収益認識基準適用による売掛金への影響につきまして
収益認識基準の適用により2022年頃より大幅な減収となる企業が多くありました(百貨店業界など)。 一方で、売掛債権や買掛債務はほぼ金額に変動がないケースが多くみられましたが、売上減少に伴い債権債務も減少するものではないのでしょうか?
理解不足で申し訳ありませんが、収益認識基準の適用による債権債務への影響についてご教示いただけないでしょうか?
税理士の回答

収益認識基準の適用により売上高が減少しても、必ずしも売掛債権や買掛債務が同様に減少するわけではありません。その理由は、収益認識のタイミング と 取引条件 の違いにあります。
収益認識基準の適用により、従来は「出荷基準」や「請求書発行時」に収益を計上していた企業が、「顧客への支配の移転時」(実際の引き渡し時や役務提供完了時)に収益を計上するよう変更しました。これにより、売上高が減少したように見えるケースがありますが、実際の取引量が減ったわけではなく、単に計上タイミングが後ろ倒しになっただけのケースが多いのです。
一方で、売掛債権(売上債権)は、実際に発生した売上に基づき、顧客に対して請求が行われた時点で計上されます。そのため、企業が収益認識基準の適用で売上計上を遅らせたとしても、同一会計期間内での債権額には大きな変動が見られないことが一般的です。特に百貨店業界のようなリテール業では、短期間で売掛金が回収されるため、期間をまたぐ売掛金の影響も限定的です。
さらに、買掛債務についても、企業が仕入を行い、その支払い義務が発生した時点で計上されるため、売上認識の基準変更とは直接関係がありません。取引先への支払義務が変わらない限り、買掛金額にも大きな変動は起こりません。
まとめると、収益認識基準の変更により売上高の認識が変わっても、売掛債権や買掛債務は実際の取引量や支払い義務が維持される限り、大きな影響を受けにくいと考えられます。
詳細にご回答いただきありがとうございました。
売上減少が必ずしも債権債務の減少に繋がらない点につきまして理解できました。
ご回答いただいた質問事項につきまして、再度の質問にて申し訳ありません。
「売上高に関しては実際の取引量が減ったわけではなく、単に計上タイミングが後ろ倒しになっただけのケースが多い」「一方で、売掛債権(売上債権)は、実際に発生した売上に基づき、顧客に対して請求が行われた時点で計上される」の理解はさせていただいたのですが、
仕訳はどのようになるのかご教示いただけないでしょうか?
「出荷基準」や「請求書発行時」に収益を計上していた企業が、「顧客への支配の移転時」に収益を計上するよう変更した場合、顧客への請求時の仕訳はどのようになるのでしょうか?
売掛金/売上+契約負債でしょうか?
本投稿は、2024年12月18日 06時47分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。