事業所得、雑所得について
副業として、ライター業務、カウンセリング・相談業務、講師業務等を行っています。現在3年目です。
今年度は副業の収入が給与収入の10%を超える見込みです。
この場合、事業所得して青色申告することは可能なのでしょうか?
青色申告にする場合は、帳簿等については揃える予定です。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答

大中信哉
事業所得と雑所得の区分について
事業所得と雑所得を区別する際の判断基準についてご説明いたします。
記帳・帳簿書類の保存と収入金額による判断
所得を得るための活動が事業として認められるかどうかは、主に記帳・帳簿書類の保存と収入金額によって判断されます。
記帳・帳簿書類を保存している場合
原則として事業所得に区分されます。
記帳・帳簿書類を保存していない場合
収入金額が300万円を超える場合
その活動が社会通念上事業と称するに至る程度のものか否かを個別に判断することになります。
収入金額が300万円以下の場合
原則として業務に係る雑所得に区分されます。
副業の収入に関する留意点
特に副業による収入がある場合について、以前は給与収入の10%という基準も議論されましたが、現在の運用では以下の点が重要視されています。
副業の収入が300万円以下である場合、その所得区分は帳簿書類の保存の有無が重要な判断基準となります。
帳簿書類を保存していれば、原則として事業所得となります。
帳簿書類の保存がなければ、原則として業務に係る雑所得となります。
(注)上記の判断基準は、2022年(令和4年)分の確定申告から適用されています。ただし、帳簿書類を保存している場合でも、収入金額が極めて僅少(例:概ね3年間、300万円以下で主たる収入の10%未満)であるなど、活動に営利性が認められない場合は個別の判断が必要となる場合があります。

増井誠剛
副業収入が給与収入の一定割合を超えるか否かは、青色申告の可否そのものには直接関係しません。重要なのは、その副業が継続性・独立性を備え、事業としての実態を有しているかどうかです。ライター業務やカウンセリング、講師業務はいずれも事業性を認められやすい業種であり、帳簿を整備し、収支を明確に管理しているのであれば、事業所得として青色申告を行うことは可能です。青色申告を選択する場合、複式簿記による記帳や帳簿書類の保存義務が生じますが、その代わりに最大65万円の特別控除や赤字の繰越控除などのメリットを享受できます。従って、実態に基づいた記録管理を徹底し、開業届と青色申告承認申請書を税務署に提出することが次のステップとなります。
本投稿は、2025年09月28日 15時51分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。