夫婦間貯金移動について
共働きDINKSです。
夫名義給与口座A:住宅ローン全額返済(連帯債務50%)170万円
妻名義給与口座B:生活費全額支払(月約30万円)=年約350万円
妻名義貯金口座C:Aから生活費として毎年100万円入金
A→Bの生活費移動を省きCに5年前から繰り上げ返済用に入金していますが、
(ペイオフ対策と貯金とのすみわけのためで贈与の認識はありません)
最近になって夫婦間でも贈与税が掛かると知り不安になっております。
Cから繰り上げ返済(300万円程)しようと考えておりますが贈与税は掛かりますか。
また今後の対策等ご教授いただければ幸いです。
税理士の回答
山本快夫
お世話になります。
ご質問に対する回答)
↓
―――――――――――
資金移動について:
口座Cについて、下記の判例を参考にしますと、名義上の利益付与が明らかですので、質問者さま名義の口座(例えば口座A)に戻せば、贈与税の課税対象とならないと考えます。
ただし、口座Cからいったん口座Aに戻して、仮の資金移動を明確にリセットしてから、繰上返済を検討することをおすすめ致します。
また、名義上の利益付与を形式上も明らかにしておくためにも、これまでのAからCへの資金移動も「仮移動」と通帳にメモし、今回のCからAへの資金移動も「仮移動の戻し」と通帳にメモしておきます。
参考)
津地方裁判所(平成15年12月4日判決)
【判決要旨】 相続税法1条の2に定める贈与税の課税原因となる贈与は、贈与者の贈与の意思表示に対して受贈者がこれを受諾することによって成立する契約であるが、一般に妻子等自己と極めて親密な身分関係にある者の間で財貨の移動があった場合、これが租税回避の手段としてされることが少なくない。そのため、贈与税の課税に当たっては実質課税の原則に則り、実質に着目して行われるべきである。したがって、親族間で財産的利益の付与がされた場合には、後にその利益と同等の価値が現実に返還されるか又は将来返還されることが極めて確実である等(若しくは、名義上の利益付与等)特別の事情が存在しない限り、贈与であると認めるのが相当である。
―――――――――――
繰上返済(300万円程)について:
上記の結果、口座Aから夫の負担割合分(約150万円程)の繰上返済は税務上問題ありませんが、妻の負担割合分(約150万円程)については、夫から妻に対する贈与となります。贈与を避けたい場合は、妻の負担割合分(約150万円程)については、口座Bなど妻の資金から支出する必要があります。もし贈与と処理する場合、下記の返済分も含めることになります。
―――――――――――
補足)
これまでの口座Aにおける妻の負担割合50%の返済分について:
妻の資金からの返済が無い場合は、夫から妻に対して、暦年単位で贈与が生じていますが、基礎控除以下ですので、他に贈与が無ければ贈与税が課せられません。共稼ぎ夫婦における住宅ローンについては、返済が「事実上」共かせぎの夫婦の収入によって共同でされていると認められるものについて、特別扱いが手当てされています。
「贈与を受けたものとして取り扱う金額は、歴年ごとにその返済があった部分の金額を基として計算することにされたい。」
共かせぎ夫婦の間における住宅資金等の贈与の取扱について(直資58昭和34年6月16日)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/sozoku/590616/01.htm
国税庁のタックスアンサーNo.4411
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4411_qa.htm
質問者さまの取得時のケースは不明ですが、連帯債務の借入による取得時に一括贈与課税されず、暦年単位で贈与課税される点は、参考になると考えます。
―――――――――――
他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。
竹中公剛
妻名義貯金口座C:Aから生活費として毎年100万円入金
の記載から、贈与税がかかります。
使用時にかかります。
よろしくお願いいたします。
相亰俊信
お世話になります。
Cの資金は、夫婦間で贈与の合意がなければ夫の財産(妻名義の「名義預金」)と考えられ、これまでの入金自体には贈与税はかからないと考えます。ただし、Cから300万円を繰上返済に充てると、そのうち妻の負担部分(連帯債務50%であれば150万円)は夫から妻への贈与とみなされます。その年の他の贈与と合わせて110万円を超えると、贈与税がかかります。
理由です。贈与は双方の合意で成立するため(民法549条)、贈与の認識がない入金は夫の預金のままと扱われます。なお、夫婦間の生活費の非課税(相続税法21条の3第1項2号)は、実際に生活費に充てた分に限られます。預金に回した分は対象外です(相続税法基本通達21の3-5)。
一方、連帯債務者が自分の負担部分を超えて返済し、相手に求償(立替分の請求)しない場合は贈与とみなされます(相続税法8条、同基本通達8-3)。毎年の返済170万円のうち妻負担分の85万円もこれに当たり得ます。85万円単独では基礎控除110万円以内です。しかし、繰上返済の150万円と同じ年に合算すると235万円となり、(235万円−110万円)×10%=12.5万円の贈与税が見込まれます(他に贈与がない場合)。また、Cへの入金を毎年の妻への贈与と扱う場合は、各年100万円+85万円=185万円となり、過去分に贈与税が生じる可能性があります。
対策としては、次のような方法が考えられます。第一に、繰上返済の妻負担分は妻自身の預金から支出します。第二に、夫が立て替える場合は妻が返済する約束を書面にし、実際に返済します。第三に、今後はAから生活費を本来どおりBへ移して実際に生活費に使い、その分浮いた妻の給与で妻負担分のローンを返済します。いずれも、資金の出所と負担割合を一致させるのが基本です。
