会社設立について
起業をしようと思っています。
3人で会社設立の場合は個人事業主として開業するのか、法人で最初から設立するのかどちらが得でしょうか。
また、経費の繰越について、個人は3年、法人は10年などありますが、この場合の双方のメリット・デメリットを教えて頂けると幸いです。
その場合青色申告や白色申告の適正も知りたいです。
宜しくお願い致します。
税理士の回答

米森まつ美
回答します
個人事業とされるか法人事業の損得は一概に言えません。
ただし、売上や収益が大きく見込める場合等、大きな事業を計画されている方は、法人を設立される方が多いと思われます。
【開廃業】
個人事業は、開・廃業の手続きが簡易で費用も少なくなります。
法人事業は、登記などの手続きや費用が掛かります。
【信用度】
対外的な信用度は、個人より法人の方が高いため、金融機関からの借入は個人よりも法人の方がしやすくなります。
【事業主の報酬】
事業主の報酬は個人だと経費になりませんが、法人だと役員又は従業員の給与・報酬として経費になります。(給与にかかる所得税等は別途課税になります)
【経理・決算・申告】
経理と決算は、個人は法人に比べて簡易であり、法人はやや複雑になります。
なお、個人の場合は利益が生じない場合は、住民税などは課税されませんが、法人の場合は赤字であっても「法人住民税・都道府県民税」等の納税義務が生じます。
【青色・白色】
個人・法人いずれの場合も、白色申告であっても青色申告であっても、記帳義務はあり、赤字の場合の繰越もできるため、青色申告の方が「節税」になります。
個人・法人の赤字(青色損失・青色欠損)の繰越は、ご理解の年数となります。経費の繰越ではなく、赤字の繰越となり、青色申告でなければ繰越はできません。
メリットこそあれデメリットがあるとは思いませんが、個人の場合は年数が少ないことがデメリットかもしれません。
ただし、個人の場合は、別に給与などの所得があればその所得金額から控除(損益通算)できます。
法人の場合は、青色欠損金として10年間繰越せますので、事業が順調に収益を上げた場合、その欠損金を控除できますので節税効果は高いと思います。
また、個人の青色申告の場合は、利益が生じた場合、青色申告特別控除額が10,55,65万円のいずれかを受けることができますので、青色を選択されたほうがより節税効果は見込めると思います。
【その他 共同事業に関して】
法人の場合は、共同事業を行うとして互いに出資し、その出資の持ち分により権利・義務が生じ、利益は「配当」という形で配分されます。(役員報酬ば別)
個人の場合は、「民法上の組合」とするのか、誰か1名を事業主にすして他の者を従業員とするのかにより、難しさは異なります。
民法上の組合の場合は、その利益の配分や責任の所在などをしっかり契約等で定めない場合、後々のトラブルの元になりますのでご注意ください。
なお、民法上の組合の場合は、法人と同様の決算を組んだうえで、収入・費用(利益)を配分することをお勧めしています。
誰か1名を事業主とした場合は、「共同事業」としての感覚が鈍る可能性があります。
参考にしてください。
大変わかりやすい返答ありがとうございます。
とても参考になります!

米森まつ美
ベストアンサーをありがとうございます。
「共同事業」の際には、友人同士の場合口約束が多く、後でトラブルになるケースがあります。
より良い方法をご検討ください。
本投稿は、2021年08月04日 15時31分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。