立退料を年末調整の所得に入力する際の注意点について
母が住んでいるアパート(賃貸借)の大家が雇った弁護士から、私(賃貸借の契約者)に封書が届き、「次の更新はしないで出ていってほしい」と書かれていました。
私も弁護士を雇い、立退料を私が受取(私が賃貸借も弁護士契約も契約者)、退去(実際に退去するのは母)しました。
収入 立退料(450万円)
支出 弁護士費用(160万円)
新居契約費用(28万円)
大型家具引取&引越費用(18万円)
家具購入費用(〜20万円)
収入ー支出で残った金額は、5万円づつ毎月私から母に振り込んでいます。
立退料は、一時所得で合っているでしょうか?
その場合、年末調整で記載する所得金額は、(450万-160万-28万-18万-50万)÷2で合っているでしょうか?
家具の購入費は控除してはいけないんですよね。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
税理士の回答
相談者様の場合の立退料は一時所得になると思います。なお、年末調整で記載する所得金額は、(450万-160万-28万-18万-50万)÷2で合っていると思います。家具の購入費は控除の対象ではないです。
後藤隆一
既にご回答がありますので、計算式以外で注意していただきたい点を補足いたします。
【1】所得区分 居住用アパートの立退料は一時所得に当たるとされています(所得税基本通達34-1(7))。なお、立退料のうち「借家権の消滅の対価」に当たる部分は譲渡所得の収入金額とされる取扱いもあります(同33-6)。賃貸借の経過や合意書の内訳によりますが、実務上は一時所得として扱われることが多いと考えます。
【2】差し引ける費用 一時所得で差し引けるのは「その収入を得るために支出した金額」で、収入を生じた行為をするため、または原因の発生に伴い「直接要した金額」に限られます(所得税法34条2項)。 ・弁護士費用(160万円)は立退料を得るための交渉費用ですので、差し引けると考えられます。ただし、立退き交渉以外の業務分が含まれていれば按分が必要です。 ・新居の契約費用(28万円)は新しい住まいを得るための支出で、「直接要した金額」に当たらず差し引けない可能性が高いと考えます。 ・引越費用・大型家具引取費用(18万円)は、合意書での費用負担の定めや立退料の算定根拠次第で、認められない場合があります。 ・家具の購入費は生活上の支出ですので、ご認識のとおり差し引けません。
弁護士費用のみ差し引く場合(保守的な計算) 450万円-160万円-特別控除50万円=240万円(一時所得の金額) 総所得金額に算入されるのはその2分の1の120万円です(所得税法22条2項2号)。 引越費用等も認められた場合 450万円-(160万円+28万円+18万円)-50万円=194万円、2分の1で97万円です。
【3】年末調整と確定申告 ご質問の式の形(収入-支出-50万円)×1/2は一時所得の計算として合っています。ただし、差し引く費用の範囲が争点です。 基礎控除申告書の「給与所得以外の所得の合計額」欄は、合計所得金額を求めて基礎控除や配偶者控除などを判定するための欄で、記入方法は申告書の記載要領でご確認ください。令和8年分は合計所得金額に応じて基礎控除額が変わるため、正確な記入が必要です。なお、この欄に記入しても一時所得に対する所得税は年末調整では精算されません。 給与が1か所のみの方でも、給与以外の所得が20万円を超えると確定申告が必要です(所得税法121条1項1号)。この20万円は2分の1する前の一時所得の金額(本件では240万円または194万円)で判定しますので、確定申告が必要です。申告期間は例年2月16日から3月15日まで(令和8年分は令和9年)で、源泉徴収票をもとに給与と一時所得を合わせて申告してください。
【4】お母様への送金 賃貸借契約も弁護士契約もご相談者様名義で、立退料を受け取ったのもご相談者様ですので、課税されるのはご相談者様です(お母様の所得にはなりません)。 お母様への毎月5万円は、親子という扶養義務者間で生活費として必要な都度渡すものであれば、贈与税は課されません(相続税法21条の3第1項2号)。お母様の収入状況や生活実態にもよりますが、まとめて渡したり、渡したお金が預貯金として残ったりした場合は非課税の対象外とされます(相続税法基本通達21の3-5)。現在の毎月の送金の形を続けるのが無難です。
立退料は合意書の内訳により、借家権の対価なら譲渡所得、それ以外は一時所得などに区分して検討します。一時所得の場合も、差し引けるのは収入を得るため直接要した支出で、新居費用や引越費用を当然に全額控除できるとは限りません。名義だけでなく権利関係・実際の負担者を確認し、和解書と費用明細を税理士へ提示してください。年末調整の所得見積欄への記入は控除判定のためで、立退料そのものの税金を年末調整で精算する手続ではない点にも注意が必要と考えられます。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
山本快夫
お世話になります。
ご質問に対する回答)
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■この立退料の所得区分
