贈与を返却した場合の贈与税について
2年前、祖母が孫名義の口座を作り、800万円を入金しており、孫に渡し、孫はその口座から自分の別の口座に全額移してしまいました。
それ以降はそのお金には手を付けていない状態です。
今年に入って孫が贈与税の存在に気付いて基礎控除以外の690万円を返せば贈与税はかからないでしょうか?
または全額返金すれば贈与税はかからないでしょうか?
税理士の回答

菅原和望
こんにちは。
贈与の履行後、かつ、合意による贈与の取り消しは、原則として、受贈者に贈与税が課税されます。
ただし、次の5つの条件をすべて満たしている場合には贈与税は課税されませんので、ご自身の状況と照らし合わせて検討してみてください。
①贈与契約の取消し又は解除がその贈与に係る贈与税の法定申告期限までに行われ、かつ、その贈与に係る財産の名義を変更したこと等により確認できること
②贈与契約に係る財産が、受贈者によって処分されたり、担保物権その他の財産権の目的とされ又は差押えその他の処分の目的とされていないこと
③贈与契約に係る財産について、贈与者又は受贈者が譲渡所得又は非課税貯蓄等に関する所得税その他の租税の申告又は届出をしていないこと
④受贈者が贈与契約に係る財産の果実を収受していないこと、又は収受した果実を贈与者に引き渡していること
⑤税務署長が贈与税を課税することが著しく課税負担の公平を害すると認めること(税務調査の際に認定されることですので、確定申告の際に考慮する必要はありません。)
質問者様の場合、2年前の贈与についての取消しをしたいとのことですので、①の要件を満たさないことになります。
したがって、贈与税が課税されるものと思われます。
追加のご質問失礼します。
経緯としましては、将来相続してもらうつもりのお金を、どうせなら金利の高い銀行に移しておいてほしいという依頼を祖母から孫にしました。
孫が金利の高い銀行を調べて口座を開き、祖母からお金を預かったという認識です。
そのお金を使用するつもりもなかったため全額そのまま置いてあります。
贈与税について無知であり軽率にお金を移動してしまい大変後悔しております。
いまから全額返金してもやはり贈与税はかかってきてしまうものなのでしょうか。

菅原和望
贈与税というものは、将来相続でもらう予定の資金を生前に収受した事実に対して課税されるものです。
また、資金移動をしてから贈与税の存在に気付いた方や贈与の取り消しをしたい方を対象とした救済が上記の要件となります。
したがって、5つの要件をすべて満たせないのであれば課税されるものと考えられます。
ところで、贈与の取り消しができない場合、事実認定によっては2人とも無申告の状態となっているかと思います。延滞税等の負担が増加しますので、早急に対応されるのが良いでしょう。
ご回答ありがとうございます。
贈与されたという認識ではなかったので、預かったお金を全額返金しようと思います。
ありがとうございました。
本投稿は、2025年04月27日 12時17分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。