なお、妻が生活費を多く負担している分を夫のローン立替と相殺できるかは事実関係次第です。税務上当然に認められるものではない点にご留意ください。
山本先生 ご回答ありがとうございます。
CからAに戻せば贈与税回避できるとのことで早速戻すことを検討中ですが
過去5年前からの通帳に「仮移動」とそれぞれ手書きで記載し
戻す500万円をAに一括入金する際に「仮移動の戻し」と通帳に手書きで記載すればよろしいでしょうか。
今後ですが、Aの返済はそのままにし(基礎控除内)、生活費100万円を本来のBに入金すれば問題ないでしょうか。
(生活費の殆どを妻名義クレジットカード払いにしているため)
そうすると今後の繰り上げ返済時はBから妻負担分を充てることになりますが
生活費と混在してしまっても大丈夫なのでしょうか。(Bに妻名義貯金が貯まるので)
もしくはAからBに生活費として100万円入金し、ある程度貯まったらBからC(妻名義同士)に500万円等入金すれば問題ないでしょうか。
将来、住み替え(現金一括購入)も検討しており色々と勉強中です。
今までの口座移動分は勉強不足だったため、5年分を贈与とし期限後申告・納付しクリアにしよかとも思っています。
ローン負担分85万円+貯金100万円ー110万円控除×5年
その際に気を付ける点等ありますでしょうか。
何度も申し訳ございません。ご教授いただければ幸いです。
竹中先生 ご回答ありがとうございます。
相亰先生 ご回答ありがとうございます。
生活費の支払は殆どがクレジットカード払いとしており、明細は過去に遡って保存してあります。
生活費負担とローン負担分相殺とは特に考えておりませんでしたが
ローン返済負担分に贈与税が掛かることを理解していなかったため猛省しています。
今後ですが、Aの返済はそのままにし(基礎控除内)、生活費100万円を本来のBに入金すれば問題ないでしょうか。
(生活費の殆どを妻名義クレジットカード払いにしているため)
そうすると今後の繰り上げ返済時はBから妻負担分を充てることになりますが
生活費と混在してしまっても大丈夫なのでしょうか。(Bに妻名義貯金が貯まるので)
もしくはAからBに生活費として100万円入金し、ある程度貯まったらBからC(妻名義同士)に500万円等入金すれば問題ないでしょうか。
将来、住み替え(現金一括購入)も検討しており色々と勉強中です。
今までの口座移動分は勉強不足だったため、5年分を贈与とし期限後申告・納付しクリアにしよかとも思っています。
ローン負担分85万円+貯金100万円ー110万円控除×5年
その際に気を付ける点等ありますでしょうか。
何度も申し訳ございません。ご教授いただければ幸いです。
山本快夫
通帳に手書きで記載すればよろしいでしょうか。
↓
十分です。
生活費100万円を本来のBに入金すれば問題ないでしょうか。
↓
都度必要な生活費は夫婦のどちらが負担しても構いません。
生活費と混在してしまっても大丈夫なのでしょうか。
↓
本来は、妻専用の口座と、生活費用の口座と区別するのが望ましいですが、口座Bに夫から毎月生活費を必要な都度に資金移動して生活費として費消しているのであれば、妻の収入は残っているとも考えられますが、事実認定の問題となってきます。
どうしても繰上返済を実行する場合は、個人的には、夫から妻に対して返済資金を貸したうえで、将来的に妻の収入から夫に返済していく(または将来一部免除もあり)ことをおすすめ致します。なお、その場合、web上で散見される程度の簡便的な金銭消費貸借契約書で構いませんので、作成することもおすすめ致します。
あと、生活費専用の口座を、夫婦それぞれの口座とは別に作ることもおすすめ致します。
宜しくお願い致します。
山本先生 ご回答ありがとうございます。
一部、内容が変わってしまった質問になってしまい申し訳ございません。。
今後のことでもう1点だけご教授いただけますでしょうか。
Bに妻給与が入った時点で、給与同金額をCに移動し
AからBに生活費として100万円(月額ずつでも)入金すればクリアできますでしょうか。
できれば給与口座×クレジットカード口座を変えたくないことが理由です。
何度も申し訳ございません。ご教授いただければ幸いです。
山本快夫
クリアできますでしょうか。
↓
現状よりは疎明・説明できる状態になると考えます。しかし、お金に色は付いていませんので、今後のためにも、個人的には、例えば奥さまの給与口座をCや他の口座にするなど工夫できる余地があると考えます。
改めて、繰り返しとなりますが、夫の収入が源泉で夫固有に帰属する口座・財産と、妻の収入が源泉で妻固有に帰属する口座・財産を、明確に区別したうえで、ご夫婦の生活費専用口座は別途設け、また夫婦間の贈与や貸し借りを適法・適正に組み合わせて、やりくりしていくことを、おすすめ致します。
宜しくお願い致します。
山本先生 何度もご回答ありがとうございます。
やはりあまり良くないとのことで承知いたしました。
何十年も同じ給与口座・クレジットカード(1枚)でやってきましたので
できれば変えないで出来ないかと思いお聞きしました。
適法・適正に組み合わせて、やりくりしていこうと思います。
本当にありがとうございました。
山本快夫
私も学生時代からのクレジットカードを使い続けてきております。ポイントやマイルの事情もあるかと思います。
夫婦間における生活費や貯蓄や運用など、資金管理のやりくりは、贈与を意識しつつも、皆さま少しずつ整理しているのが一般的だと考えます。
少しでもご参考になりましたら幸いです。
本投稿は、2026年10月15日 07時57分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






