複数人からの贈与で110万越え、リセットできる?
数年前に妻のNISAを開設し、毎年100万円前後を妻の銀行に振込、妻の銀行から証券会社に移して、資産運用しています。
そんな中、この度、数年前から妻の祖父から妻に毎年100万以内で振り込まれていることがわかりました。私からの贈与分はそのままNISAで資産運用していますが、祖父からのお金は、生活費として使っています。
私と祖父からの合計で110万を超える年もあるようです。これまで、贈与税を払えていないことから、
●この場合、贈与税の時効である6年が経過しても、祖父からのお金は、名義預金とみなされますでしょうか?
●その場合、祖父へ貰ったお金を返金すれば名義預金はリセット扱いになるのでしょうか?
●また、返金は私と祖父からの合計110万を超えた分だけではダメで、祖父からの全額の返金が必要でしょうか?
●その他手段として、将来、祖父が亡くなったときに相続税の申告において、妻が祖父から振り込まれたお金を預かり金として相続財産として申請すると言うやり方でも問題ないでしょうか?
税理士の回答

菅原和望
こんにちは。
贈与税の申告の有無をもって贈与の事実を認定するものではありませんので、贈与税の申告をしていないとしても、奥様と祖父との間で贈与に認識があったのであれば名義預金とされることはないでしょう。
また、贈与の履行後、かつ、合意による贈与の取り消しは、原則として、受贈者に贈与税が課税されます。
ただし、次の5つの条件をすべて満たしている場合には贈与税は課税されません。
①贈与契約の取消し又は解除がその贈与に係る贈与税の法定申告期限(3/15)までに行われ、かつ、その贈与に係る財産の名義を変更したこと等により確認できること(振込等で客観的に確認できるようにしておく)
②贈与契約に係る財産が、受贈者によって処分されたり、担保物権その他の財産権の目的とされ又は差押えその他の処分の目的とされていないこと(お金を使っていないこと)
③贈与契約に係る財産について、贈与者又は受贈者が譲渡所得又は非課税貯蓄等に関する所得税その他の租税の申告又は届出をしていないこと(取り消しをしたい贈与について申告を行っていないこと)
④受贈者が贈与契約に係る財産の果実を収受していないこと、又は収受した果実を贈与者に引き渡していること(預金利息等を収受していないこと)
⑤税務署長が贈与税を課税することが著しく課税負担の公平を害すると認めること(税務調査の際に認定されることですので、確定申告の際に考慮する必要はありません。
つまり、贈与があった年の確定申告期限を過ぎているものについての贈与は取り消すことはできません。対応できるとしても令和6年中にあった贈与のみとなるかと思われます・
遡って贈与税を納めれば、名義預金と認定されることはほぼないと思ってよいでしょうか?また、名義預金と認定されるなら、納めた贈与税は返ってくるのでしょうか?

菅原和望
贈与税を支払っていれば名義預金とされないのではなく、実際に贈与があり、贈与を受けた者が贈与を受けた金銭を自分のものであるとして管理・使用していれば名義預金として認定されることはありません。
実際に贈与があり、過年度に納税すべきところを納税していないのですから、しっかりと申告・納税した上で、通帳や印鑑、金銭管理を含めてお子様に周知しておくことが一番の対策となるでしょう。
本投稿は、2025年01月13日 15時47分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。