住宅取得資金贈与の非課税特例について相談です
2025年10月に母から1,000万円を受け取り、2026年2月に住宅建築費として使用しましたが、申告期限(2026年3月15日)までに申告していません。
この場合、一度返金した上で、住宅完成時に改めて贈与を受け直し、非課税特例を適用することは可能でしょうか。
税理士の回答
土師弘之
民法第550条では、(書面によらない贈与の解除)「書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。」と規定しています。
つまり、履行が終わった部分(贈与を受けて建築費を支払った1,000万円)は取り消すことができないため、返金すると二重に贈与が行われたことになります。
また、非課税特例を適用するためには、住宅資金の贈与→建築費支払という資金の流れが必要です。したがって、万が一返金が認められたとしても、現時点では既に支払の済んだ建築費に充てることはできないため、非課税特例を適用することはできません。
なお、3月15日までに入居できないことについてやむを得ない事情が発生しているのであれば、申告書に理由書などを添付すれば認められる場合がありますが、そもそも期限内に申告していないのであればそのような救済措置も受けられないと言わざるを得ません。
ご回答ありがとうございます。大変参考になりました。
一点追加で確認させてください。
2025年10月の1,000万円については贈与契約書を作成していますが、この契約を当事者間の合意により解除し、速やかに全額を母へ返金した場合でも、やはり「履行済み部分」として取り消しは認められないでしょうか。
また、その上で、建築の最終支払い(約700万円)が2026年8月頃にあるため、そのタイミングで改めて母から贈与を受け、住宅取得資金の非課税特例を適用することは可能でしょうか。
実務上の取扱いやリスク感についてもご教示いただけますと幸いです。
土師弘之
「書面によらない贈与は履行されなければ解除できる」という意味なので、「書面で合意すれば履行しなくても解除できない(契約違反となる)」という意味になります。
なお、税務署内の内規で「民法の規定にかかわらず、いったん履行された贈与であっても、一切手を付けずに全額を申告期限(翌年3月15日)までに返却していることを税務署長が確認したときはその贈与をなかったものとして取り扱うことができる」という取扱いがあります。これにも当てはまらないため、取消はできないというしかありません。
ちなみに、今年改めて贈与を受けた場合には、要件を満たしていれば非課税特例を適用することは可能です。
結果的には贈与が早すぎたといえるケースであり、住宅資金贈与は住宅購入代金を支払う直前に行うべきだということになります。
本投稿は、2026年04月18日 17時34分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






