青色申告時の事業所得と給与所得の損益通算について
現在、給与所得を得ながらWEB制作の事業立ち上げを模索しています。
近年は特にWEB制作の収益化は難しく、向こう数年は赤字が続きそうです。
黒字化の目途も立っていません。
すでに開業届は提出しているので、次回の確定申告時に青色申告をする予定です。
現状、事業の方は赤字なので給与所得と損益通算をする予定です。
ただ「給与収入を事業収入の赤字と損益通算しての節税」というのは、一昔前にネットの一部で流行していた脱税の方法なので、青色申告での損益通算を躊躇しています。
そこで質問なのですが、給与収入と事業収入の損益通算はどのような場合に、税務署から妥当とみなされるのでしょうか?
ちなみに当方の現状ですが、
・事業収入は赤字で主な収入は給与収入
・就業時間(作業時間)に関しては事業の方が圧倒的に多いです。ファイルの保存ログやファイルのアップロードログなどで、作業量や時間などをある程度客観的データに基づいて証明は可能。すでに数年間続けています。
・事業収入は現状ゼロ。ただし最低限の収益化については数年後にはできる模様。制作コンテンツや利用サービスなどで収益化を目指している意図についてもある程度証明は可能です。
上記のような場合の、事業収入と給与収入の損益通算は可能でしょうか?
何年も事業収入と給与収入の損益通算を続けていると税務署からあらぬ指摘を受けてしまいそうで不安です。
事業については節税目的ではじめたものではなく、上述のように数年分の反復した作業をある程度客観的データーに基づいて証明はできるのですが、現状に収入につながっていないので「それは事業ではなく趣味」と判断されてしまうのではと危惧しています。
税理士の回答

三嶋政美
青色申告による給与所得と事業所得の損益通算は、事業の実態が認められる限り、合法かつ適正な手続きです。
ただし、税務署が問題視するのは、収益が恒常的に発生せず、営利性や継続性が乏しいと判断されるケースです。ご提示いただいたように、実際に相当の作業時間を費やし、作業記録や進捗を客観的に示すことが可能であれば、営利を目的とした事業として認定される可能性が高いと考えられます。
なお、赤字が数年にわたって継続する場合は、「事業性が乏しい」として否認されるリスクも否定できません。そのため、収益化に向けた計画や投資の意図、業界の特性などを文書等で明確にし、必要に応じて説明可能な状態を整えておくことが望ましいです。
本投稿は、2025年05月08日 10時20分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。