小規模宅地の特例、貸付事業用宅地 土地・建物が共有の場合の適用について
土地・建物が共有になっている場合に、貸付事業用宅地として小規模宅地の特例が適用されるかどうか教えて頂きたく、宜しくお願い致します。
以下のような前提となっております。
・土地:被相続人・妻の共有(1/2ずつ)
・建物:妻・子の共有(1/2ずつ)
(※現在は被相続人と妻の共有でして、被相続人の建物の持ち分を子に贈与予定です。)
・建物は全て不動産貸付業として貸し出しています。
・妻は被相続人と生計を一にしています。
ここで、相続によって被相続人の土地の持ち分を子が相続した場合、その土地は貸付事業用宅地として小規模宅地の特例が適用されますでしょうか?
被相続人の土地において生計を一とする妻が不動産貸付業を行っているため適用されるかとも考えたのですが、共有がどのように関係してくるか分からず質問させて頂きました。
また、適用されない場合、特例を受けるために何か工夫は出来そうでしょうか?子は土地を使用貸借として利用することを考えていますが、その辺りでも何か方法がありそうであれば教えて頂けると有難いです。
税理士の回答
小規模宅地の課税の特例のうち、貸付事業用宅地として適用するには、被相続人の貸付事業を特例適用者が相続税の申告期限までその宅地を保有し、かつ貸付事業を引継ぎ、貸付事業を継続することが要件です。
つまり、相続後の不動産所得の申告は妻・子がそれぞれ持分に応じた所得金額で申告することになります。
原則的なことを述べましたが、現在の状況で適用の可否は相続税の申告前に税務署でご相談下さい。
本来は相続前も被相続人と妻の共有のため、不動産所得の申告は被相続人と妻が1/2ずつの所得を申告しなければなりません。そのうえで、貸付事業用宅地として小規模宅地の課税の特例を適用するのであれば、問題ありません。
なお、被相続人から子への移転は贈与ではなく、相続となります。
御回答ありがとうございます。
少し質問内容がややこしくなってしまいましたので改めて記しますが、
・土地:被相続人・妻(被相続人と生計を一にしている)の共有(1/2ずつ)
・建物:妻・子の共有(1/2ずつ)
・建物は全て不動産貸付業として貸し出しています。
この状況の下で、相続によって被相続人の土地の持ち分を子が相続した場合、子はその土地を貸付事業用宅地として小規模宅地の特例を適用できますでしょうか?
被相続人の死亡時までの所得税や住民税の申告を被相続人及び妻で持分に応じた所得を申告していれば、被相続人が貸付事業を行っていたとして、適用可能ですが、妻の所得として申告していた場合は、被相続人が貸付事業を行っていたことにはなりません。土地・建物を使用貸借により被相続人が妻に貸付け、妻が貸付事業をおこなっていることになっています。その場合は小規模宅地の課税の特例は適用外です。
相続税の申告期限までに過去の所得税の申告を正しくすれば、小規模宅地の課税の特例が適用できると思いますが、一度税務署にお尋ね下さい。
早速の御返答有難うございます。
建物の所有者は妻と子ですので、妻と子が貸付事業を行っているとして持分に応じた申告をしております。
妻は被相続人の生計一親族ですので、被相続人の土地のもとで生計一親族が貸付事業を行っているとして小規模宅地の特例が適用されるかと認識しておりました。
ただ、被相続人の土地の持分を相続する子が建物の持分も所有していること、
及び、被相続人の土地で貸付事業を行っている妻が土地の持分も所有していること、
などから何か不都合がある可能性があるかと思ったのですが、この辺りは如何でしょうか?
色々と御手数をお掛けしすみません。宜しくお願い致します。
回答した後で改めて調べたところ、「対象宅地面積×被相続人の宅地所有持分×被相続人の建物所有持分」で計算した面積について特例の対象となるようです。持分での所有の場合は所有物のうち特定の部分を単独で所有しているというのではなく、全体に及び持分割合で所有権を有することになります。被相続人の土地の持分の部分の上には、建物の共有者2名の所有権が存在することになります。つまり、被相続人の土地の持分の上には、被相続人の持分の建物と妻の持分の建物が存在していることになります。よって、被相続人の貸付事業用の対象となる部分は、全体の土地面積×被相続人の土地の持分×被相続人の建物の持分で計算した面積の部分となります。つまり、全体の1/4(被相続人所有権の1/2)となります。妻の建物持分部分について、特例適用の対象とするためには、妻から被相続人への地代の支払いが必要です。
詳しくありがとうございます。
度々申し訳ないのですが、
被相続人の生計一親族である妻が、被相続人の土地のもとで貸付事業を行っている場合は小規模宅地の特例は適用されないのでしょうか?
貸付事業用宅地等の要件として、「被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の貸付事業の用に供されていた宅地等」とあるのですが、これに今回の件は該当しないのでしょうか。
事業者が被相続人と生計を一にする親族である場合、建物の所有者が被相続人の部分で、しかも事業者との間では土地・建物は使用貸借で、3年以上貸付事業を行っている場合に適用可能ですので、土地の被相続人所有部分(1/2)×建物の生計を一にする親族が事業で使用している被相続人の持分部分(1/2)=1/4となります。
① 土地(被相続人) 建物(被相続人)
⓶ 土地(被相続人) 建物(妻)
③ 土地(妻) 建物(被相続人)
④ 土地(妻) 建物(妻)
・・・の4区分となり、このうち対象(被相続人の第3者への貸付)となるのは⓶の部分です。
本投稿は、2024年08月08日 16時56分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。