相続対策のための不動産投資における法人化
親が保有するキャッシュ5000万円を相続対策で収益用不動産を購入しようと考えています。節税も加味し、1人会社として法人化しようと思います。
株主:父 会社代表:自分
キャッシュを資本金にし会社を設立し、会社として不動産購入すればよいと考えていたのですが、資本金が大きくなること(1000万以上等)で税務面のデメリットもあると思います。
本を読んで、土地は被相続人が保有(購入)し、建物を法人が建てることのほうがよさそうですが、建物を建てるというハードルがあり、難しいかなと思っています。
節税という観点でキャッシュを資本金に全て入れないで実施する方法はありますでしょうか。
税理士の回答

相続税の節税と法人・所得税の節税は相反する部分があるので、残念ながら全てをいいとこ取りするのは難しいです。
例えば、相続対策で不動産を取得するのであれば個人で取得した方が効果は高いです。不動産屋によっては、相続税の圧縮率70%(5000万であれば3500万円減)などと謳う業者もあります。ただ、不動産の収益が生じるのでもともと所得税率が高い方の場合は法人で不動産を取得した方がいい場合もあります。
しかし、不動産を法人で取得すると取得後3年間は買った金額(減価償却費は控除)で評価する必要があり、上記の圧縮効果を3年間得られないことになります。そうすると、お父様の年齢によって、個人で不動産を取得した方がいいのか、法人で取得した方がいいのか判断が変わってきます。
上記は一例ですが、対策にあたっては、お父様の財産の規模・内容、所得、年齢(相続の発生時期の見込み)などを総合的に検討しないと、一口に節税といっても、法人税・所得税は節税できたけど、当初の目的であった相続税が減少しなかったという事態になりかねません。
全体のバランスを見ながら、決めるのが重要です。
ちなみに、5000万円を資本金に入れたとしても、毎年の均等割の負担増加額は10万円程度なので、相続税の節税額が何百万円という規模に比べたら大きな影響ではないと言えます。また、建物の購入がハードルとのことですが、資金面でのハードルという意味であれば、相続対策のために借入をするというのは一般的な手法です。
詳細なご回答ありがとうございました。よく理解できました。参考にさせていただきます。
本投稿は、2020年06月01日 17時25分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。