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合同会社(LLC)の「設立手順」「メリット・デメリット」を解説!

合同会社とは、アメリカのLLCをモデルに導入された、日本の会社形態のひとつです。

実は、西友やApple、アマゾンジャパンなどの有名企業や大企業も、株式会社ではなく合同会社なんです。しかし、合同会社の導入から約10年ほどしか経っていないため、まだまだ認知が低い状態です。

株式会社よりも設立費用が安いことから、徐々に人気がでてきていますが、メリットだけではなく、デメリットも気になるところ。

そこで、合同会社のメリット・デメリットどんな人におすすめなのか。設立方法や費用について解説いたします。

目次

「合同会社(LLC)」とは

合同会社 (LLC)とは、2006年5月の会社法施行によって有限会社に代わって、新しく認められた会社形態の一種です。

会社形態は「合同会社」の他に、「株式会社」「合名会社」「合資会社」の計4種類が会社法で認められています。

また、「LLC」とは、「Limited Liability Company」の略で、名前に”合同”とありますが、誰かと共同することなく、一人で起業することも可能です。

国内の有名な合同会社

日本においては株式会社の方が知名度が高く、合同会社は中小企業が選択するイメージがありますが、中小企業以外でも合同会社の形態を選択している企業もあります。

その中には以下のような誰もが知る有名企業も含まれています。

  • 西友 合同会社
  • Apple Japan 合同会社
  • アマゾンジャパン 合同会社
  • シスコシステムズ 合同会社
  • 日本アムウェイ 合同会社
  • ユニバーサル ミュージック合同会社
  • P&G マックス ファクター 合同会社

合同会社の特徴とメリット

次は、合同会社の特徴と7つのメリットについてご説明いたします。

1.設立にかかる費用が安い

合同会社の特徴のひとつに、株式会社の場合と比較として「設立にかかる費用が安い」というメリットがあります。

まず、株式会社を設立する場合は、最低でも約24万円の費用がかかります。その内訳は以下のとおりです。

定款印紙代4万円
公証人手数料5万円
謄本交付手数料2000円程度(1枚250円)定款のページ数によって変わる
登録免許税最低15万円(資本金の0.7%が15万円を超える場合にはその額)

そして、合同会社を設立するためにかかる費用は以下のとおりです。

定款印紙代4万円
謄本交付手数料2000円程度(1枚250円)定款のページ数によって変わる
登録免許税最低6万円(資本金の0.7%が15万円を超える場合にはその額)

会社設立時に作成する会社定款は、原本に4万円の印紙を貼る必要があり、これが定款印紙代となります。なお、電子定款の場合はこの印紙代が節約できます。

合同会社を設立する場合は、公証人手数料が不要で、登録免許税も金額が低く設定されているため、約10万円ほどで設立することができます。

つまり、資本金を除いた設立費用で考えると、合同会社の方が約14万円安く会社を設立できるということです。

【定款】

定款は、会社(法人)の目的、組織、活動に関する根本となる基本的なルールを定めたもの。

【公証人手数料】

公証人が、正当な手続きにより定款が作成されたことを証明するための手数料。

【登録免許税】

会社設立時に、法務局で会社登記申請をする際にかかる費用。

2.法人格を取得できる

合同会社を設立することで、法人格を得ることができます。

法人格を得るということは、「個人(個人事業主)」として活動するよりも格段に社会的信用度が高くなります。

また、合同会社は社債を発行し資金調達を行ったり、金融機関からの融資も個人と比較すると行いやすくなり、資金調達の手段を増やすこともできます。

3.個人の場合よりも節税効果が期待できる

個人事業主の場合、事業であげた利益(所得)に対して所得税・住民税・事業税が課せられます。所得税に関しては5%〜45%の累進課税制度を用いているため、所得が多くなればなるほど課せられる税の額も多くなります。

一方、法人の場合は、益金から損金を引いた所得に対して法人税が課されますが、法人税は15%〜23.4%(※2017年11月時点)と、個人の所得税よりも税率の上限が低くなっています。

