所得区分と確定申告書の記載について
不動産収入について、事業的規模であれば事業所得、そうでなければ不動産所得または雑所得かと思います。
一方、所得税の確定申告書第一表の区分では「事業」と「不動産」と「雑」と区分されていて、確定申告書作成コーナーのサイトで申告書を作成すると、事業規模に関する選択肢はなく、不動産所得は一律「不動産」に表示されます。
①事業規模であれば「事業」の「営業等」に区分されるべきではないのでしょうか。
単に、申告書の記載上はそうなっていると理解しておけばよいのでしょうか。
また、確定申告書では「事業」の内訳として「営業等」と「農業」に区分されているのですが、②農業所得だけを事業所得の中で区別する理由は何かあるのでしょうか。
③「農業」の規模が大きくない場合(家庭菜園程度の規模で青果市場に出荷している、惣菜店を営んでいて自宅畑の作物を店で販売している、など)、主たる事業の売上や経費に合算して「営業等」として申告しても問題ないでしょうか。(決算書も農業用は使用しないで一般用に含めて作成するということです)
以上、3点ご教示をお願いします。
税理士の回答
① 事業的規模の不動産所得の区分について
「不動産」の区分に表示されるのが正解です。
不動産収入は、規模が「事業的規模(5棟10室基準など)」であっても、所得の種類としては「不動産所得」に分類されます。
所得税法上、事業所得(営業等)と不動産所得は明確に区別されており、事業的規模かどうかは「青色申告特別控除の額(最大65万円)」や「専従者給与の適用の可否」といった計算上の取り扱いに影響するもので、申告書第一表の表示箇所が変わるわけではありません。
② 農業所得を「営業等」と区別する理由
過去の経緯や、地方税(事業税)の課税区分や、統計上の要件、家事消費の特殊性などが主な理由です。
事業所得は、事業の収入からかかった経費を控除して計算しますが、過去には耕作面積で所得金額を計算していた時代がありました。また、事業が発生主義なのに対し、農業は収穫基準で計算されるなど、その計算方法や経費の取扱いが異なる部分が多々あります。更に、個人事業税において、農業は原則として非課税業種(あるいは区分が異なる)とされているため、地方自治体が税額計算を行う際に判別しやすくする必要があります。
また、農政上の統計資料として活用するため、一般的な商業や工業と区分して集計されています。このような理由から、同じ事業所得でも営業と農業に分かれています。
③ 小規模な農業所得を「営業等」に合算しても問題ないか
農業を事業として営んでいる場合は、金額の大小にかかわらず農業所得として区分するのが原則です。農業所得用の決算書を使わず一般用に合算すると、上記の計算方法の相違に対応できなかったり、地方税(事業税)の計算で本来非課税になるはずの農業収入に課税されてしまうといった不利益が生じる可能性があります。
出荷が一時的で「事業(反復・継続)」といえない規模(家庭菜園の余剰分など)であれば、そもそも事業所得(農業)ではなく「雑所得」に該当します。惣菜店のように本業と密接に関連している場合は、税務署への事前確認、または適切な決算書の利用が推奨されます。
詳細で明快なご回答をいただきましてありがとうございます。大変よくわかりました。
参考になれば幸いです。よろしくお願いいたします。
本投稿は、2026年01月11日 22時21分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






