外注費の受け取りと支払について
内装工事の個人事業主です。
元請会社から同業者Aの工賃を受け取り、そのまま受け取った金額をAへ支払う場合、受け取った時点で私の売上になり、支払う時に外注費として計上するのでしょうか?
全てのやり取りは元請と同業者Aが直接しており、元請会社にAの口座登録が済んでいないという理由で、工賃だけ私の口座を経由させている状況です。
免税事業者のため、私に関係のない工賃はできれば売上にしたくないのですが、事業主や預り金など他の科目で計上するのは問題ありますか?
税理士の回答

こんにちは。
預り金勘定による経理で差し支えないと考えます。
ただし、税務署に指摘された場合に備えて下記の事実関係を示す客観的な資料等を保管すると万全です。
全てのやり取りは元請と同業者Aが直接しており、元請会社にAの口座登録が済んでいないという理由で、工賃だけ私の口座を経由させている状況です。
どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
自分の工賃と合算されて入金があった場合は、一部(同業者A分のみ)を預かり金とするのは良くないでしょうか?

ご質問のケース(自分の工賃と同業者Aの工賃が合算されて入金される場合)では、一部を「預り金」として処理する方法は合理的かつ適切である場合があります。以下でその方法と注意点を解説します。
1. 預り金として処理する方法
自分の工賃部分は売上として計上し、同業者Aの工賃部分のみを「預り金」として処理する方法です。この場合、以下のような仕訳になります:
元請会社からの入金時:
借方:「現金」または「預金」
貸方:「売上」(自分の工賃分)
貸方:「預り金」(同業者Aの工賃分)
同業者Aへの支払時:
借方:「預り金」
貸方:「現金」または「預金」
この処理により、自分の工賃分だけが売上に計上され、同業者A分は単に「一時的に預かったお金」として扱われます。
2. この方法が認められる条件
以下の条件を満たしていれば、この方法は税務上問題なく使用できます:
1. 取引の実態が明確であること
同業者A分の金額が具体的に明示されており、単なる資金の仲介であることを証明できること。
元請会社とのやり取り(メールや契約書など)で、同業者A分が明確に分かれていること。
2. 帳簿や証拠が整っていること
預り金の仕訳内容が明確であり、元請会社からの入金金額と同業者Aへの支払金額が一致すること。
必要に応じて、同業者Aへの支払い時の領収書や振込明細書を保存しておくこと。
3. 元請会社と同業者Aもこの仕組みに合意していること
元請会社があなたを「単なる支払代行者」と見なしており、トラブルが起きないようにしておく。
3. 注意点
この方法を選ぶ場合の注意点は以下の通りです:
1. 税務調査への備え
税務署が「全額を売上として計上するべき」と主張する場合も考えられるため、あらかじめ取引の内容が分かる資料を整備しておきましょう。
2. 元請会社への確認
合算されている入金の明細が分かるようにしておくことが重要です(例:自分分と同業者A分を明確に分けて記載)。
3. 同業者Aへの支払いの迅速化
預り金として扱う場合、同業者Aへの支払いを迅速に行うことで「未払い」や「貸借関係」が生じないようにします。
4. 定期的な見直し
預り金処理を続けるよりも、元請会社が直接同業者Aに支払う形を整備することが、長期的には手間やリスクを減らす解決策になります。
4. 結論
自分の工賃部分を売上とし、同業者Aの工賃部分を「預り金」として処理する方法は、取引実態に即していれば認められる可能性が高いです。ただし、税務署への説明が必要となる可能性もあるため、取引の明確化や証拠の準備をしっかり行いましょう。
とても詳細かつ丁寧な回答を頂けて大変助かりました。
同業者Aさんへの支払いは今後、直接振り込んでもらうようお願いをしました。
ありがとうございました。
本投稿は、2024年11月05日 15時32分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。