海外居住でフリーランスとして働く場合は、日本へ開業届けを出す必要はございますか?
          【ご相談内容】
海外で会社員として働いておりましたが、
ライフイベントの関係で別の国に移住することになりました。
タイ→ベトナム
しかし前職場の取引先と御縁をいただき、(日本企業)
業務委託(個人事業)として取引先のお仕事を請け負う事ができました。
(業務委託報酬は私の日本銀行口座に振り込み)
そこで、1点確認なのですが居住先の国で会社経営している経営者から以下のようなお話をしていただきました。
「海外で個人事業主として活動する場合、日本で確定申告する際に、
居住国に納税している旨を知らせる必要があるため、
日本で個人事業の開業届けを提出する必要がある。」
日本の銀行口座で報酬をいただく場合は日本での開業届け、
及び確定申告は必要になりますでしょうか?
お話される方も、少し自身無いけど・・・と前置きをしていたので、念の為確認したくご相談させていただきました。乱文で大変恐縮ですが、ご回答いただけますと幸いです。
【以下、私の状況】
・海外在住期間2年目
・日本での住民票は2年前に抜いている
・業務委託元は日本企業
・振込先は私名義の日本の銀行
・業務する場所(要は事務所)は居住先国の私の配偶者の一軒家
・納税は居住先の国で所得税など支払い
・タイ→ベトナムへ移動は今月末予定で、業務は6月から開始予定
以上でございます。
もし、情報足らないなどございましたら追記させていただきます。        
税理士の回答
    
    
  
                        回答します
  日本の非居住者の方が、日本の銀行口座に報酬の入金を受けることのみをもって、日本に開業届出書の提出や確定申告の義務を有することはありません。
  また、貴方は既に日本の「非居住者」であり、日本の企業との契約(仕事)をすることを持って日本の「居住者」に該当することはなりません。
  非居住者に対する日本での課税は「国内源泉所得」に該当する場合に限って対象になります。
  その国内源泉所得のうち、「確定申告(総合課税)」が必要なケースは、貴方が日本に「支店などのPEを有している」場合や「日本の不動産収入(譲渡・賃貸)」「人的役務の提供事業(人の派遣など)」など一部の所得となります。
  貴方が日本の企業から受ける報酬はそれらに該当するのでしょうか。
  参考に国税庁HPから「源泉徴収のあらまし」を添付します。
  7枚目に、どのような国内源泉所得に、どのような課税方法(源泉分離、源泉の上総合課税(確定申告)、総合課税)があるか一覧表があります。
  貴方の日本からの報酬がどの国内源泉所得に該当するのかご確認ください。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2021/pdf/12.pdf
  
  そのため、「海外で個人事業者で開業する場合、日本で確定申告する場合・・・日本に開業届出書の提出が必要」という経営者の方のお話はよく分かりません。
  確定申告を要する国内源泉所得に該当する所得がある場合は、開業届出書等は必要になると思いますが、まずは貴方の所得が日本で確定申告を必要とする所得であるかご確認ください。
  なお、確定申告義務はない場合であっても、日本の企業から受ける貴方の所得が、著作権等の使用料に該当する場合は日本で所得税を納税(源泉分離課税)することになります
  なお、報酬の支払者を通じて、報酬の支払の前に「租税条約の届出書」を提出することにより10%に税率が軽減されます。(「租税条約の届出書」の提出がない場合は20.42%)
                      
