公務員がキャンペーン特典を受け取れるか
金融機関のキャンペーンを公務員が受け取ることについて。
金融機関で、口座開設に伴いQUOカードなどの金券がプレゼントされるキャンペーンを行なっている場合、
公務員も受け取ることができるのでしょうか。
その際、確定申告などは必要なのでしょうか。
税理士の回答
こんにちは。なおみ税理士事務所(埼玉県志木市)です。
所得税・消費税専門の税理士事務所です。元国家公務員です。
※ 質問には公務員と書いていますが、国家公務員を前提として回答します。
(なお、この場は税務に対する回答の場です。公務員法や人事院規則などは範疇外です。そのため、一般的にはこのような考え方をする、ということを念頭に読んでいただければ幸いです。)
【回答1】(公務員が金券を受け取れるかについて)
その金融機関があなたの職務上の 「利害関係者」 なら、QUOカード等の受領は原則受け取れません。
「利害関係者」でなく、一般消費者向けに広く実施される通常の口座開設キャンペーンなら、直ちに違反とはいいにくいです。
ただし、国家公務員倫理規程5条の範囲で、特別扱い・高額性・不相当 性がないことが必要です(一般的なキャンペーンなら大丈夫だと思いますが)。
【回答1の根拠】
●基本原則
国家公務員倫理法3条は、職員は、法律により与えられた権限の行使に当たり、その対象者から贈与等を受けることなど、国民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならないと定めています。
あわせて、一般的な服務規律として、国家公務員法99条(信用失墜行為の禁止)もあり、倫理法令違反がここにもつながり得ます。
●具体的禁止行為
具体的な禁止行為は、国家公務員倫理規程3条1項一号です。
ここでは、利害関係者から金銭、物品又は不動産の贈与を受けることが禁止されています。
したがって、QUOカードや商品券のような金券は、実務上は物品または財産的利益として扱われる方向で考えるのが安全です。少なくとも、人事院が、許される例外として挙げられているのは、社名入りカレンダー、クリアファイル、ポケットティッシュ、記念ボールペン等であり、QUOカードのような換金性の高い金券は、その例示に含まれていません。
●「利害関係者」とは何か
国家公務員倫理規程2条が利害関係者を定めています。
人事院のQ&Aなどをご覧いただければわかりますが、典型例として、許認可等の申請者・被許認可者、補助金等の交付申請者・受給者、立入検査や監査の対象者、行政指導の相手方、契約の申込者・契約関係者、所管業界の事業者などが説明されています。
たとえば、その銀行・信用金庫・証券会社が、あなたの担当する検査監督、許認可、補助金、契約、政策調整、所管業界対応の相手方なら、その金融機関は利害関係者になり得ます。
●例外はあるか
例外は国家公務員倫理規程3条2項1号です。
ここでは、「宣伝用物品又は記念品であって広く一般に配布するためのもの」は例外とされています。
この例外の趣旨は、広く一般に配られることで特別な関係と見られにくいからだとされ、さらに、「宣伝用物品・記念品」に当たるには、宣伝用物品または記念品としての外形があること、記念品なら配布事由に記念性があることなどが必要とされています。
この整理からすると、QUOカード等の金券は、通常はこの例外に入りにくいと見るのが妥当です。少なくとも、金券を「広く一般に配布する宣伝用物品・記念品」と当然に扱う根拠は見当たりません。
一般的には、このように考えられるのかと思います。
【回答2】(確定申告は必要か)
・原則として必要ありません。
【回答2の根拠・理由】
金融機関からキャンペーンの一環として金券を受領した場合、所得税法上、一時所得とされます(所得税基本通達34-1)。
一時所得は、50万円の特別控除があるため、その範囲内であれば計算上は所得がゼロとされます(所得税法34条2項、3項)。
したがって、確定申告は不要であるという結論になります。
本投稿は、2026年04月05日 21時22分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







