士などの専門家に相談することをお勧めします。

この度はとても丁寧なご回答を頂きありがとうございました。
(年末を挟み返信が遅くなり失礼致しました。)

>合同会社において、配偶者を「業務を執行しない社員」として定款に定めることは可能です。ただし、この場合、配偶者は業務執行権を持たない単なる出資者となり、役員としての地位を持ちません。そのため、役員報酬を支払うことは難しくなります。

上記の件につきまして、定款に「業務執行社員以外の社員」として記載し、法務局に持って行き担当の方に確認をしてもらったところ、業務執行社員以外の社員は定款に記載する必要がないと言われてしまいました。

こちらについて「業務を執行しない業務執行社員」という記載であれば定款に記載ができるのでしょうか。

担当者と話した感じですと、「業務を執行しない」という文言は削除して下さいと言われそうな気がしております。

>配偶者を業務執行社員として追加し、実態として非常勤であることを明確にする。

上記については、定款に記載をし明確にするいうことでしょうか。

また、社会保険事務所に相談し、「経営に関わらない役員の場合は社会保険の加入は必要ない」と案内がありました。

業務執行社員だが、経営にかかわない役員として報酬を出す場合、どのようなことに注意をすればいいでしょうか。また、税務調査の際に突っ込まれたりはそなそうでしょうか。

定款にこう記載した方が良いなどの文言があれば伺えますでしょうか。

>登録免許税(印紙代)はインターネットバンキングやATMを利用した電子納付が可能です。

こちらについて、法務局のスタッフに確認をしたところ、オンライン決済はなく郵便局で印紙を買ってくださいと案内されました。

実際は下記のサイトで購入をする感じでしょうか。
登記・供託オンライン申請システム




ご質問ありがとうございます。

定款への記載について
法務局担当者のご指摘のとおり、業務執行社員以外の社員(いわゆる「有限責任社員」)は、定款に記載する必要がありません。「業務を執行しない業務執行社員」という概念は存在せず、業務執行社員か否かの二択となります。

定款には以下のように記載することが考えられます:
「第○条 社員○○○○は、業務執行社員とし、当会社の業務を執行するものとする。」
この場合、記載されていない社員は自動的に業務執行権のない社員となります。

非常勤役員としての扱いについて
配偶者を業務執行社員として追加し、実態として非常勤であることを明確にする場合、定款への記載は上記のようにし、実際の業務内容や勤務実態を明確に記録しておくことが重要です。
社会保険事務所から「経営に関わらない役員の場合は社会保険の加入は必要ない」との回答を得たとのことですが、以下の点に注意が必要です:
・業務内容の明確化:配偶者の具体的な業務内容と勤務時間を明確にし、記録を残す。
・報酬額の適正性:業務内容に見合った適正な報酬額を設定する。
・取締役会や社員総会の議事録:役員としての選任や報酬決定の過程を記録する。
・経営への非関与の証明:重要な意思決定に関与していないことを示す記録を残す。
税務調査の際には、上記の点について説明できるよう準備しておくことが重要です。特に、役員報酬の額が適正かどうかは注目されやすい点です。


登録免許税の納付について
登記・供託オンライン申請システムを利用する場合、電子納付が可能です。ただし、書面申請の場合は従来通り印紙納付となります。オンライン申請を利用する場合は、以下の方法で電子納付が可能です:
・インターネットバンキング
・Pay-easy対応ATM
・電子納付対応の金融機関窓口
電子納付の詳細は「登記・供託オンライン申請システム」のウェブサイトで確認できます。
法務局担当者のご回答は書面申請を前提とされたのではないかと推測しますが、、、いかがでしょうか。

ご回答を頂き誠にありがとうございました。
とてもわかりやすい回答で助かりました。

追加質問で大変恐縮ですが、妻を業務執行社員にして役員報酬を払うのと、普通の従業員として給与を払うのでしたら、やはり普通の従業員として給与を払う方は、色々と手間になるのでしょうか。

今回の場合は、経営に関与させない方向性で進める予定ですので「みなし役員」としてみなされない業務執行社員とするべきなのでしょうか。(経営に関与しない業務執行社員とは普通はどんな役割を担うことが一般的でしょうか。)

追加のご質問の回答が遅くなり申し訳ございませんでした。
単純に業務執行社員として役員報酬を払う場合と、従業員として雇用する場合の手続きとして必要と思われるものをリストアップしてみました。

業務執行社員として役員報酬を払う場合の手続き
・定款変更(必要な場合)
・社員総会議事録の作成(役員選任および報酬決定)
・登記申請(役員変更)
・給与支払事務所等の開設届出書の提出(税務署)
・役員報酬規程の作成
・源泉徴収の処理(報酬額によっては不要の場合あり)
・法定調書の作成・提出

普通の従業員として給与を払う場合の手続き
・雇用契約書の作成
・労働条件通知書の作成・交付
・雇用保険の加入手続き
・労災保険の加入手続き(既に加入している場合は追加のみ)
・社会保険の加入手続き(該当する場合)
・給与支払事務所等の開設届出書の提出(税務署)
・給与計算システムへの登録
・源泉徴収の処理
・年末調整の実施
・法定調書の作成・提出

手続き数で比較すると、普通の従業員として給与を払う方が手続き数が多くなります。特に社会保険関連の手続きが増えることが主な理由です。

ご参考になりましたら幸いです。

本投稿は、2024年12月19日 11時58分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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