住宅取得資金1000万円を全額充当できない場合の贈与税
11/6に住宅決済予定です。
2026/10/21に父から500万円、10/22に母から500万円、合計1,000万円を住宅取得資金として贈与されました。省エネ等住宅で、住宅取得等資金の非課税制度を利用する予定です。
不動産会社にも事前に「住宅取得のための贈与」「父母各500万円」「非課税制度を利用予定」であることを伝えており、税務署への確認や必要書類についてもメールでやり取りしています。
しかし決済直前に、建物等総支払額20,105,309円に対し、住宅ローン16,500,000円、自己資金3,605,309円になることが判明しました。銀行にはローン減額不可と確認済みです。
土地は2026/1/30に3,550万円のローンで決済済みで、今回の贈与より前です。
相続時精算課税と親への返金は避けたいです。
質問です。
①住宅取得等資金として非課税にできる最大額はいくらでしょうか。
②不動産会社側が非課税制度利用を事前に認識していたにもかかわらず、資金計画上全額を充当できなくなった事情は考慮されますか。
③残額を繰上返済する方法等で非課税にできますか。
④それ以外に、相続時精算課税・親への返金をせず贈与税を0円または最小化する方法はありますか。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答
ご質問の順にお答えします。
①非課税にできる最大額 非課税の対象は、贈与資金のうち翌年3月15日までに「住宅用家屋の新築等の対価に充てた」金額です(租税特別措置法70条の2第1項・第2項5号)。建物の支払総額からローンで賄う1,650万円を除いた額が贈与資金を充てられる上限となり、自己資金部分の3,605,309円が目安です。ただし支払総額に登記費用やローン手数料など家屋の対価以外の費用が含まれていれば、その分は除かれる可能性があるため、内訳をご確認ください。 土地は、家屋の新築前に取得した敷地も対象になり得ますが(措置法通達70の2-3・70の3-2)、今回は贈与前の1月30日に借入金で代金を支払い済みのため、贈与資金を土地の対価に充てたことにはならないと考えます。 なお条文上は贈与資金の「全額」を対価に充てることが要件とされているため、充てた部分のみ適用となるかを含め、申告前に所轄税務署で確認されることをお勧めします。 父母どちらの資金を充てたかは申告書で区分して記載しますが、残額の贈与税は父母分を合計して計算するため、税額は変わりません。 このほか、受贈者の合計所得金額2,000万円以下、床面積40㎡以上240㎡以下、翌年3月15日までの居住(または遅滞なく居住する見込み)等の要件もあります。 決済では、贈与資金の入金口座から建物代金を支払い、通帳等で資金の流れを残しておくことが大切です。
②事情の考慮 要件は「対価に充てたかどうか」という事実で判定され、不動産会社が事前に制度利用を知っていた等の事情によって非課税額が増える仕組みは、条文上ありません。不動産会社との間の問題は民事上のものになります。
③繰上返済 土地・建物のローンの繰上返済は借入金の返済であり、家屋や土地の「対価に充てた」ことには当たらないため、非課税にはならないと考えます。
④最小化の方法 ・家屋本体の追加・変更工事(建物と一体となる設備等)を建築会社との契約で行い、2027年3月15日までに贈与資金で代金を支払えば、家屋の新築の対価として非課税額が増える余地があり、全額充当の要件に近づける意味もあります。実際に必要で実体のある工事であること、贈与資金から支払った記録を残すことが前提です。外構・家具・家電等は家屋の対価に当たらないと考えられ、該当するかは個別判断のため事前確認が必要です。 ・残額は通常の贈与(暦年課税)となりますが、父母から18歳以上の子への贈与として特例税率(措置法70条の2の5)が使えます。非課税額が3,605,309円の場合、課税価格6,394,000円(千円未満切捨)から基礎控除110万円を引いた5,294,000円×20%−30万円=758,800円が目安です。基礎控除110万円は2026年中に受けた贈与全体で1回のみです。
申告期限は2027年3月15日で、非課税は期限内申告に必要書類を添付した場合に限り適用されます(措置法70条の2第14項、措置法通達70の2-15)。期限を過ぎると非課税部分まで課税対象になるおそれがありますので、ご注意ください。追加工事の可否や申告書の書き方は、お近くの税理士にご相談されることをお勧めします。
本投稿は、2026年11月05日 14時24分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







