扶養内主婦、無職で雑所得のみの場合の所得の壁について教えてください
会社員の夫の給料の合計所得が1,000万円(年収で言えば1,195万円)を超えて配偶者特別控除が受けられない場合ですが、扶養内でありたい、無職の妻が国内FX(雑所得)のみで収入を得ている場合、48万未満に抑えれば確定申告不要、48万以上130万未満であれば確定申告が必要で、妻が納める税金は48万を超えた部分の20.315%という認識で合っていますか?妻が48万円以上の雑所得で確定申告をした場合、夫が配偶者特別控除(13~38万円)を受けられない、という以外にデメリットはありますか?例えば更に夫が払う税金が増えてしまうとか。それがあるのであれば妻の所得を48万未満に抑えたいと思っています。それと、夫も同じくFXでの雑所得が20万を超えている為に確定申告をしますが、給与での所得が配偶者特別控除が受けられるギリギリライン(年収1190万)だった場合、FXの所得もプラスされて配偶者特別控除が受けられなくなるのでしょうか。
税理士の回答

石割由紀人
ご質問ありがとうございます。扶養内での収入や税金に関するお悩みについて、以下の点を整理してご説明いたします。
1. 妻の雑所得が48万円未満の場合
- 確定申告の必要性: 雑所得が48万円未満であれば、基礎控除の範囲内となり、所得税は課されません。そのため、他に所得がなければ確定申告は不要です。
- 夫の配偶者控除: 妻の合計所得金額が48万円以下であれば、夫は配偶者控除(38万円)を受けることができます。
2. 妻の雑所得が48万円以上130万円未満の場合
- 確定申告の必要性: 雑所得が48万円を超えると、所得税の課税対象となるため、確定申告が必要です。
- 妻の納める税金: 雑所得から基礎控除48万円を差し引いた金額に対して、所得税および住民税が課されます。所得税の税率は5%から始まり、住民税は一律10%です。また、復興特別所得税として所得税額の2.1%が加算されます。したがって、合計で約15.105%の税率が適用されます。
- 夫の配偶者特別控除: 妻の合計所得金額が48万円を超えると、夫は配偶者控除を受けられませんが、配偶者特別控除の対象となります。ただし、夫の合計所得金額が1,000万円を超える場合、配偶者特別控除は適用されません。
3. 妻の所得が48万円以上の場合のデメリット
- 夫の税負担増加: 妻の所得が48万円を超えると、夫は配偶者控除を受けられず、結果として夫の課税所得が増加し、税負担が増える可能性があります。
- 社会保険の扶養: 妻の年間収入が130万円以上になると、社会保険上の扶養から外れる可能性があります。その場合、妻自身が国民健康保険や国民年金に加入し、保険料を負担する必要があります。
4. 夫のFXによる雑所得と配偶者特別控除の関係
- 夫の合計所得金額: 夫がFX取引で得た雑所得は、合計所得金額に含まれます。そのため、給与所得とFXによる雑所得の合計が1,000万円を超えると、配偶者特別控除を受けることができません。
まとめ
- 妻の雑所得が48万円未満であれば、夫は配偶者控除を受けられ、妻の確定申告も不要です。
- 妻の雑所得が48万円以上になると、妻自身の税負担が発生し、夫の税負担も増加する可能性があります。
- 夫の合計所得金額が1,000万円を超えると、配偶者特別控除は適用されません。
ご回答ありがとうございます。
詳しく書いていただき、ほぼ理解できたと思います。ありがとうございます。
夫の雑所得も含めての配偶者特別控除の判定になるとのことで承知したのですが、夫の雑所得が20万円未満の場合は確定申告不要との認識があります。もし給料所得が995万円で雑所得が15万円だった場合には実際の所得は1000万を超えてしまいますが、確定申告をしなければ配偶者特別控除は対象になるのでしょうか。
また、同時に医療費控除で確定申告はしなければならないのですが、その際に夫の所得が20万未満でも記入は必須ですか?
重ねての質問で申し訳ありませんがご回答いただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。

石割由紀人
ご質問ありがとうございます!以下、順を追ってご説明します。
1. 配偶者特別控除と雑所得20万円未満の場合
雑所得20万円未満の確定申告不要の原則
- 給与所得がある場合、雑所得が20万円未満であれば原則として確定申告は不要です(所得税法第120条)。
- ただし、配偶者特別控除の判定基準は「実際の合計所得金額(給与所得+雑所得+その他の所得)」に基づきます。
- そのため、仮に確定申告をしなかった場合でも、雑所得が含まれる形で夫の所得が計算され、1,000万円を超えた時点で配偶者特別控除は適用されなくなります。
2. 医療費控除で確定申告をする場合
- 雑所得の記載について
- 医療費控除で確定申告を行う際は、すべての所得を正確に申告する義務があります。
- 雑所得が20万円未満で確定申告が不要な場合でも、確定申告書の「収入」欄に雑所得を含める必要があります。
- 医療費控除を申請することで「確定申告」を行う以上、夫の雑所得15万円も記載され、結果として「合計所得金額」に含まれるため、配偶者特別控除の判定基準に影響します。
3. 具体的なケース(例)
- 夫の収入内訳
- 給与所得:995万円(控除後の所得)
- 雑所得:15万円
- 合計所得:995万円+15万円=1,010万円
- 結果
- 1,010万円となるため、配偶者特別控除は適用外となります。
- ポイント
- 医療費控除のために確定申告を行う場合、雑所得が少額(20万円未満)であっても申告が必須となり、合計所得金額に影響を及ぼします。
4. 配偶者特別控除を維持したい場合の注意点
- 雑所得を発生させない方法を検討
- 夫の雑所得を発生させない(不要な収益を得ない)よう工夫するのが最も確実です。
- 雑所得が0円であれば、給与所得のみの金額(995万円)となり、配偶者特別控除の対象となります。
知りたかったことが解決しました。ご回答ありがとうございました。とても丁寧で分かりやすかったです。
本投稿は、2024年11月25日 08時39分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。