株・投資信託を私が相続して、他の相続人に代償金を渡す場合に、贈与税は必要?
遺産の分割が難しいために代償分割で遺産を分けるとき、その代償分割について遺産分割協議書に書いておけば、代償金の受け渡しに対して贈与税は課税されないと聞きました。
では、複数の銘柄からなる有価証券(株・投資信託)のように、相続人の間で分割がめんどうではあるものの、分割が可能な場合では、どうなるのでしょうか。実は、私以外の相続人が証券会社を嫌っていますので、私が相続人のひとりとして、すべての有価証券を受け継ぎ、他の相続人に代償金を支払おうと思っています。この場合も、遺産分割協議書に書きさえすれば、贈与税の支払義務は生じないのでしょうか?
また、私が、実質的な相続額をゼロにするために、相続発生時の有価証券の評価額と同じだけの代償金を、他の相続人に支払った場合はどうなるのでしょうか。この場合も、贈与税は課税されないのでしょうか?
税理士の回答

東京都中央区の小林税理士事務所 小林拓未と申します。
有価証券の場合でも、代償分割は可能です。株数が必ずしも相続人の数で割り切れるとは限らず、有価証券は欲しくないという方もいると思われます。ご質問の通り、遺産分割協議書への記載が必要であり、記載通りの金額を支払って下さい。この限りにおいて、贈与税は課税されません。
相続税をゼロにするために、他の相続人に有価証券の評価額と同額の代償金を支払った場合、確かに相続税は減りますが、それは何ももらっていないのと同じであるからです。
全体の相続税が仮に90万円、相続人3人として、それぞれ財産を1/3ずつ取得すると、相続税はそれぞれ1/3の30万円ずつになります。ご質問者様が、一旦全ての財産を取得し、代償分割で財産総額の1/2ずつを、他の相続人に支払う場合、全体の相続税90万円は変わらず、ご質問者様の相続財産は実質ゼロ、相続税もゼロ、他の相続人は、財産を1/2ずつ取得し、相続税も1/2ずつの45万円ずつ支払うということになります。この場合でも、遺産分割協議書への記載と、記載通りの支払いを行う限り、
贈与税は課税されません。
以上よろしくお願い致します。
的確で丁寧な回答をありがとうございます。
具体的な例をあげていただいたので、とても分かりやすいです。
遺産分割協議書へ代償分割による株と投資信託の相続について書くことで、
私と他の相続人の間の代償金の受け渡しに贈与税がかからないと知って、
ほっとしました。早速、他の相続人に代償分割を提案してみます。
本投稿は、2016年10月02日 21時31分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。