経費や家事按分について
来年初めて確定申告をする予定です(白色申告、開業届は未提出です)。
初めてのことで分からないことや不安なことが多いため、いくつか教えていただきたいです。
① 無償提供された商品の経費計上について
コスメなどを無償で提供していただいた場合、現物収入として計上する必要があることは理解しています。
一方で、その商品をPR業務に使用した場合、自己負担で購入していなくても経費にできると聞きました。
自分のお金で購入していない商品を、なぜ経費として計上できるのでしょうか?
また、現物収入として計上した金額と、経費として計上できる金額は同じになるのでしょうか?
② コスメの家事按分について
コスメは一回の撮影で使い切ることがほとんどないため、経費にできたとしても100%経費にするのは難しいと思っています。
例えば、リップのスウォッチを撮影するために5回ほど唇に塗り、その後は日常使いにも使用する場合、何%くらいを経費として計上するのが適切なのでしょうか?
家事按分という考え方は聞いたことがありますが、実際にどのように割合を決めればよいのか、感覚がつかめずよく分かりません。
実務上、このようなケースでは何%程度を経費にすることが多いのか、また、どのような考え方や基準で割合を決めればよいのか、具体例や目安を交えて分かりやすく教えていただきたいです。
③ PR撮影専用として使用する商品の経費計上について
全色レビューなどの案件では、自分の好みではない色も含めて、全色を撮影・紹介する必要があります。
撮影後、気に入った色は日常使いすることもありますが、紹介のためだけに使用し、その後は一切使わない色もあります。
このように、PR業務のためだけに使用し、撮影後は私用で使わない商品については、100%経費として計上できるのでしょうか?
また、業務専用の商品と、仕事・プライベートの両方で使用する商品は、どのように区別して考えればよいのでしょうか?
税理士の回答
山本快夫
お世話になります。
ご質問に対する回答)
-----
①
自分のお金で購入していない商品を、なぜ経費として計上できるのでしょうか?
↓
時価で収入として入手した商品を、業務の遂行上必要のため使用したことから経費となります。
現物収入として計上した金額と、経費として計上できる金額は同じになるのでしょうか?
↓
基本的に同じ金額となります。一般的に近い日にPR業務に使用するでしょうし、その商品の時価は大きく変動しないものと考えます。
-----
②
PR業務のほかにプライベートでも使用する場合は、全額を必要経費に算入することは認められません。合理的に疎明できる事業割合と家事割合を算出する必要があります。
コスメについて、プライベート転用も可能なことから家事関連費に該当しますので、以下の2つの要件を満たす必要があります。
・業務の遂行上必要であること
・その必要である部分を明らかに区分することができること
上記のうち、1つ目の要件は比較的疎明・説明できるとしても、2つ目の要件「その必要である部分を明らかに区分すること」は、質問者さまのケースでは、なかなか難しく慎重に対応する必要があるものと個人的には考えます。
ひとつの考え方として参考になり得るものとして、歴史があり事例の積み重ねや国税出身者などによる解説も多い、俳優等の衣装の取扱に準じて、以下のような処理も参考になると整理しています。
1.主としてPR投稿・宣伝のためのみに使用し、かつ私用に使用することができない場合→100%必要経費
2.主としてPR投稿・宣伝のためのみに使用する場合→70%必要経費
3.主としてPR投稿・宣伝のために使用するものであるが、それ以外の私用にも使用可能な場合→50%必要経費
4.主として私用に使用しPR投稿・宣伝にも使用する場合→必要経費ゼロ
参考「特殊事情に係る所得税実務(小田満 著、税務経理協会)」
あとは、積極的に合理的に根拠を準備して事業使用割合を高めていくか、保守的に簡略的に事業使用割合を低めていくか、納税者や税理士の方針によって左右されることが多いです。
3.~4.の間の割合にする余地もあるとは考えます。
-----
③
その後は一切使わない色もあります
↓
100%必要経費にするためには、保守的に廃棄して、その記録(動画や画像など)を残しておくと安心できるものと考えます。
―――――――――――
他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。
PRの対価として商品を受け取る場合、現物の収入と、その商品を業務に使った費用を別々に考えます。自己負担がなくても業務使用分が経費となる可能性はありますが、収入額と必ず同額になるわけではありません。コスメに一律の経費割合はなく、撮影で使った量・回数や私用への転用を記録して区分する方法が考えられます。撮影専用で全量を業務上消費した場合は全額算入の余地がありますが、未使用残や保管品も確認が必要です。案件契約と使用記録を税理士に示して処理をご相談ください。
※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。
本投稿は、2026年11月05日 22時24分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







