フィリピンでの会社設立について
現在、内国法人でオンライン英会話サービスの事業をしています。
フィリピンにいる講師が日本国内の生徒さんに授業を行うサービスになります。
今後、国内とは別にフィリピンに別会社or子会社を設立して新規サービスの展開を予定します。
そこで質問なのですが、フィリピンに別会社or子会社を設立する前に、既存の内国法人で新規サービスを展開して、フィリピンに別会社or子会社を設立した後に、該当の新規サービスを設立した法人に移行することは税務上問題はあるでしょうか。
税理士の回答
フィリピンでの新規サービス展開に際し、既存の日本法人で事業を開始し、その後フィリピンに設立した別会社または子会社に事業を移行することを検討されていますね。このプロセスにおける税務上の留意点を以下にまとめます。
1. 日本法人での事業開始時の留意点
日本法人がフィリピンで事業活動を行う場合、フィリピン国内での恒久的施設(Permanent Establishment, PE)の有無が重要となります。PEが認められると、フィリピンでの所得に対して法人所得税が課される可能性があります。オンライン英会話サービスの場合、フィリピンに物理的な拠点を持たず、講師が独立した契約者として活動する形態であれば、PEと見なされない可能性があります。
2. フィリピン法人設立後の事業移管時の留意点
日本法人からフィリピン法人への事業移管に際しては、以下の税務上のポイントに注意が必要です。
- 移転価格税制の適用
親子会社間での取引価格が適正であることが求められます。特に、事業資産や知的財産の移転時には、第三者間での取引価格(独立企業間価格)での評価が必要となります。
- 譲渡益課税
事業資産の移転に伴い、日本およびフィリピン双方で譲渡益に対する課税が発生する可能性があります。この際、日比租税条約の適用により二重課税の回避が図られますが、適切な手続きが必要です。
- 付加価値税(VAT)
フィリピンでは、特定のサービス提供や資産譲渡に対してVATが課される場合があります。事業移管時の取引がVATの対象となるかを確認することが重要です。
3. その他の留意点
- ライセンスや許認可の取得: フィリピンでの事業運営には、現地の規制に基づく各種許認可の取得が必要です。会社設立後、速やかに必要な手続きを行うことが求められます。
- 資本金要件: 外資系企業としてフィリピンに法人を設立する場合、業種や事業内容に応じて最低資本金の要件があります。特に、100%外資の企業を設立する場合、最低資本金が200,000ドル以上必要となるケースがあります。
以上の点を踏まえ、事業展開前に日本およびフィリピン双方の税務専門家に相談し、適切な手続きを行うことを強くおすすめします。
本投稿は、2024年11月11日 14時24分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。