親族間の借入れについて。
親族から住宅用資金として1600万円を借ります。
この場合、金利を払う必要はあるのでしょうか?
あるとすれば、何%なのでしょうか?
税理士の回答
結論として、親族間の借入れで利息を付けることは法律上の義務ではなく、「何%でなければならない」という決まった利率もありません。ただし税務上は、無利息にすると利息相当額が贈与とみなされる可能性があり、それ以上に「借入れそのものが贈与と認定されないこと」が重要です。順にご説明します。
【1】金利を払う必要があるか
無利子や著しく低い利率にすると、利息相当額の利益を受けたとして贈与税の問題が生じ得ます。通達では、親子・祖父母と孫など特殊な関係にある者の間の無利子の金銭の貸与は、利益を受けた場合に「該当するものとして取り扱う」とされています(相続税法9条、相続税法基本通達9-10)。ご親族の続柄が分かりませんが、通達の例示は夫婦・親子・祖父母と孫等で、兄弟姉妹等の場合は個別の判断になります。
同通達には「その利益を受ける金額が少額である場合又は課税上弊害がないと認められる場合」は強いて課税しなくても妨げないとの定めもあります。
なお、この通達の「少額」と、贈与税の年110万円の基礎控除(租税特別措置法70条の2の4)は別の話です。参考までに、仮に1%で計算した利息相当額は1,600万円×1%=16万円です。元本の返済が進めば利息相当額も減っていきますので、この数字はあくまで例示です。
【2】利率は何%か
無利子でなくても、利率が市場金利と比べて著しく低い場合は、通常の利息との差額が贈与とみなされる可能性があります(相続税法9条)。どの程度からが「著しく低い」かについて、法令上の明確な基準はありません。
法令で定められた利率もありませんので、実際の住宅ローン金利を下回りすぎない水準を目安に当事者間で利率を決め、契約書に明記しておくのがよいと思います。何%なら安全という数字を一律に申し上げることはできません。
【3】より重要な点(借入れそのものが贈与とされないために)
国税庁タックスアンサーNo.4420では、返済能力や返済状況から見て真に金銭の貸借と認められれば借入金そのものは贈与にならない一方、「ある時払いの催促なし」「出世払い」といった貸借は借入金そのものが贈与として扱われるとされています。1,600万円全体に贈与税がかかるリスクのほうがはるかに大きいため、次の点を整えておくことをおすすめします。
・金銭消費貸借契約書を作成する(金額・利率・返済期間・毎月の返済額を明記)
・ご自身の収入から無理なく返せる返済計画にする
・返済は現金手渡しでなく、口座振込で行い記録を残す
・計画どおり実際に返済を続ける
【4】利息を受け取る側の税金
親族が受け取った利息は、貸し手側で雑所得(所得税法35条)になり得ます。雑所得は収入(利息額)から必要経費を差し引いた金額で、他の所得と合わせて確定申告の要否を判断します。
後藤先生 朝早くからありがとうございます。
返済原資はあるんですが、万が一を考えて…借りるということを考えています。
計算が苦手なのですが、こういう場合は
元金均等や元利…など。そんな細かい事も決める必要がありますか?
余裕のある時には、まとめて返す事も考えています。
仮に先生の例でいうと
1600万円の金利1% 1616万円を
返済月数で割っただけで計算して良いものでしょうか?
