忘れていた減価償却を計上する場合の方法
ご教示よろしくお願いします。
転勤に伴い自宅マンションを貸し出しているのですが、過去3年間、確定申告において減価償却費を計上していませんでした。
今回から定額法で計上したいと思っているのですが、どのような方法が可能でしょうか。
対応としては、以下のパターンを想定しています。
①今回の確定申告は正しく計上し、過去3年分を修正申告
②今回もいったん減価償却せずに確定申告し、4年分を修正申告
③過去分は諦め、今回から前年分12か月分を申告
個人の場合、初年度から強制償却とのことですので、②で纏めて修正申告すべきでしょうか、それとも定額法のため(初年度を除き)償却費は変わらないと思いますから①でも大丈夫でしょうか。
③はそももそしたくないですし、初年度からの強制償却という意味では考え方として間違っているのではと思います。
収支内訳書に記載する前年末未償却残高の額はおそらく毎年変わるでしょうから、やはり②のパターンになるでしょうか。
それとも①で出してから、修正申告で今回分の収支内訳書を修正する、ということも可能でしょうか。
以上、恐れ入りますが、ご教示の程よろしく願いします。
税理士の回答

米津良治
ご質問を拝見して、すばらしいご考察だと感じました。
さて、法的な適切さと手続きの簡便さから言えば、次の段取りで進めるのがよいと思います。
1.過去3年分の修正申告書を提出する
2.今回分の正しい確定申告書を提出する
過去分の修正申告をすることで、青色決算書の「貸借対照表・建物の帳簿価額」及び「減価償却費の明細・未償却残高」の数字(翌年に繰り越す金額)が変わってきますので、古い決算書から順繰りに正しく作り直していく必要がございます。

境内生
過去の申告は未提出という前提で回答いたします。過去3年分は修正申告ではなく期限後申告を行うことになります。おそらく青色申告は提出されていないと思いますので減価償却計算書を適正におこなえば本年度の申告もその続きになりますので通常の申告書作成ができるかと思います。過去の申告書を提出されていましたら手続きは更正の請求になりますので参考まで
ご多忙の折、早速ご教示賜りまして、誠にありがとうございます。
また、お礼の返信が遅くなりました事、お詫び申し上げます。
現状を追記いたしますと、過去、白色申告で確定申告していたものの、減価償却の計上を失念しておりました(従って、過去、多めに税金を納めていたと思われます)。
そこで改めてお聞きしたいのですが、今後の流れとして、
①:「更生の請求」で古い申請分から順番に作成(修正)のうえ、今回は正しい確定申告書を提出する。
となると思いますが、「更生の請求」について
②-1:「更生の請求」は年度毎に作成する必要がある。
②-2:「更生の請求」は過年度分まとめて作成することができる。
のどちらになるでしょうか。
また、「更生の請求」はe-taxで作成・提出することは可能、という認識で問題はないでしょうか。
米津先生からは「すばらしいご考察」というお言葉を頂きましたが、恥ずかしながらこれまで減価償却を失念しており大変恥ずかしく思っております。
お二方の先生からのアドバイスを踏まえ、今後は適切に対応したいと思っております。
引き続きご教示賜りたく、何卒よろしくお願いいたします。

境内生
過年度分は年度ごとの分をまとめて提出することができます。言い換えると
令和1年分、30年分、29年分の3枚の書類を作成し、提出は同時にできます。e-taxについてはおそらくできるかと思います。と言いますのも弊所はTKCソフトで行っていますので皆様のパソコンシステムと異なりますので一度電話で税務署にお尋ねください

米津良治
境内先生のご指摘の通りかと存じます。
更正の請求はこのページを見る限り、web版のe-taxでできるようです。
https://www.keisan.nta.go.jp/r1yokuaru/koseiseikyusho/index.html
先生方、ご教示方、誠にありがとうございます。
光が見えてきました。
お手数ですが、もう1点ご教示いただきたい点がございます。
減価償却にあたり建物価格を算出する必要がありますが、方法の一つとして「固定資産税納税通知書・課税明細書」に記載の「固定資産税評価額」から購入価格の土地と建物の割合を按分する、というものがあるようですが、「~評価額」はどの項目となるか確証が持てません。
(ネットでも調べてみましたが、見つかりませんでした。)
案分のベースとなる金額ですが、明細書には、
○土地
①価格
②固定本則課税標準額
③都計本則課税標準額
④固定課税標準額
⑤都計課税標準額
○家屋
⑥価格
⑦固定課税標準額
⑧都市課税標準額
とございます。
この場合、①土地価格と⑥建物価格の割合から、購入時における建物価格を算出する、という理解でよろしいでしょうか。
また、その場合、小数点以下は切り上げという理解でよろしいでしょうか。
ご多忙の折、誠に恐縮でございますが、ご教示の程よろしくお願いいたします。

境内生
評価額とは上記の価格になります。
按分の方法は原則、時価で行うとされておりますが、時価の概念が明確でないため按分方法として固定資産税評価額で按分する方法もその一つではないかといわれています
申し訳ございません、「時価」について確認させていただきたく存じます。
購入時に作成された「登記権利情報」の中に以下の金額がございます。
①「課税価格」として「建物」と「所有権敷地権」の2つの金額
②「不動産の表示」の中に「(専有部分の建物の)不動産価格」と「(敷地権の)不動産価格」の2つの金額
これのいずれかが先生の仰る「時価」になるのでしょうか。
(①の価格は②の価格の千円未満切り捨てまたは四捨五入となっています。)
何度も申し訳ございません。
ご教示方よろしくお願いいたします。

境内生
その当時の固定資産税評価と考えられますので按分の根拠としてもよいのではないかと考えます
ありがとうございます。購入当時の評価額ということで、より実態に近いと思われますので、こちらを案分の根拠に作成を進めたいと思います。
(割合としては①②共に変わりませんでした。)
本投稿は、2021年03月14日 16時07分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。