したがって、売上(利益)が多いのであれば、個人事業主よりも合同会社を選択した方が支払う税金を少なくすること(節税)ができるということです。

また、経費に関しても、法人の方が個人よりも経費として認められる範囲が広がるとされているため、更なる節税効果が期待できます。

法人だと、以下のような費用が経費として認められるようになります。

自分や家族を従業員とした時の給料
生命保険の保険料
福利厚生に関するもの
賃借している自宅を社宅とする

4.経営の自由度が高い

株式会社では出資額に応じて利益を分配するのに対して、合同会社では自由に利益を分配できます。

権限の配分割合についても出資額と関係なく設定できるため、資金を持つ人と実務で事業貢献した人が対等に事業を行うことができます。

また、株式会社と比較すると、「定款」を会社法に違反しない限り自由に作成することができるため、事業運営に最適な組織設計が可能です。「株主総会の開催」も必要がないため、素早く経営の意思決定を行うことができます。

そして、社員(出資者)全員の同意があれば、株式会社へと組織の変更を行うことができます。よって、まずは合同会社の形態で事業をスタートして、業績が拡大したら株式会社にするという方法を取ることもできます。

5.役員の任期が無制限

株式会社では役員の任期は2年間と定められているのに対して、合同会社では役員の改選義務がなく、役員の任期も定められていません。

このため、役員の任期切れによる変更・留任の手続きが不要となり、それに応じた登記費用もかかりません。

6.決算公告の義務がない

合同会社は、株式会社と異なり「決算公告の義務」がないため、毎年決算書を公表する必要がありません。

よって、決算公告のための官報掲載費(約7万円)もかかりません。

7.有限責任である

有限責任とは、会社が倒産した場合などに会社の債権者に対して出資額を限度などとして、責任負うことをいいます。すなわち、負債総額の全額を支払う責任は負わないということです。

この点は株式会社と同じですが、個人事業主と比較するとメリットといえます。

合同会社にはデメリットもある

もちろんメリットだけではなく、以下のような3つのデメリットも存在します。

1.信用度・知名度が低い

一番のデメリットは、株式会社と比較すると合同会社は信用度・知名度が低いという点です。

理由として、合同会社は決算非公開・株主総会非設置のため、取引先から会社について不透明な要素が多いことが挙げられます。このため、相手先によっては取引に制限がある場合があります。

また、求人募集を行う際、株式会社と比較して人が集まりにくい可能性があります。「株式会社の方が安定している」「合同会社は小規模で、株式会社は大規模」というイメージは未だに根強く残っているため、応募者の中には合同会社というだけで避ける人が一定数いるためです。

2.意見の対立が起きるかもしれない

「経営の自由度が高い」というのは、メリットでもあり、デメリットでもあるポイントです。

社員間での立場が同等であるということは、意見の対立が起きると意思決定が困難に陥ることにつながります。対立が起きない対策としては、設立時に社員(出資者)を過度に増やさないことが求められます。

3.代表取締役ではなく代表社員となる 

「社長=代表取締役」というイメージが強いですが、合同会社の場合、社長にあたる人は代表取締役ではなく、「代表社員」と表示しなければなりません。

「代表取締役」とは名乗ることができないため、この点がデメリットに感じる方も中にはいるかもしれません。

合同会社がおすすめな業種

先に述べたメリット・デメリットを踏まえて、以下に当てはまる業種は合同会社に向いているといえるでしょう。

  • 一般消費者をターゲットとする事業(BtoC)
  • 個人の持つ事業アイデアを活かした経営を行いたい場合(元々個人事業だった等)
  • 許認可事業で低コストで法人格を得たい場合
  • FXなどの投資業(従業員を必要としない場合等)

やはり信用度・知名度に関して合同会社は株式会社に劣るため、その影響を受けない業種に関してはおすすめといえます。

例えば、商品名やサービス名を前面に出す場合は、会社名の影響力は少なくなりますので合同会社であるデメリットが薄くなります。

また、一般の消費者の方は企業と比較すると、会社の形態を気にしない人が多いので合同会社の信用度や知名度によるマイナスは微々たるものになります。

そのほか、投資業を行う方が節税目的で法人を設立する場合や、とにかく法人格が欲しい場合などは、設立費用やランニングコストが低く、株式会社と比べて安価に法人格が得られるので合同会社がおすすめです。