例えば
コレを10年で返済すると
年に161.6万円 月に135000円とか。
山本快夫
お世話になります。
ご質問に対する回答)
↓
その借入額の場合、金利は「無利子」で構いません。もちろん適正な範囲内で有利子でも構いません。
そのため、質問者さまのケースでは、0%~3%あたりが金利設定の目安となるものと個人的にが考えます。
ただし、
・他に暦年における贈与が無い
・真に実際の金銭消費貸借契約に基づく(契約書や返済実績など)
が前提となります。
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補足)
利率について
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まず、課税実務において、実務家の間では以下のような考えが定着していると整理できます。結果的に、利益相当額が贈与税の基礎控除以下であれば税務上問題になりません。
「借入が真実であると認定されても、それが無利子の場合には、利子に相当する金額の利益を受けたことになり、その利益相当額は贈与とみなされて贈与税の課税対象となる」(日本最大級の税理士集団のQA)
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次に、税務上における利益相当額の元となる利率について、以下も参考のひとつとなると考えます。
「本件金銭貸借については利息について取決めがないため、原処分庁が、経済的利益の額を算定するに当たり、年利率を民法第404条の規定に基づき法定利率の5パーセントとしたことについては、これを不相当とする理由はない。」国税不服審判所(平成元年6月16日 )
↓
現在の法定利率は3%です。
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あくまでも私見となりますが、法人税における利率の考え方も、ひとつの参考にはなると考えます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2606.htm
また、こちらも私見となりますが、相続税法基本通達9-10の「金額が少額である場合」について、金銭の貸与により受ける利益の額の言及ではありませんが、ひとつの参考にはなると考えます。
「課税上弊害がないと認められる場合」に該当しない場合における転借者が受ける利益の額は...(略)...おおむね年額40万円以下であるときは、当分の間「その利益を受ける金額が少額である場合」に該当するものとする。
「使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて」通達の運用について(昭和48年11月1日付)
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昭和48年当時の贈与税の基礎控除が40万円でしたので、現在は110万円と考えます。
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他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。
山本快夫
あと、ご質問からは、貸す側の親族の方の年齢が不明ですが、完済時の年齢も考慮する必要があります。
まず裁判所は、貸与であることが明らかな場合でない限り、贈与があったと認めるのが相当・・・と考えています。
次に課税庁は、親族間における平均余命を超える長期貸借については従来から贈与の指摘傾向が強いです。また、一部の国税局では内部の職員向けの文書においてその旨明記しているようです。
つまり、親族間の資金提供・付与について、贈与ではなく貸与であることを明らかにするところがスタートとなり、課税庁の考え方を理解したうえで、リスクを判断することになります。
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そのため、「余裕のある時には、まとめて返す」は税務上リスクがありますので、年払または月払による返済を強くおすすめ致します。もちろん繰上返済は構いません。
宜しくお願い致します。
山本先生も朝から ご回答ありがとうございます。
親族からとはいえ、自分にとっては大きな金額の借入れ 案件。
真剣に考えざるを得ません。
1600万円 想定で「無金利でも良い」は非常に有難いです。
○ 完済時年齢の考慮〜ありがとうございます。考えておりませんでした。
○ 「ただし、以下…
・他に暦年における贈与が無い
・真に実際の金銭消費貸借契約に基づく(契約書や返済実績など)
が前提となります。」
この点も キチンとした文章作成の上、臨みたいと考えます。
その他 贈与や借入れなども ございません。(当然 延滞も…)
この様な 自分にとって 大きな金額の借入れは、人生 初の事です。
先生方のアドバイスを元に 頑張ってやってみます。ありがとうございました!
山本快夫
補足させていただきます。
1600万円 想定で「無金利でも良い」・・・という結論は、
仮に想定され得る最大利率3%であったとしても、贈与税の基礎控除内に収まるので、贈与税が生じない→税務上問題ない・・・ということになります。
念のためご確認いただけますと幸いです。
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あと、web上に金銭消費貸借契約書が散見されますので、簡便的な様式で構いませんので、作成したうえで、お互い大切に保管ください。
宜しくお願い致します。
補足の計算について、年利1%と決める場合は通常、各期間の借入残高に対して利息を計算するため、1,600万円に一度だけ16万円を足して10年で割る計算とは異なります。返済日・元本返済額・利息計算・繰上返済の扱いを契約と返済表で明確にするとよいと考えられます。税務上、無利息なら利息相当利益が贈与として扱われる場合があり、特定の利率なら一律安全とはいえません。元本も贈与とされないよう返済能力に合う計画で実際に振り込み、契約前に近隣の税理士へ確認されることをお勧めします。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
BA悩みましたが…色々な先生方 アドバイスありがとうございました。参考にさせて頂きます。
本投稿は、2026年10月27日 05時29分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







