離婚時の財産分与・養育費と贈与税について
夫婦が離婚する際の財産分与は(慰謝料などがない場合)原則2分の1ですが、これはあくまでも目安であり双方の合意があればどのような分与でも可能ということは存じ上げているのですが、2分の1を越えた分については贈与という扱いになるのでしょうか?
110万円を越えたら贈与税の納付義務があると考えるべきでしょうか?
分与するものが現金の場合と不動産だった場合の双方でお教えいただけると幸いです。
また、養育費についてもお聞きしたいのですが、養育費算定表で算出した値を上回る分は贈与になるのでしょうか?
例えば算定した額を10万円以上上回ると超過分の年額が110万を越えてしまいますが、これも贈与税の対象でしょうか?
お手数をおかけいたしますがよろしくお願いします。
税理士の回答
ご質問の件ですが、以下回答させて頂きます。
1. 財産分与が「2分の1」を超える場合(贈与税の扱い)
原則として、離婚による財産分与は「夫婦の共有財産の清算」等とみなされるため、贈与税はかかりません。合意により分与割合が50%を超えても、婚姻中の個別の事情を考慮して「不当に多すぎる(過大である)」と判断されない限り、贈与税の対象にはなりません。
*ただし、税金逃れの偽装離婚と判断された場合や、分与にかこつけた明らかな贈与とみなされた場合は課税される可能性がございます。
2. 分与財産が現金か不動産かの違い
●現金の場合: 原則、分与する側・受ける側ともに税金はかかりません。
●不動産の場合:
・分与する側(渡す側): 不動産を分与時の「時価」で譲渡したとみなされます(みなし譲渡)。取得時の価格より値上がりしている場合、その利益に対して譲渡所得税が課税されます。
*夫名義の不動産を離婚に際して妻に譲渡するなどの場合
・受ける側(もらう側): 贈与税や不動産取得税は原則非課税ですが、名義変更に伴う登録免許税がかかります。
3. 養育費が算定表を上回る場合
養育費算定表の額を上回っていても、直ちに贈与税の対象とはなりません。
扶養義務者間でやり取りされる「生活費又は教育費として通常必要と認められるもの」は贈与税の非課税財産です(相続税法第21条の3)。そのため、実際に子供の生活費や学費としてその都度使われている限り、超過分(年額110万円超を含む)も非課税となります。
ただし、多額の養育費を受け取って預貯金として長期間貯め込んだり、株式投資などに回したりした場合は、「通常必要と認められる範囲」を逸脱したとして贈与税が課税されるリスクがあります。将来分を一括で受け取る場合も信託等を活用しない限り課税リスクが高まるため注意が必要です。
以上となります。
ご参考になりましたら幸いです。
詳しいご返答ありがとうございます。大変参考になりました。
恐れ入りますが、追加のご質問をさせていただいてもよろしいでしょうか?
例えば夫が不動産を含む特有財産を多く所有していて、妻が離婚を機に譲渡を要求した場合、
それは財産分与ではなく純粋な贈与とみなされて贈与税の対象になると考えてよろしいでしょうか?
ご認識の通りです。
特有財産(婚姻前からの財産や相続による財産など)は、本来「夫婦の共有財産の清算」を目的とする財産分与の対象外となります。
そのため、離婚に伴い夫から妻へ特有財産を譲渡した場合、それが「慰謝料」や「離婚後の生活保障(扶養的財産分与)」として社会通念上妥当な額と認められない限り、清算的財産分与とはみなされず「純粋な贈与」として妻側に贈与税が課税される可能性が高いかと存じます。
*夫側に譲渡所得税がかかるのは先日回答させて頂いた通りとなります。
ご丁寧にご説明いただきありがとうございました。
本投稿は、2026年05月07日 23時10分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







