サブリース物件を法人で購入した場合の税金関係はどのようになりますか?
法人の年間の利益が200万円程度出る予定です。サブリース物件で、200万程度の案件を購入して、賃貸収入にしようと思いますが、その場合、税金関係はどのようなことが想定できるでしょうか?
税理士の回答
良波嘉男
ご質問ありがとうございます。
「法人でサブリース物件を購入した場合の税金」について、ポイントを整理します。
1.法人税等のイメージ
サブリース物件を法人名義で購入すると、
本業の利益(年間200万円)
不動産賃貸の利益(サブリース収入-経費)
を合算した金額に対して、法人税・地方法人税・法人住民税・事業税 がかかります(法人税法22条)。
小規模法人の場合、ざっくり計算すると、課税所得×約25〜30%前後がトータルの実効税率のイメージです。
例えば
サブリース収入:200万円
経費(減価償却、利息、固定資産税、管理費など):160万円
→不動産の利益:40万円
既存の利益200万円と合算すると
200万+40万=240万円が課税所得のイメージとなり、税金は概ね 60〜70万円前後 に増えるイメージです(あくまで概算です)。
2.購入時にかかる税金
物件購入時には、所得税・法人税とは別に、次の税金がかかります。
登録免許税(所有権移転・抵当権設定など)
不動産取得税(都道府県税)
印紙税(売買契約書・金銭消費貸借契約書)
いずれも一度きりの“取得時コスト”で、損金(経費)にできます(法人税法22条3項)。
3.保有中にかかる税金
保有している間は、毎年以下が発生します。
固定資産税・都市計画税
サブリース会社への管理委託費
ローンがあれば 支払利息(元本は経費にならない)
土地は減価償却できず、建物部分のみ耐用年数に応じて減価償却します。
減価償却費・利息・固定資産税などを差し引いた残りが「不動産の利益(または赤字)」として法人税の計算に入ります。
4.消費税のポイント
住居として貸すサブリースの場合の家賃は消費税非課税です(消費税法6条)。
非課税売上が中心になるため、建物購入時の消費税を仕入税額控除できないケースが多いです。
→「消費税だけでも重いのに、控除もできない」というパターンになりやすい点は注意が必要です。
5.想定しておくべきこと
「200万円の物件を買えば、そのまま200万円利益が増える」ことはありません。
減価償却・利息・管理費などを差し引いた“純利益”が法人税の対象になります。
初期は減価償却が大きく、帳簿上は利益が圧縮されて節税になったように見えても、減価償却が終わった後に税負担が一気に重くなるパターンがあります。
サブリース特有の一方的な家賃減額交渉
空室リスクの押し付け
原状回復負担
など、「税金以前にキャッシュフローが悪化するリスク」の方が正直大きいです。
本投稿は、2025年11月21日 16時35分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







