報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書について
少人数の会社におり、年末調整を担当することになりました。
従業員等の年末調整は国税庁の計算シートを用いて行えたのですが、支払調書の作成について全くの無知で、国税庁のホームページ等を確認しても理解できず、ここでご相談させていただくことにいたしました。
税理士事務所(法人)に毎月の顧問料や決算時等に伴う料金を支払っています。源泉徴収を行っていません。支払調書の作成は必要と考えれば良いでしょうか。
会社で請け負った業務(清掃等)を人手が必要な時にその都度社外の方々に手伝っていただいて、お支払いをしています。(お支払い時に源泉徴収を行っていません。)
この時、支払調書の作成は必要でしょうか。
何年も前の年末調整時に「20万円以上は報告が必要」のようなことを耳にしたことがあるのですが、上記の場合で支払調書の作成をしなければならない時は、「5万円以上」の支払いがあったときでしょうか。また、個人事業主かどうか等は関係しますか。
何卒よろしくお願いいたします。
税理士の回答

石割由紀人
はい、ご質問ありがとうございます。年末調整業務、お疲れ様です。支払調書の作成について、ご不明な点があるとのこと、承知いたしました。税理士として、ご質問内容について、詳しくご説明させていただきます。
まず、報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書(以下、支払調書)は、所得税法に基づき、特定の支払いを行った者が、その支払内容を税務署に報告するために作成する書類です。支払調書の作成が必要かどうかは、支払いの内容、支払先、金額などによって判断する必要があります。
ご質問のケースについて、それぞれ確認していきましょう。
1. 税理士事務所(法人)への顧問料・料金の支払い
原則として、支払調書の作成は不要です。
税理士事務所は、一般的に法人であり、法人に対する支払いについては、所得税法上の源泉徴収義務がないため、支払調書の作成も原則として不要です。
ただし、税理士事務所が個人事業主である場合は、後述する個人に対する支払いと同様の扱いになります。
2. 社外の方への業務委託費(清掃等)の支払い
原則として、支払調書の作成が必要です。
個人に対して、業務委託費(清掃等)を支払う場合、その支払いが所得税法上の「報酬・料金」に該当し、源泉徴収の対象となることがあります。
源泉徴収の対象となる報酬・料金を支払った場合、支払調書の作成が必要になります。
支払調書の作成が必要となる金額は、同一人に対する年間の支払金額の合計が5万円を超える場合です。
この5万円の基準は、支払先が個人事業主であるかどうかにかかわらず適用されます。
支払調書には、支払先の氏名・住所、支払金額、源泉徴収税額などを記載する必要があります。
3. 「20万円以上は報告が必要」という情報について
過去に「20万円以上は報告が必要」という情報をお聞きになったとのことですが、これはおそらく、所得税法上の「給与所得」に関する情報と混同された可能性があります。
給与所得の場合、年末調整の対象となる従業員に対して、年間の給与支払額が20万円を超える場合は、給与所得の源泉徴収票を税務署に提出する必要があります。
しかし、今回のケースは、給与所得ではなく、報酬・料金に関するものですので、5万円という基準が適用されます。
4. 個人事業主かどうかについて
支払調書の作成が必要かどうかを判断する上で、支払先が個人事業主であるかどうかは、直接的な判断基準ではありません。
重要なのは、支払いの内容が所得税法上の「報酬・料金」に該当するかどうか、そして、同一人に対する年間の支払金額が5万円を超えるかどうかです。
個人事業主であっても、法人であっても、支払いの内容が「報酬・料金」に該当し、支払金額が5万円を超える場合は、支払調書の作成が必要になります。
この度は大変詳しく丁寧にご回答いただきまして、誠にありがとうございます。
明後日1/31の提出期限に間に合うよう頑張りたいと思います。
この度は本当にありがとうございました。
本投稿は、2025年01月22日 11時06分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。