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質問者さまの前提では、基本的はすべて「一時所得」に該当するものと考えます。
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■課税対象額の計算方法
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一時所得の計算方法となります。
総収入金額450万円 - 収入を得るために支出した金額(下記③参照) - 特別控除額50万円 = 一時所得の金額✕1/2←課税対象
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■引越や新居にかかった経費
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一時所得の計算において控除できる金額として、退去しないと立退料は得られないことから引越費用は対象となるものの、新居の初期費用は「基本的には」対象にはならないと個人的には考えます。税理士によって解釈が異なると理解しています。
「...一時所得に係る収入、支出については、収入を生じた各行為又は各原因ごとに個別的対応的に計算し、その反面、収入を生じない行為又は原因に係る支出は控除項目から除外することにあると解される。..」(平成22年2月19日裁決)
そのため、貸主との覚書に、立退料の内訳として、新居の各種初期費用も明記することで、その初期費用分の収入に対応する経費として控除できる余地があるものと個人的には整理しています。(質問者さまの場合はすでに退去済ですが)
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■請求書や領収証などの証憑類
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申告に添付する必要はありませんが、証明・疎明・説明できるように、すべて保存しておくことをおすすめ致します。
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他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。
藤倉真人
お世話になります。
立退料は、原則として一時所得で差し支えありません。ご記載の計算式(特別控除50万円を差し引いて2分の1)も考え方として合っており、家具の購入費用は差し引けません。ただし、一時所得は年末調整では精算されないため、別途確定申告が必要です。年末調整では、基礎控除申告書の「給与所得以外の所得の合計額」欄に、2分の1をした後の見積額を記入します。
借家人が受け取る立退料は、所得税基本通達34-1(7)により一時所得とされています(国税庁タックスアンサーNo.1490)。借家権が消える対価に当たる部分は譲渡所得(同通達33-6)とされますが、居住用アパートでは通常、一時所得として扱われます。また、賃貸借契約者がご相談者様であれば、実際にお住まいだったのがお母様でも、立退料はご相談者様の所得となります。
一時所得から差し引ける支出は、その収入を得るため、または収入が生じた原因に伴って「直接要した金額」に限られます(所得税法34条2項)。
・弁護士費用:立退料を得るための交渉費用として差し引けると考えられます。
・大型家具引取・引越費用:退去に直接伴う費用として差し引く扱いが一般的です。
・新居契約費用:新しい住まいを得るための費用であり、「直接要した」とまでは言いにくいとする見方もあり、敷金・保証金のように退去時に返還されるものは差し引けません。
・家具購入費用:新たな資産の取得で、生活費(家事費)に当たるため差し引けません。
計算すると次のとおりです。
新居契約費用も差し引く場合:(450万円-160万円-28万円-18万円-50万円)×1/2=97万円
新居契約費用を差し引かない場合:(450万円-160万円-18万円-50万円)×1/2=111万円
給与以外の所得が20万円を超えるため、確定申告が必要です(所得税法121条)。また、合計所得金額によって基礎控除額が変わる仕組みがあり、年分によって扱いが異なります。
なお、お母様への毎月5万円の振込が、通常必要な生活費として扶養義務者から仕送りするものであれば、贈与税はかかりません(相続税法21条の3第1項2号)。
皆様、お忙しい中ご回答くださりありがとうございました。
合意書の内容を確認しなければいけないとは思っておりませんでした。
「給与所得以外の所得の合計額」は、令和8年分は合計所得金額に応じて基礎控除額が変わるため正確な記入が必要とありましたが、年末調整の締切までに正確な金額を出すのは難しそうです。
確定申告をするということは、「給与所得以外の所得の合計額」を年末調整の際に間違えてしまっても、確定申告が正しければ問題ないのでしょうか。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
本投稿は、2026年10月31日 20時26分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