合同会社の設立の手順

それでは、具体的な合同会社の設立手順について、ご説明をいたします。

1. 設立項目の決定

まず設立手続きを開始する前に、あらかじめ以下のような、基本的な設立項目について決めるところから始めます。

商号(会社名)

商号は会社名になります。分かりやすく覚えやすい愛着がもてる名前をつけられると良いでしょう。

商号は自由につけることができますが、以下のような制約があるので、その点を踏まえて商号を決めましょう。

  1. 商号(会社名)の中に必ず「株式会社」もしくは「合同会社」を入れる。
     「株式会社」「合同会社」を入れる場所は、商号の前後は問わず、どちらでも問題ありません。
  2. 使用できる文字に制限がある。
  3. 同一の住所に同じ商号(会社名)は使用出来ない。
     バーチャルオフィスなどを拠点とするような場合、同じ住所にたくさんの会社が存在します。その際、同一の商号の会社は存在できませんので、自らがつけたい名前の会社が存在しないかどうか確認が必要です。

また、法律としては定められていませんが、有名企業と同一の商号をつけると不正競争防止法に基づき訴訟が提起される場合があるので避けるのが無難でしょう。

事業目的

事業目的とは、会社設立後に実際に行う事業をいいます。また将来的に行う可能性のある事業も記載しておくと良いでしょう。

後から事業目的を加えることも可能ですが、その場合3万円の費用を法務局にその都度支払わなければならないので、コスト削減のためにも会社設立時点で記載すると良いでしょう。

資本金の額

現在、資本金は最低1円から、会社を設立することが認められています。

資本金とは、出資者がその会社の事業を営むための元手として出資した額をいいます。資本金の額は会社規模にも繋がり、金融機関からの融資額にも影響がありますのでしっかりと考えることが重要です。

また、許認可が必要な事業では認可の要件に、資本金の額が以下のように定められているので注意しましょう。

一般建設業:500万円以上
一般労働者派遣事業:2000万円 ✕ 事業所数

本店所在地

本店所在地とは会社の住所のことで、定款作成や登記申請の際に必要になります。

また登記については、本店のすべての住所を正確に届け出る必要がありますが、定款上は、最小行政区画(「東京都新宿区」「大阪府大阪市」までの行政単位の区画)での記載も認められています。

建物の名称変更や同一行政区内での事務所移転の際に定款を変更する必要がなく、コストも抑えられるので定款上は最小行政区画での記載をおすすめいたします。

社員構成

合同会社の場合、資本金を出す人を「社員」とし、資本金を出した上で、会社の業務を行う社員を「業務執行社員」とします。

2. 定款を作成する

基本的な設立項目を決めたら、定款の作成に移ります。設立項目以外で定款に記載する内容は、以下のとおりです。

  • 社員の責任(社員の全員が有限責任社員であることを必ず記載)
  • 会社の事業年度
  • 損益の分配と分配の割合
  • 最初の事業年度
  • 記名押印

また、定款に関しては、登記の際に法務局に提出する用と、会社保存用をそれぞれ用意しましょう。

3. 登記をする

登記書類を作成し、法務局で登記を行います。法務局で書類申請を行なった日が会社の設立日となります。登記の際に必要となる書類は以下のとおりです。

  • 合同会社設立登記申請書
  • 払込証明書(資本金確認のため)
  • 印鑑届出書
  • 代表社員の印鑑証明書
  • 定款2部

4.会社設立後の届出

登記が終わると会社設立自体は完了しますが、設立後に、以下の書類を税務署に提出する必要がありますので忘れないようにしましょう。

  • 法人設立届出書
  • 青色申告の承認申請書
  • 給与支払事務所等の開設届出書
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

また、従業員を雇う予定がある場合には、「労働保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険」に関する書類も提出が必要になります。

おわりに

合同会社がどのようなもので、どんなメリット・デメリットがあるのかについてご理解いただけたでしょうか。

これから始める事業の詳細によってどの会社形態が最適なのか、判断が変わってきますので、今回ご紹介した内容を元に、十分吟味して決定することをおすすめします。

また、実際に設立までに至る手順については、煩雑な手続きが必要になります。自分自身で行えるか不安があったり、ビジネスに集中したいから手続きを代行して欲しいといった場合は、税理士など専門家に会社設立を依頼してみても良いでしょう。

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