事業所得がある場合、確定申告は必ず必要か
個人事業主として事業を行なっていましたが、令和3年の3月末で廃業しました。
1〜3月の事業所得は15万円程度です。
また、業務委託契約先から報酬を振り込まれる際には、毎月10.21%の源泉徴収をされた上で振り込まれております。
よって、確定申告によって追加で税金を納める必要はなく、還付金があるのみです。
令和3年分の事業所得が15万円と少額なこと、そして追加の納税額はなく、還付申告となることを踏まえると、令和3年分は確定申告を行わなくても良いのでしょうか?
(その場合、還付金が受け取れないことは承知しております。)
また給与所得に関しては、4月からは会社員となるため、1〜3月までのアルバイトからの給与所得分と合わせて、4月から勤める会社で年末調整をしてもらおうと思っております。
以上を踏まえた上で、確定申告の必要があるのかご教示いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答

回答します
あなたの所得金額が事業所得だけであれば、還付がないことをご了解の上で、所得税の確定申告義務はありません。
なおその場合であっても、住民税の申告義務は残ります。
ただし、事業所得の場合、事業を廃業した時には「廃業届出書」を提出します。また、税務署としては、廃業するまでの間の申告義務の確認のため、お尋ね等を送る可能性があります。
そのよな煩わしさを防ぐためにも、また、いずれにしても住民税の申告をするのであれば、あくまでも私見ですが所得税の確定申告はされた方が良いようにかんがえます。
ご回答ありがとうございます。
住民税の申告が必要であることや申告義務の有無の確認があることを考えると、確定申告をするのが良いということで承知いたしました。
1点追加でお尋ねしたいことがございます。
入社先の会社から、自分で確定申告を行う場合はすでに手元にある令和3年分の源泉徴収票の提出は不要と言われております。
つまり、令和3年分は入社先での給与所得の年末調整は行われないことになると思います。
一方で、令和4年分以降は確定申告の必要がないため、会社での年末調整を受けたいと考えております。こちらは可能なのでしょうか?
(年末調整を受けるかどうかは年毎に切り替え可能なのでしょうか。)
お手数ですが、ご教示いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。

回答します
1 令和3年の年末調整
年末調整は、確定申告の有無如何に関わらず、本来行うべきものです。
ただし、「前職がある場合は前職の源泉徴収票の提出を受け、提出がない場合は年末調整を行わないでください」と、年末調整説明会などでアナウンスがあるため、就職される会社では、そのようなスタンスを取っているのではないかと解されます。
2 年末調整のある年(令和4年)とない年(令和3年)について
「1」でも説明した通り、本来年末調整は、該当する者に関して給与の支払者の「行うべき義務」となっています。
しかし、結果的にある年は年末調整ができなかった等の理由で、年末調整のある年と、無い年が生ずるのは仕方がないと思われます。
この点は心配されなくても大丈夫です。
丁寧なご回答ありがとうございます。
確定申告の有無に関わらず、本来は年末調整を行うべき義務だということですが、前述の通り会社から前職の源泉徴収票は提出不要と言われております。
前職の源泉徴収票を提出しなかった結果、年末調整が行われなかったとしても、年末調整未済の源泉徴収票を使って確定申告をすれば、税法上の違反にはならないのでしょうか。
また、入社先にはすでに「扶養控除等(異動)申告書」を提出しております。前職分の所得は(会社に源泉徴収票を提出しないため)年末調整未済のまま、入社先からの所得のみ年末調整されてしまう可能性はあるのでしょうか。そしてもしそのようになった場合でも、自分で確定申告を行えば税法上違反とはならないのでしょうか。

回答します
1 税務上の違反にならないか
大丈夫です
2 扶養控除申告書を提出した場合
最終的に確定申告での精算をされる場合は、税務上の違反にはなりません。(年末調整は確定申告に代わる手続きのため)
① 扶養の人数に従って、毎月の源泉徴収税額を徴収することが出来ます。
② 年末調整の対象者となります
ただし、年末調整が行わなかった場合であっても「①」は有効になります。
なお、今(3月)の現在の担当者からの話ですので、経理(給与・年末調整)担当者や失念してしまったり、忘れてしまう可能性がありますので、その時期になりましたら、『担当者から「確定申告をする人は、年末調整をしないので前職の源泉徴収票は不要」と指示されているので、年末調整はしないところで源泉徴収票を発行してください」と、念のため伝えるようにした方が良いと思います。
本投稿は、2021年03月30日 20時11分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。