税理士の名義貸しについて
税理士事務所の無資格スタッフが顧問先の会計処理(記帳代行)から法人税申告書作成までを行い、その事務所の代表税理士が内容を確認し、署名、申告を行うのは通常のことですか?
先日、税理士事務所に就職しましたが初めての業界なので自分がやっていることが違反になるのかどうか不安です。税理士事務所のスタッフは申告書も作るのが普通なのでしょうか?
よろしくお願いします。
税理士の回答
相談者様は税理士事務所に雇用された職員ですので、結論としては名義貸しにはならないと考えられます。(通常税理士事務所で行われている業務分担かと思われます。)
日税連から「名義貸し行為の指標(メルクマール)について」という文書が公表されています。
そこにおいて、名義貸し行為となる指標3点が挙げられており以下のとおりです。
1.税理士が自らの判断で税務書類を作成していない。
2.税理士が納税者から直接税理士業務の委嘱を受けていない。
3.税理士が報酬を納税者から直接収受していない。
これらの他、留意すべき点2点も挙げられております。
4.税理士業務に従事している者と税理士との間に直接雇用関係がない。
5.税理士事務所の施設について、その税理士との間に所有関係又は賃貸借関係がない。
このうち、1.に該当するのではないかという疑問を抱かれているのではないかと思います。
しかしながら、4.にあるように、税理士と直接雇用関係のない者が税理士業務に従事していることも1つの着眼点になっており、直接雇用関係にあり税理士の管理監督下にある場合においては、税理士が自らの判断で申告書の作成をしたものと同様の効果が得られていると考えられます。
ただし、直接雇用関係にあっても、実態として管理監督をしていない(無資格スタッフに判断・作成を丸投げして、確認もせず署名・申告だけ税理士名義としている)という状態になっているのであれば、それは名義貸しに該当する可能性が高いことになりますので、その際には外部から指摘されて問題になる前に、所内で適切な方法で問題提起して是正を働きかけることが考えられます。
とてもよく理解できました。ありがとうございました。
ご自身が行っている業務について、いつも問題意識を持って取り組むのはとても良いことだと思います。所長の先生も相談者様がしっかりとした考え方を持って仕事をされていることを頼もしく思うとともに、身が引き締まる思いをされているのではないでしょうか。税務・会計に関する業務はとてもやりがいがありますので、これからもお互い頑張っていきましょう。
本投稿は、2024年01月22日 22時44分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