米森 様
ご丁寧に国税庁の参考資料までご提示いただきまして、ありがとうございます。
「支店などのPEを有している」場合や「日本の不動産収入(譲渡・賃貸)」「人的役務の提供事業(人の派遣など)」など一部の所得となります。
→こちらにつきましては、いずれも該当いたしません。
著作権等の使用料に該当する場合は日本で所得税を納税(源泉分離課税)することになります
→業種として著作権が絡んでくる事もございません。
報酬の支払者を通じて、報酬の支払の前に「租税条約の届出書」を提出することにより10%に税率が軽減されます。(「租税条約の届出書」の提出がない場合は20.42%)
→こちらにつきましては、今後は仕事の幅を増やして行きたいと考えておりますので、
非常に有益な情報です。ありがとうございます。
知人の経営者からは日本の銀行で報酬を受取る=日本で確定申告が必要。
という事を教えていただけましたが、私も海外移住後の税金トラブルが非常に怖いため、
複数の税務署(1ヶ所だけの確認ですと、職員の案内ミスのリスクもあるため・・)へ連絡させていただきましたが、
税務署の方の案内と異なる点が多く、確認のため、この場をお借りしてご相談させていただきました。
本当にありがとうございました。
しかし、税金についての法律はある程度流動的に変化するかと思いますので、
引き続き税金についてのアンテナは立て続け、トラブル無く業務に従事出来たらと考えております。
この度のご回答に対して、重ねて御礼申し上げます。
    
    
  
                        ベストアンサーをありがとうございます。また、ご丁寧な御礼痛み入ります。
> 私も海外移住後の税金トラブルが非常に怖いため、
   複数の税務署へ連絡させていただきましたが、
   税務署の方の案内と異なる点が多く
⇒ お恥ずかしい限りで申し訳ございません。
  国税OG税理士としてお詫び申し上げます。
  正直なお話として
  非居住者関係については、東京国税局内でも数所の部署(税務署)でないかぎり、携わることが少ないため知識が不十分な職員が多くご迷惑をお掛けしまています。
  現在国税の税務相談に関しては、「一般的な質問」は電話相談室=国税庁相談室が承っており、具体的な個別相談を所轄税務署が「事前予約」により受けている体制を取っております。
  とわいえ、税務署でもお電話を頂いたり来署された方に対しては相談も受けているのが実態です。
  そのうえで、東京国税局管内の一部の税務署以外では、非居住者の質問は少なく、様々な状況に対する判断をできる職員は残念ながら少ないのが実情です。
 外国関連の課税に関しては(源泉所得税が中心にはなりますが)
  第1に「居住者・非居住者」の判断をして・・・「住所の推定」
  第2に、当該非居住者が、日本にPEを有しているか否かを確認し
  第3に、その所得は所得税法161条に規定する「国内源泉所得」に該当するか否かを確認します。
  第4に、非居住者の居住国と「租税条約」を締結しているか否かを確認し
  第5に、租税条約を締結していない場合は
      国内法としての課税の取扱いに確認します。
      租税条約を締結している場合には
      条約上の取扱いはどのようになっているかを確認するなどします。
     なお、租税条約の検討の際には、
     国内源泉書所得に該当し、条約上「軽減・免税」に該当する場合の手続きを確認する必要があります。
    このような手順で進めていかれればよろしいかと思いますので参考にしてください
                    
米森 様 
無料相談の段階であるにもかかわらず、確認手順までご教示くださり、ありがとうございます。
また、私の文章の書き方がわかりづらく申し訳ありません。
税務署の方々はいずれも、皆さん同じご意見をいただきました。
食い違いのありましたのは、知り合いの経営者の方のご意見でございます。
皆さん、どこの税務署に連絡しても同じ認識を持たれておりました。
ただ、税金については一つ間違うと無自覚で脱税してしまう・・・という重いリスクを背負いたくないため、複数税務署に確認させていただいた次第でございます。
あとは、一筋縄では行かないのは居住先国の税金についての確認のみです。
共産国なのであまり、対応は良くないイメージです・・
この度はご丁寧な回答をいただきまして、ありがとうございました。
    
    
  
                      >税務署の方々はいずれも、皆さん同じご意見をいただきました。
 ⇒ わざわざありがとうございます。
   OGとして安心しました。
   共産圏の場合は・・・・国の方針で昨日までの常識・方針が突然変わったりと、色々大変だと聞いています。
   信頼のおける方に確認されながら、勧められることをお勧めいたします。頑張ってください。                    
本投稿は、2023年04月08日 18時13分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。
                          
                          
                          
                          
                          
                          
                          
                          
      






