小規模企業共済について
国民年金の免除条件になる所得金額を計算する時、小規模企業共済の掛け金による所得控除は、控除されますか?
例えば、所得は184万円、単身者、東京23区
青色特別控除と所得税基礎控除の控除後所得は、81万円・・・(1)
住民税の場合は、84万・・・(2)
小規模企業共済の控除(満額月7万掛けた場合)で、所得税と住民税の課税所得は、0円・・・(3)
になりますが、国民年金の免除審査で活用される前年所得額とは(1)(2)(3)のどちらになりますでしょうか?
以下、日本年金機構ホームページより引用
2.保険料免除・納付猶予の承認基準(所得の基準)
全額免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
4分の3免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
半額免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
4分の1免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
納付猶予制度
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
上記「扶養親族等控除額」「社会保険料控除額等」は、年末調整・確定申告で申告された金額です。源泉徴収票・確定申告控等でご確認ください。
(注)地方税法に定める障害者及び寡婦の場合、基準額が変わります。詳しくは、お手続きの際に、お問合せください。
引用終わり
社会保険の知識がある税理士の先生がいましたら、教えていただけますと幸いです。
税理士の回答

土師弘之
【国民年金法第90条、90条の2】
〇保険料免除を申請する月の前年の所得が政令で定める額以下であるときは、保険料を免除とする。
【国民年金法施行令第6条の11、6条の12】
〇全額免除の場合の所得の金額は、地方税法第313条第8項第9項に規定による控除前の地方税法第313条第1項の所得金額とする。
〇一部免除の場合の所得金額は、地方法人税法第313条第1項に規定する所得金額とする。
※地方税法第313条第8項第9項は繰越欠損金について定められた条文です。
つまり、全額免除の場合の所得金額は繰越欠損金控除前と定められていますが、一部免除の場合はその旨がないため、繰越欠損金控除後になります。
よって、国民年金法でいう「前年所得金額」とは、所得税法でいう「総所得金額」(所得控除を控除する前の金額)となります。
上記の例で言うと、所得金額が184万円である場合は、全額免除・一部免除とも「前年所得金額」とは184万円となるため、小規模企業共済掛金を考慮すると、半額免除の対象となろうかと思います。
本投稿は、2021年03月30日 00時32分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。